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森と林業の本

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2023/12/15

CO2を出す森

今日は生暖かい。ところがスーパーに入ったら、ひんやりした。冷房を入れているのだ。おそらく生鮮品を扱っている都合、あまり気温が高いとマズいのだろう。それが12月中旬とは。

気候変動枠組条約のCOP28が1日延長して昨日までドバイで開かれていた。あまり話題になっていないが、サウジなど産油国が「化石燃料を段階的に廃止する」という宣言案を拒否していた。結局「脱却を進める」に丸めて採択したようだが……。

世界気象機関は、2023年の世界の平均気温が産業革命前を約1.4度上回る見通しだと発表した。つまり1.5度までもうあとわずかのところまで来てしまっている。

1.5度というのは、いわゆるティッピング・ポイントだ。ここに達すると、もう後戻りできない。気候は暴走し始め、仮にその後脱炭素を進めても(あるいは世界の主要都市が壊滅して、排出量が減ったとしても)、もう元にはもどらないと言われている。

ただ、私は、もうティッピングポイントは超えたと思っている。世界で進めている合意内容はゆるゆるの妥協の産物だし、全部実行しても無理だろうと予想しているからだ。

それに国際エネルギー機関は、すでにこの合意が完全に実施されたとしても、今回合意された2030年までの温室効果ガスの排出量は、1.5度目標を達成するために必要な削減量の3割でしかないとの指摘を発表している。

問題はその後だ。まず覚悟しないといけないのは、気温上昇が続けば、森林はCO2の吸収源ではなくなる。排出源になるだろうということ。森があることで、より気候変動が激しくなるかもしれない。

気温が高すぎると光合成量は著しく落ちるが、呼吸量は増える。それどころか樹木はメタンまで排出する。また森林土壌も、腐葉土がどんどん分解されて有機物がCO2となって排出される。結果的に森林は温暖化を進める元凶になるのではないか。どうする?地球。

2_20231215171801

写真は、京都の芦生の森で行われている樹木が排出するメタンを検出するための装置。

ちなみに来週は寒波が来るそうですな(>_<)

それも気候変動ですわ。

詳しく知りたい方は、サイドバーにある『虚構の森』をどうぞ。

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コメント

世界人口が80億を越えて気候危機も加速しているのでしょう。
人間が暮らせる地域も少なくなり、争いも増えるのでしょうか。
(目を背けたくなる気持ちも分からなくはないですが)

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