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森と林業の本

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2023/12/24

不死身のシカ考1

今年はクマの出没問題がクローズアップされたが、もともと獣害と言えばシカである。クマなんて人身被害がなければ、ほとんど問題にならなかっただろう。クリスマス・イブの夜だし、シカについて考えた。ヾ(- -;)

シカは、植物質ならなんでも食べる旺盛な食欲と、4、5年で生息数が2倍になると言われる繁殖力で、植生を破壊する。

天敵のオオカミは当てにならない。オオカミが捕食するシカの数などしれたものだ。江戸時代からオオカミがいても数は減らなかった。
ハンターも同じ。現在、年間70万頭以上も駆除しているのに、減らない。
繁殖率が高いうえに、近親交配しても平気。数頭が数百頭まで増えても、遺伝子は異常をきたさないらしい。
シカがバタバタと死ぬような病気も見当たらない。冬の寒さにも耐える。
生まれる数が、どうもメスの方が多い気配がある。雄はハーレムをつくるから繁殖率は想定以上に高いかもしれない。
餌となる草木が減っても、それまで食べなかった樹皮でも落葉でも、毒を含む植物でも食べて生き残る。以前は食べないとされたアセビやシダ植物をもりもり食べる姿を見た。
さらに餌が少ないと体格を小さくするが、数はなかなか減らない。栄養失調になっても死なない。

もはや種として不死身だ。個体は弱くても、種としては叩いても叩いても復活する。

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おかげでシカが増えた森は、植生が破壊される。下生えの草木がなくなることで、昆虫も鳥も減る。裸地になることで土壌流出が増え、より自然破壊が強まる……と言われている。だから、駆除しなければならないのだと。

さて、ここからが疑問だ。まるで弱肉強食とは、肉食動物は弱くて何でも食べるシカは強い、という意味のようだが、それは生態系としておかしいのではないのか。シカは、地球の生態系からはみ出した異物みたいではないか。

そうではなく、シカがいて成り立つ生態系があるはずだし、シカの生息数をコントロールする要素は何かあるはずだ。

この思考続く。

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