「美林遺産」と林野庁の「美林誘導プロジェクト」
たまたま拙ブログのある記事を探していた。それがなかなか見つからないのだが、代わりに別の面白い記事を見つけた。
これが、なかなか面白い(笑)。ジブンデイウナ
「世界美林遺産」を選定しないかという思いつきなのだ。
人が作った美しい森を認定することで、林業イメージをよくするのである。おそらく昔から人工林を育ててきたのは、欧米のほかは日本くらいだろう。否応なく日本で選定は数多いはずだ。
いやその前に日本版として、日本美林遺産とか美林一〇〇選も選んでもいいかもしれない。
日本美林遺産、美林百選か。悪くない。今は、何でも認定ブームだからウケるのではないか。
とまあ、そんなこと思っていたら、林野庁が、「青森ヒバと秋田スギの美林誘導プロジェクト」というのを進めていることを知った。これは、「東北森林管理局において、文献調査により日本三大美林の対象やその姿を明らかにするとともに、新たに美林を増やしていくための課題の整理、誘導手法等について検討」するものだという。
美林の歴史的文献調査や美林をつくるための誘導手法(施業法)を探るのもいいが、ちゃんと美林の定義を設けて、どんどん認定していけば、我が山にも美林をつくろうと考える山主が現れるかもしれない。人工林も美しいのだ、という広報効果はバカにできないはずだ。また観光名所にすることもできる。間伐なども、美林をつくるための世話と言えば、理解を得やすい。皆伐は……これはダメでしょ。
ちなみに林野庁のプロジェクトの資料に目を通すと、戦前の美林とは、やはり生産力などに重きを置いているように感じる。また人の手でいかに整然と整備しているかも重要なようだ。京都の北山杉のような究極の人工林を美林と考えていたのだろう。
しかし、今なら天然林に近い森、針広混交林も生物多様性が高いとか、景観的にも見映えがよいとした定義もできるだろう。スギの木の下に広葉樹が繁っている森を美しいと思う感性もあるはずだ。あるいは明治神宮の森のような、明らかに人がつくった照葉樹林(^_^) を取り上げることもできる。きっと森の管理者にも励みになると思うのだが。
どうだろう、今からでも認定事業を(^o^)。私は審査委員になって、全国を回りたい。
どちらも人工林の美林だ。
ちなみに探していた記事は、いつ書いたのだろう……。
« 足立美術館の庭園 | トップページ | もはやクマの専門家(笑)~北日本新聞 »
「林業・林産業」カテゴリの記事
- 見えないカルテルが、木材価格を下げる(2025.01.13)
- 理想の林業~台湾の公有林がFSC取得(2024.12.27)
- 林野庁の考える「再造林」(2024.12.18)
- 「林業と建築の勉強会 」から学ぶ(2024.11.23)
- 高知の立木市場と密植への挑戦(2024.11.19)
コメント