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森と林業と田舎の本

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2024年1月

2024/01/31

龍治郎を探せ!(同志社時代の集合写真)

土倉家の貴重な写真を手に入れる。

新発見は、これだ。

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京都・知恩院の山門前で撮られた同志社の学生写真。おそらく同志社にもない代物である。

問題は、ここに土倉龍治郎が写っているはずなのに、どこにいるのかわからない点だ。。。

そもそも撮影年代がはっきりしない。龍治郎は、6歳で入学しているが、20歳前後で卒業したはず。つまり幼少時から高等学校当たりまで教育を受けている。当時は大学はまだなく、同志社英学校だった。

もし幼少時なら、前の方に写っている児童かもしれない。そこで、その当時の写真を探してみた。

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これは新島八重と一緒にいるところの写真を切り取った。6~7歳だろう。新島襄夫妻の世話を受けていた。八重さんにサーカスに連れて行ってもらい、象を見たという手記を残す。

人数が多いので、もっと大きくなってから(同志社も大きくなった頃)の可能性もある。そこで兄弟姉妹で撮った写真から拡大してみた。同志社時代という書き込みがあるから、卒業前か。ちょうど柔術と撃剣(今の柔道、剣道になる前)を習いだしたころだ。どちらも名人級になったという。同志社にも道場が建設された。

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痩せて顔の輪郭は全然違うようになっている。

でも、集合写真から確実にこれだ、という人物が見つからないのである。ウォーリーを探せ、ならぬ龍治郎を探せ、状態。

誰か、挑戦してみないか。ちなみに外国人教師も写っているが、誰かわからない。

2024/01/30

「ひみ里山杉」の秘密

ひみ里山杉を知っているだろうか。

昨秋、ひみ里山杉活用協議会というところから講演依頼があった。開催は2月4日、つまり今週末である。

最初、ひみ?秘密じゃないか 里山? 杉? えっと、里山の森なら雑木林だろうし、杉の活用とあれば林業やっているのか。はて? と悩んでしまった。

ちなみに「ひみ」は氷見である。これは富山県の氷見市、地名だ。私は「氷見の寒ぶり」を思い出した。そうか、2月ならまさに本場、寒ぶりを食べられるぞ。という連想しかなかったのだが。

種を明かせば、ひみ里山杉と呼んでいるのは、ボカスギのことであった。こちらなら、知っている。スギの一品種だ。富山のボカスギ林業でそこそこ知られているのではないか。ボカスギとは成長のよい品種で、かつて電柱用として大いに出荷して有名だったらしい。ただ、今は電柱はコンクリートになったので、売れなくなり、なんとか建築材にすべく、「ひみ里山杉」というブランド名をつけて売り出し中であった。

ボカスギとは、ボカボカ育つという意味なのだろうが、これはブランド化にはおしゃれではないという判断をしたのか。

しかし、今ならボカスギなんて、可愛いと思うけどなあ。ボカちゃん、と呼ぶ“ゆるキャラ”つくればウケそうな気がする。

ちなみに、ボカスギ林業は、里山とも大いに関係がある。その点は、Yahoo!ニュースにも書いた。

能登半島地震の山林被害と特異な林業を俯瞰する

さて、肝心の講演だが、地震で延期・中止やむなしか? と私も氷見市の被害を調べていたのだが、幸い死者はなく、大事にはいたっていないらしい。講演会も開催される。

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富山県、もしくは近隣で余裕のある方はご来場されたい。

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講演タイトルおよび内容は、「新しい里山の形~ひみの林業の未来を考える~

里山と、林業の両方を織り込んだタイトルである。なかなか工夫しているだろう(笑)。
決めたのは、昨秋だから、内容を考える前にタイトルを決めている。

能登半島地震は石川県が注目されるが、富山県、とくに氷見市も被災地。私の講演が、直接、震災と関わるわけではないが、この地域の未来を考えたい。

多分、寒ぶりも食べられると思う(^-^)/ 
食べて応援!気分で来訪していただいてもOK。(多分)

 

2024/01/29

Y!ニュース「林業に外国人労働者を入れる前に…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「林業に外国人労働者を入れる前に定着率を上げろ」を書きました。

……でも、なんだか毎度同じことを書いているような気がして、むなしい(-_-;)。

まあ、今度「特定技能」が改正されることになったことと、世間では人手不足という点で、林業もほかの業界も全部一緒くたにしているように思えるので、しっかり指摘しておきたいという気持ちもあったので書いたのだけどね。

そういや、自動車運送業。こちらも担い手の不足が問題になっているが、給与はどれぐらいもらっているのだろうか。

安い安いと聞かされるが……。

実は、1980年前後、私が新人記者として取材した中に佐川急便に勤めていた人がいた。
彼は起業を目論んでいて、まず資金を稼ごうと佐川急便に務めたときの給与は、最低月給80万円以上だった。頑張れば頑張るほど給与は上がると聞かされたそうだ。3年で1000万円貯めるのが目標で、実際達成した。その後起業したのだが、失敗。再び舞い戻ったそうだ。そして一戸建てのマイホームも建てていた。再び起業するための資金も貯めているとのことだった。
これは40年前の話だから、おそらく現在は2~3倍くらいの感覚で見るべきだろう。初任給の額から見ても、それぐらいになっている。つまり給与は160万円以上である。

まあ、当時は働き方改革どころではないが、数年間だけ、がむしゃらに働く前提では不満の出ない額だったのだ。雇用主も、稼ぎたい金額を聞いて、それに合わせて仕事を与え、貯まったら辞めるのが当たり前だったそうだ。

どうだね。雇用主諸君。

 

2024/01/28

人の道から外れて獣道を歩む

久しぶりに山に入った。もちろん道のないところ。ただし予定のルートから外れるのではなく、最初から狙う。

頭の中の地図で、まだ歩いていない地域はどこか検索する。この山道は歩いたな、あの尾根の向こうはまだか。その向こうの谷は分け入っていない。そう考えて、だいたいの進む方向を決める。もちろんルートそのものは、その場の判断。道がないのだから。

進入起点を決めて、山に分け入った。ブッシュもあるが、かき分けてばかりでは無理が出るので、やはり歩きやすい木々の間を選ぶ。すると、そこには杭が打ってあったり、お菓子のゴミや空き缶が落ちていたりする。以前、人が入っているのだろう。

それでは面白くない。そこで道を……道はないが、人の痕跡から逸れる。が、やはりブッシュは通りにくい。そこで獣道に目をつける。人の道から外れて獣道を進むわけだ。

さて,その奥に何があるか。どこにたどり着くか。

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こんな岩の隙間から生えた木を見つけた。わりと太い。

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急斜面を下りると、急に平坦に……と思ったら、ため池の痕跡があった。ということは人為的につくられたものなのか? 周りに道はまったくないから太古の昔、は大げさだが、数十年前の遺跡かもしれない。それともたまたま窪みに雨水がたまったのかもしれぬ。
今は泥沼となって、イノシシのぬた場になっている。ものすごい足跡と毛の痕まで残る泥。

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さらに行くと、なんと砂防ダムが。さすがにこれは人がつくったのは間違いないが……。意外なところで土木工事は行われている。

ダム湖はわりと深そうだ。ここを超えるのは足を濡らす覚悟をして、飛び下りる。そしてよじ登るのだが……これがきつい。筋力落ちたなあ(泣)。昔なら、ヒョイと登った段差1・3メートルほどがヒイヒイ言わねば登れぬ。

ともあれ、多少濡れながらも登って対岸のブッシュをかき分ける。一度道に出たが、その道は歩まず、すぐに奥の森に入る。

いよいよ見知らぬ谷に迷い込む……なんだか犬の鳴き声が聞こえるが……。
がむしゃらにブッシュの斜面を登った。ササになっているから、かき分けるのもきつい。

そして……たどり着いたよ。カフェ。

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こんな大型犬(グレート・ピレニーズ)がいるカフェ。これが未踏の森を超えた先にある世界であったか。

せっかくだから、一杯お茶する。そして、犬と遊ぶ。

人懐こいねえ。なでると気持ちいい。抱きしめてしまった。ああ、快感。これが人の道を外れて獣道を歩んだ、ご褒美であった。

 

 

2024/01/27

玄関先のセミの脱け殻

驚くべきものを発見した。玄関先で見つけたのだ。

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なんとセミの脱け殻。いつからあったのか。通常、セミが羽化するのは夏。8月までだろう。それが9月頃までずれ込むことはあるかもしれないが、まさか真冬に? 

いやいや、単に気付かなかっただけで、夏ごろからあったのだろうか。

しかし、これまでまったく気付かなかったのだ。本当に何カ月も脱け殻が残ることがありえるか。大風、大雨の日が幾度もあったではないか。

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多分、アブラゼミだと思うが、いくら暖冬でもなあ。セミの成虫の寿命は、長くて1カ月というが、脱け殻の主は、今どこへ。

 

2024/01/26

豆腐の値段から思うカジュアルウッド

スーパーで豆腐売り場を見る。

値段の開きがすごい。

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安いのは47円(たまに30円台もある)。次に67円、117円、177円、217円、237円……量の差などわずかだ。原材料も大豆と凝固剤(たいてい塩化マグネシウム、硫酸カルシウムなど)で、ほぼ変わらない。それなのに、なぜ、この値段の差があるのか。

まあ、実際の作り方に違いはいろいろあるのだろうが、価格差が5倍6倍以上というのは、その設定意図には、極めて微妙なのだろう。それが、どこまで味の差になるのか。

私は、あまりの安売りの豆腐は買わない。味がどうのというよりは、それでは作り手が儲からずやる気を失っているような気がするからだ。機械に任せて、やっつけ仕事の豆腐は食べたくないという、まったく非科学的な理由からである。
かといって、あまりの高級豆腐もどうか。たまに地元でないところの専門店で、お土産のように300円、いや500円を超える豆腐を買うことがあるが、いつもではない。非日常感覚を味わうためだ。味は悪くはないが、10倍の価格なら10倍美味しいわけではあるまい。

結局、100円台を選ぶ。カジュアルだけど、買いやすい価格だけど、品質は悪くない線を狙う。

ここで木材価格に目を向ける。ほぼ成分的には同じでも、価格差はもっと開くだろう。

銘木の中には並材の100倍の価格をつける場合もある。もちろん、木材は素材よりは商品になってからの値段だから、どこに使うのか、見映えとデザインにこだわる。インテリアになる場合は、高くても美しいものになる。通常、目にする部分が美しければ(自分の感性に合うならば)、高くても損した気にならない。むしろ癒しを味わえて、心の健康に寄与すると思えば安いのだ。

が、見えないところは強度など実用一点張りで、同時に価格は安いに越したことはない。外材でも国産材でも合板、パーティクルボードでもいい。……しかし、安さを追求すると、アブナイ木材、違法伐採だとか、身割れして強度もない材かもしれない。それに山の人は儲からないだろうなあ、と考えてしまう。おそらく生業を維持できない値段。

……では、視点を山の生産側に移すと、どんな木材を出荷するのが地震の利益と誇りを保てるか。どの線を狙うべきか。
安売り競争に参加すべきではなかろう。安いとひたすら量を売らないと利益は出ない。環境破壊につながり持続性を失う。それでも何も考えず、傷だらけの木材でも騙して売りつけて儲けると割り切るか。心がすさみそうだけど。
かといって、銘木はリスクは大きい。消費者の感性に触れるか触れないかは、博打みたいなもの。だいたい売れる量はしれている。流行から外れたら二束三文だ。

となれば、カジュアルだけど、品質と利益のバランスの合う木材はないか。豆腐なら100円台である、鶏肉なら高級地鶏ではないが、平飼いのニワトリの肉は美味いのではないか……。手頃な価格なら量も期待できるし、利益率も悪くない。カジュアルな高品質木材、カジュアルウッドだ。

とまあ、そこまで豆腐売り場の前で立ち続けて考えた末に、今晩は湯豆腐にしようと思ったのでありました。

 

 

 

 

2024/01/25

横浜みどり税の昨今

いよいよ今年から国の森林環境税が始まるのだが、都道府県の森林環境税もあるところが多い。

神奈川県もその一つ(名前は水源環境保全税) だが、横浜市民には、もう一つ「横浜みどり税」があることをご存じだろうか。2009年から個人市民税に900円、法人市民税には均等割の9%相当(4500~27万円)をそれぞれ超過課税していた。その額は、29億円も集めているというのだからすごい。ちなみに県の水源環境保全税では、年間42億円も収入があるらしい。すげえ、お金持ちの県だわ。

横浜みどり税の目的は,緑地保全の財源に充てているという。ところが、いまだに市内の樹林地は減少し続けているという。宅地開発が多いらしいが、毎年29億円あっても、足りないのかね。

しかし、横浜市民は、三重苦(笑)。この点に関して、私は結構記事に書かせていただいたのだが、このほど見直し時期を迎えて、さすがに……と思っていたら、まだ5年間延長するそうだ。税金は一度取り出したら、絶対に減額しない典型だ。


なお国の森林環境税は、そもそも復興特別税だった。東日本大震災の復興財源として一人1000円徴収していたのを、10年経ってようやく終わると思ったら、せっかく徴収できていたのを廃止にするのはもったいない、と森林環境税に模様替えしたものだ。これも、税金を取り出したら絶対になくさない例である。ローカルな話題だが、税金に対する行政の姿勢がよくわかる。


ちなみに横浜市には、森林環境譲与税は年4億円ほど落ちるという。単純に足せば、75億円も緑関係~森林や緑地に使える財源があるわけだ。使い切れずに、ほかの自治体に分け与えているという話も聞くが……。金があれば森林が守れるわけじゃない。その金使って、逆に破壊している例だってあるはずだ。とくに林業関係はね。

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なお国には、所得税額に2.1%を上乗せする復興所得税もある。こちらは2013年に導入し、25年間課税して37年に終える予定だった。しかし、2.1%のうち1.0%を防衛目的の新税に切り替えることになった。1.1%の税率で取り戻すには50年まで13年間延ばす必要がある。これも見えない増税だ。多分、50年にはまた別の名前に変えて存続させるつもりだろう。

 

2024/01/24

台湾の貯木場写真に思う

友人のカメラマンが、台湾の貯木場の絵葉書を入手したとのこと。

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浮かんでいる木が、いかにもタイワンヒノキっぽい(笑)。ベニヒノキではないだろうか。いや、どこでわかる、と言われたら困るのだが。台湾でも、乾燥させるために水に漬ける、ということをやっていたのだね

思わず「台湾の貯木場」で検索したら、わりと多くヒットした。どうも戦前の日本の林業施設が観光対象になっているようだ。ちょっと興味ある。台湾で伐採した木材量は、推定されているのだろうか。当時の日本の木材生産量の何割かを占めただろう。まだ明治時代は、国内に十分な森林資源は育っていなかったはず。

近代日本は、台湾の木材で成り立っていた、という仮説を立ててみたい。

台湾は、戦前の日本林業にとって大きな存在だったようである。奈良南高校(旧・吉野高校)の林業博物館にも、多くの台湾の木の標本があったことを思い出す。

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そう言えば、火災で焼失した沖縄県の首里城再建のため、ベニヒノキ5本を提供するというニュースがあった。タイワンヒノキは輸出禁止、いや天然林は伐採も禁止になっているが、これは人工林で間伐されたものとか。
首里城は、一応日本のヒノキで建てることで進んでいるのだが、少しだけ「外材」が混じっていた(笑)。

 

2024/01/23

ファミマのフォークと割り箸

この記事、気になる。

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コンビニのファミリーマートが゛プラスチック製のフォークやスプーンを有料にするという記事なのだが、注目すべきは割り箸が無料である点だ。

どうも記事の内容も、プラのカトラリーが有料になることを強調しているし、それが値上げと捉えているが、そこじゃないだろう。プラ製品は有料にして需要を抑える、一方で割り箸のような木製品は無料であることの意味を考えてほしい。

ファミマの本部の意図がどうなのかはわからないが、世界の趨勢はプラ製品をできるだけ使わないでおこうということなのだ。そのうちプラ製の箸だって有料化するか減少させる方向に進むだろう。

これまで割り箸は木製品であるがゆえに「森林資源を棄損する」と排斥されてきたのに、ついに逆転したことに気付いてほしい。実は、ヨーロッパでは、すでにプラのスプーンやフォークは有料で、割り箸は無料になっている。日本がようやく追いついたと知るべきだ。この話は、すでにYahoo!ニュースに記している。

割り箸が熱い!今世界と国内で起きていること

割り箸は、持続可能な天然素材でつくられている。だから無料で提供する、という発想を持つべきだ。記者も、もう少し勉強しなさい(笑)。

ただし、おそらくだが、ファミマの割り箸は中国製だろう。そこを国産にするのなら、割り箸も有料でもいいと思うよ。

 

 

2024/01/22

認証パームオイルの需要に思う

今や世界中で欠かせぬ油脂となったパームオイル。だが、その生産では森林破壊や労働環境などが厳しく問われている。

そんなところに、こんな記事。パームオイルにも環境認証RSPOがあるのだが、日本の油脂会社不二製油グループでも、その調達に頑張っているとか。

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だが、気になるのは、この部分だ。

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調達した認証パーム油の6割は、日本ではなく欧米に輸出しているのだ。なぜなら、欧米は認証を取っていないと、輸出させてもらえないから。ヨーロッパは、もはや貿易のパスポートとなっている。

ところが、日本の企業は、1割ほど高くなる認証油を嫌がってなかなか買わない。だから非認証の問題あり油が日本に流れ込んでくるという。

なんか、ヤバい。森林認証の木材は、さらに低いだろう。言い換えると、日本に入ってくる木材は非認証材ばかりになのではないか。日本人は、これほどに環境意識が低いことを示している。

これは、輸入材だけの話ではない。国産材も非認証ばかりだ。国産材を国内で使うだけではなく、輸出できなくなる可能性がある。

実は、未確認情報だが、この認証を審査する海外の団体が、日本にも入ってきたそうだ。低リスクと思っていた日本の木材にも、違法性があることを嗅ぎつけたのかもしれない。もし、判定されたら、非認証材の輸入をたたかれるだけで済まない。日本の木材を輸出することも警告を発せられる可能性がある。 

そのことを意識しているのだろうか。

 

2024/01/21

舞台は終戦直後

深夜、『ゴジラ-1/C』を見てきた。ゴジラマイナスワン/マイナスカラー、つまりモノクロ版である。

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いやあ、参りました。カラー版は昨年末に2度見ている(IMAX版と4DX版)のだが、それとは別物のような迫力だった。世界観が変わったようでもあった。すっかり涙腺も緩んだ。原子雲と黒い雨の不気味さ。泣く子の愛らしさ。震電の美しき飛翔。ストーリーは知っているのに、新たな感動を発見する。モノクロ恐るべし。

ゼロからマイナスへ、というテーマも強く感じる。敗戦直前・直後の日本を襲う未曾有の“災害”に抗うという心性は、もしかして今の時代にも当てはまるのではないか。戦うのは政府でも米軍でもなく、民間人。

「思えば日本政府は、いかにも人の命を軽んじてきた」と、装甲が薄い戦車に脱出装置のない戦闘機、そして特攻を上げる。特攻は十死零生であり、未来のない作戦であった。

思わず、「林業で言えば、皆伐が特攻と同じだな」と連想したのは、ここだけの話(^^;)。

そう言えば……『鬼太郎誕生~ゲゲゲの謎』も終戦直後というか、まだ戦争の影が消えぬ時代が舞台だ。いずれも戦争で辛酸をなめた人々が登場人物である。戦う対象は、妖怪というよりは政財界に巣くう権力の魔物だろう。

そして、いずれも「未来を生きるために戦う」のである。

ちょうどテレビでは、かつての朝ドラ「ゲゲゲの女房」やっている。ご存じか? 朝ドラは、「ブギウギ」と「まんぷく」だけではないのだ。なんとBS12で「ゲゲゲの女房」もやっている。(ほか、「さくら」もNHK総合の昼間にやってるな。)

この前たまたま見たのだが、まさに終戦からの日浅く、戦争の臭いが残る世界が舞台であった。こちらは漫画出版界の創成期を描き、どちらかと言えば希望を感じるが、それでも各所に戦争に圧殺された怨念の臭いが漂う。(なお「ブギウギ」も「まんぷく」も、戦時中から終戦後の物語である。)

今の時代、世界各地で戦争が相次ぎ、日本だけでなく世界各地で地震に噴火、大水害と気候変動。そして政治は制度疲労あ起こしてグダグダ、破綻寸前。終戦直後に心を引かれるのは、そんなゼロ状態から、さらにマイナスに落ちるか、抗うかの瀬戸際なのかもしれない。

 

2024/01/20

千葉のシカは奈良のシカ?

このところ土倉庄三郎に関する新たな文献がいくつも見つかっている。もう私の中では終わらせたつもりだったのに…。

その一つは、『奈良に蒔かれた言葉』(奈良県立大学ユーラシア研究センター学術叢書1)である。
そこにある「大和近代の風景と自然観一考-杉と桜の文化資源学 本多清六「吉野山の桜制復古」(岡本貴久子著)という記事がある。

タイトルどおり主に取り上げているのは本多清六なのだが、彼にまつわる中で土倉庄三郎も紹介している。ただ、ここではそれを紹介しない。
内容的には、私にとって知らないものではなかったからである。

むしろ、それに付属したコラムがユニークだ。こちらに注目したい。

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奈良公園の人気者「ニホンジカ」と東京大学千葉演習林…この記事である。

それによると、千葉県の清澄…とあるのは、現在の鴨川市のようだが、ここにある東京大学演習林には「野獣園」という施設があったらしい。そしてシカを飼育していたが、その元は、なんと奈良のシカだというのだ!

どうやら明治42年に、春日神社(現・大社)から東京帝国大学農科大学に奈良のシカ(ナラシカ)を3頭送ったというのだ。どうも本多清六が関わっていたらしいが、人に馴れているシカということで選ばれたとか。

もう、これは、千葉も春日大社の一部であり、奈良領だな( ̄^ ̄)。

さらに繁殖させると、千葉県の神野寺、神奈川県の江島神社、長野県の小諸公園にも分譲されたという。そうか。神奈川県も長野県も奈良領だったのか。全国のシカはナラシカの血を引いているに違いない。

ついでに言えば、本多は「野獣園林業」を提唱していたらしい。ようはシカのいるレクリエーション施設として利益を上げるのも林業だというのである。これは参考になる。ナラシカ輸出産業を起こしてもいいぞ。

 

 

2024/01/19

Y!ニュース「能登半島地震の山林被害…」を書いたら裏事情

Yahoo!ニュースに「能登半島地震の山林被害と特異な林業を俯瞰する」を執筆しました。

今は地震被害のニュースが飛び交っているから、一応書いておかないといけないな、という気持ちで書いたのだが、林業関係者・林業に興味ある人以外は、読んでくれないだろうな、とも思う(^^;)。

まあ、林野庁も頑張っているのだよ、ということも伝えておこうか。

ただ問題は写真なのだ。

トップは通信社のものだが、中にアテの巨木写真を入れた。

実は以前能登町に仕事で行った際に、終わってから能登半島を一周した。それこそ輪島の朝市も昼頃行ったし(ほとんと閑散としていた……)、最北端の岬にも立った。棚田も見た。

ところが、その際にたっぷり撮ったはずの写真が見つからないのである。どうやらパソコンから消えたらしい。何かファイルごとごみ箱に入れた?ああ、もったいない。今思えば貴重な写真があったのだが。かろうじて見つけたのは、スマホの中にあった2枚だけ。その一枚が、アテの巨木なのであった。

もう一枚が、こちら。超巨大ベンチ。

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2024/01/18

木材輸入額1458%増!

林野庁の「モクレポ」1月17日版を見ている。

2023年11月の木材輸入額(丸太)の表を見て、ウッ!とうなった。

木材輸入額が、前年同期比1458%になった国がある\(^o^)/。

それは……パプア・ニューギニア。

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ま、ようするに前年は1000立米しか輸入していないのに、23年11月は1万4000立米輸入したということにすぎない。14倍になったわけだ。

単なる数字のお遊びみたいなものなのだが、なぜ私がここに目を止めたのか。

実は、かつてパプア・ニューギニアの木材を伐採して輸入している現場を訪れたことがあったからだ。何週間か滞在してお世話になった。

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あの頃は、よいか悪いかは別として、バンバン伐って、バンバン輸出していた。それが、ここまで減っていたのか。私がお世話になったあの会社の支配人は現地人に殺されてしまい、撤退している。撤退に関するトラブルに巻き込まれたとも聞く。

パプア・ニューギニアという国は、なかなえ難しい。民族紛争も絶えない。だから輸入も途絶えたのだろうが、今回はスポット的に輸入したケースがあったのだろう。丸太輸入自体が流行らない時代だが、南洋材華やかなりし時代であった。そういや当時は韓国人が買いに来ていた。買いつけに来ていた張さん、どうしてるかなあ。

ところで、合板用だったラワン材が、最近では銘木扱いされているそうだ。あの木肌を好む人もいるのだろう。ニューギニアの木材はもっと緻密だったと思うから、すごい銘木になっているかもしれない。

そんなことを、1458%という数字から思い出したのであった。

 

 

2024/01/17

時代は移る。中華から印度へ、そして……

吉野まで取材に行って、その帰り。時間も午後5時を回ったし、途中で食べて帰ろうかなと思った。口の中は、町中華になる。よし、中華料理店を見つけたら飛び込もう。

車を走らせると、いくつか中華店が目につく。が、まだ5時台だった。やっぱり6時を回ってから食べようかな。

そこで通りすぎて、時間の経過と道行の中華店探し。

いよいよ渋滞もすぎて、6時を回った! よし、あの角に中華料理店がある。このルートは何度も通っているから覚えがあるのだ。まだ入ったことのない店だし。。。。が、近づくと暗い。なんだ? 休み? よりによって……。

よし、次の店をめざせ。あそこは名店として知られているぞ。何を食べるか?やはり唐揚げは外せないな……。

近づき駐車場に車を入れたのに、なんと暗い。え?休み? なんで。水曜日は休みの店が多いの? ランチしかしていないの? そんな馬鹿な、他の店は開いている。中華料理店だけの記念休暇日か。

となると、最期の店はあそこ。あそこは町中華というよりちょっとグレードは高い中華レストランだが、名店ではある。しかも夜の宴会もできるお店。絶対開いてるでしょ! が、近づくと……閉まってる(゚д゚)。真っ暗。

3軒連続休みとは? ありえねえ。中華連合の嫌がらせか(-_-;)。

もはや万策つきた。そこで手前の印度料理店を思い出す。車を反転させて飛び込む。口の中は中華から印度へ。時代はグローバルサウス、東アジアから南アジアへ移るのだ。

まあ、正確には印度料理というよりはネパール料理であったが。

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ナン、でかい! でかすぎ!!! 中辛にしたのに辛すぎ! でも、美味かった(^o^)。巨大ナンも平らげた。

ちなみに吉野の山奥では、ロウバイとカンザクラの花を見た。料理だけでなく、花も移る。時代も移る。すでに春のキザシだ。

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2024/01/16

まだ続く?「山林購入」記事

今週の週刊現代(1・13・20号)には、「山、買ってみました」という記事が載っている。

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正確には、タイトルは「キャンプブームで購入客が増えているけれど……その夢と現実」である。

実は、昨年末に、この記事の取材を受けた。一昨年は、山林購入の話題がブームとなり、私も引っ張りだこだったんだけどねえ(^^;)。
まだ続いていたか。

しかし、申込があったときは、「山林を購入したら苦労するよ」という記事にはしたくないとのことだった。やっぱり新年号、夢のある話として、でも実際に押さえるべき点も指摘しておきたい、ということで、私がコメンテーターとなったのであった\(^o^)/。

それで、この4ページの記事。なるほど……やっぱり大変だ~という指摘満載であった(笑)。私のコメントも、そんな部分が使われておる。まあ、そう言うこと。

私も、自分の山を楽しんでいるが、それはかなりゆるく遊んでいるからで、上手く行かなくてもいいのよ。

ちなみに田舎暮らし系のコメントを求められることもあるのだが、そこでも田舎暮らしは大変だ、失敗例を聞かせてほしいという依頼が多い。たしかにあるのだけどね。失敗例は。楽しいという記事は、すでに表に出ているから、どうやら逆張りの記事をつくりたいということなのだろう。そして山林購入ブームがあって、それを大変だあという記事が出て、今はその次の「大変だけどやっぱり楽しいよ」という記事が求められているのではなかろうか。

ならば、次は山林購入の地獄話を楽しく語る記事がよいかもけしれないぜ。

私は、そのどちらにも対応できるオールマイヤーなのであった(笑)。

気が向いたら読んでください。

 

2024/01/15

能登の真脇遺跡は軸組建築の出発点!

能登半島地震で能登町の国の遺跡「真脇遺跡」の竪穴式住居(復元)が、無事だったというニュースが流れていた。

能登町の国史跡「真脇遺跡」で、竪穴式住居を再現した「縄文小屋」が能登半島地震でも無傷だったことが分かった。小屋は高さ約3・5メートル、幅約5メートル、奥行き6メートルあり、屋根には重さ15キロの石が40個載っている。柱は直径10センチほどの掘っ立てだが、関係者はその強度に驚いている。(北國新聞)

これで、ピンときた。この真脇遺跡、覚えがある。というのは建築の歴史を変えた存在だからだ。

そこで探してみると、本ブログにも書いていた。

林業発祥は縄文時代!?

改めて説明すると、木材で建築物を作る際に、単に縄で結ぶなとするのではなく、仕口をつくる、つまりほぞ穴に差し込む加工を施すのは、これまで中国伝来で、弥生時代くらいからと思われていた。ところが真脇遺跡から出た仕口は3000年前だというのだ。縄文時代である。しかも角材に製材もしている。これは立派な軸組工法による建築である。

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しかも、こんな木による環状木柱列まであるとされる。だから、以前より行きたい思いがあったのだ。

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こちらは加工された角材。(写真は、真脇遺跡縄文館のサイトより。)

まあ、今回の竪穴式住居とは関係ないが、日本の伝統建築の出発点であり、そうした木材加工をしていたとなれば、日本の林業の出発点でもある。そうした歴史的な場所の大地震である。

ここに、ちゃんとした避難所および仮設住宅を建ててほしい。竪穴式とは言わないが、軸組工法でも可能なはずだ。

 

 

2024/01/14

再造林「立木市場」の設立実験を始めるとか

昨年8月に本ブログで紹介した、再造林コストを織り込んだ立木市場の開設構想。

再造林コスト上乗せした「立木市場」成立なるか 

この構想の報告書が出て、実験がいよいよ始まるらしい。林業・木材の主要6団体でつくる「国産材を活用し日本の森林を守る運動推進協議会」などが有識者検討会が、先週11日に報告書をまとめた。

再造林コスト含め価格設定 「立木市場」開設へ報告書―業界団体(jiji com)

まだ公開されていないのか、私は内容を知らないのだが、報道によると、伐採前の樹木を対象に、森林所有者が再造林経費と利益分を上乗せした最低価格を設定し、インターネット上で取引するというものらしい。(だから立木市場と呼ぶ。)

岩手県岩泉町、長野県伊那市、宮崎県美郷町などで実証実験を行い、数年以内に全国規模の市場開設を目指す……とか。

当然、現在より高くなるはずだが、それでも買うインセンティブとしては、売買された立木の伐採地の植林状況を買い手が確認できる仕組みを導入する。再造林の状況はドローンで撮影した写真などを付ける。また流通段階で「持続性の担保された国産材マーク(仮称)」を付ける。まあ、森林認証制度のロゴマークみたいなものか。

しかし森林認証制度なら、現地調査を含めて審査をするし、トレーサビリティも確認するが、こちらの計画では写真で見るだけ?そのマークを付けた丸太が本当に持続的な生産をしたのか(つまり再造林したのか)を確認する手段は写真だけなのだろうか。

ちょっと全体像が見えない。どこかに資料置き場があるのなら教えてほしい。もう少しじっくり考えたい。

このところ思うのだが、そもそも伐採届には再造林をすると記されてあるはずなので、しなければ違反行為。摘発もできるはずだ。天然更新だって、ちゃんと確認がいる。となれば、単に伐採届に書いた通りにやれ、さもないと違法伐採だから取引させないぞ、と言えば済むのではないかね……。ごまかす業者が犯罪行為をしているのだよ。

立木市場も、結局は高い木材の値段になって、誰も買わなかったとなれば、オシマイだよ。よほど勲章でも付けて「再造林しました!」と世間が褒めそやさないと動かない気がするな。

あれこれ再造林の手立てを提案しないといけないというのは……なんだかなあ。

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2024/01/13

目利きと感情。「最期の声~ドキュメント災害関連死」に思う

能登半島地震、発生から2週間になろうとして、急速に災害関連死が増えてきた。

災害直後ではなく、しばらく経ってからの死というのは、なんとも地味にしみじみと恐ろしいと思う。それも肉体的な怪我だけが原因でなく精神面の痛手も含むのだ。

この正月、ノンフィクションライターの山川徹さんと飲んだ。奈良の町を4軒も梯子した。その間にも能登の震災の情報はチェックしていて、「死者が60人を超えた」「また一人増えた」と話していた。

彼の最新の作品が『最期の声 ドキュメント災害関連死』(角川書店)である。彼は東日本大震災に関する著作もあって、10年も前より温めていたテーマだという。実は、取材を進めている頃にも会っていて、このテーマについて聞かされていたが、正直「地味だな」という印象はあった。重いテーマであるのはわかるが、読者の琴線に触れる部分が少ない。目立たないのだ。災害関連の報道はたくさんあるが、関連死という切り口は狭間に入っていて扱う人は少ないだろう。

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だからこそやりたい、それでもやりたい、と全国各地を取材に歩いているのだから応援はするが、出版物としては売りづらいだろうな、と想像していた。

彼の作品は多数あって、なかには売れて賞を取ったものもあるから、私なんかよりずっと売れっ子なのだが、その中では渋い本になるだろう。
実際、「その前の本が売れたから版元がOKしてくれた」とも聞いた。でも売れ行きはイマイチ(^^;)とか。

それを言えば、私も『山林王』で同じ経験をしている。この手のテーマがベストセラー……とはまでは行かなくてもベターに売りたいのだが、それが難しいのだ。それでも書きたいから書いた、としか言えない。彼も、覚悟の上だろう。とはいえ、まったく売れないと版元も困るから、そこそこ売れるようにするのが腕の見せ所となる。

話は変わるが、AIの時代、ライターの仕事も取って代わられるのではないか、という話が出ている。たしかに情報を集めてきて、それを読める文章にするという機能なら、将来はAIの方が並のライターよりもうまくなる可能性はある。5W1Hさえ押さえたら、新聞記事の速報などAIに任せられるかもしれない。

だが「売れないかもしれないけど、書きたい」という衝動と、その取材は、AIにはできない。既成の情報を寄せ集めでは書けない。AIは、しょせん予定調和で文章をつむぐだけだ。未知の驚き、想定外の驚きを与える文章は無理である。情報の裏の意味を読み取るのも苦手の(はず)だ。

これからの書く仕事に重要なのは、目利きだろう。数ある何を情報から何を選ぶべきか、また同じ情報に接しても、そこから何を読み取るか。 逆に言えば、現場に何度通っても、大人数に取材しても、目利きでなければAIに負ける。
そして「感情」が大切になるのだろう。AIにないのは感情だ。いっそ感情に任せてなぐり書きするのもよいかもしれない。ついでに、読んでもらえるようにする必死さも。

今後、災害関連死が話題になれば、また「最期の声」も注目されるだろう。林業に注目が集まれば『山林王』も(^^;)。めざすは、ロングセラーだ。

ちょっと遅めの年頭の所感である。

2024/01/12

箸墓古墳の本当の形

年末だが、箸墓古墳に行ってきた。卑弥呼の墓との噂?もある、巨大な前方後円墳である。

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完全に森だった(笑)。かなりの大木が繁っている。森の中に分け入りたい欲望がムクムク。しかし、宮内庁管轄なんだよなあ。

でも、こんな森が古代よりずっとあったと思ってはいけない。

実は、宮内庁が発表した明治9年(1878年)に撮影したという写真をネットで見つけた。

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なんと木がない。しかも4段構造の墳丘や。後円部に築かれた直径45m高さ5mの円壇が写っているのである。しかも前方部は、開墾された跡があって、形状が少し変わっているという。そういや堀のように見えた池は、農業用水用ため池だった。

なんだ、今の形が昔からあったわけではなかった。それどころか、人が入って畑を作っていたらしい。そして明治20年代に植樹されて、立入禁止になったのである。今の森は、樹齢で言えば140年ぐらい?

2024/01/11

B材は銘木

ホームセンターで見かけた製材。

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この間柱の値段ではなく、真ん中にわざと面を見せるように立てた材を見てほしい。黒芯に近く、大きな節が散らばっている。これを、わざと見せるように置いてあるのが特徴的。これ、木材関係者なら、B材以下扱いだろう。しかし、材を展示した人は、この模様を見てほしいと思ったのではないか。ホームセンターでは、むしろ目玉商品のような扱い。

そのつもりで見ると、なんだか黒芯が模様を描いているように見えてくる(^^;)。これを、どこに使えば引き立つか考えてみたい。

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こんな板材もあった。流れ節のオンパレード。これもおしゃれ?

通常、節は嫌われ、曲がっていたり材に色が走っていたらB級品扱いだ。値段もドンと下がる。だが、それって木材関係者の偏見ではなかろうか。その材の強度が落ちるなどの場合は仕方ないが、そうではなく見映えの問題なら、逆に見せ方次第ということになる。ある意味、口先三寸で「この木材はおしゃれな紋様入りですぜ」と高値をつけてみるのは(^o^)

ちなみに、こういうのはどうだろう。

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これはホームセンターではなく、銘木市。曲がりくねった断面に節だらけ。高値が付いている。
そもそも銘木の中でも変木と呼ぶのは、曲がったり瘤があって妙な木目が走ったりしているもの。一般製材の世界から見ればB材以下である。ただ、見せ方次第でインテリア的価値が生まれる。

最近は、外構材、エクステリア用に節穴材が人気だと聞いた。穴が開いて曲がった材で壁や塀にするのだそう。これも、通常の木材業者なら想定外のことだろうが、逆に言えば、このことに気付けば、B材こそ高く売れる。真っ直ぐなA材は、一般の建築材。曲がって節や木目がヘンなのは意匠材……こうなれば山の木の価値が転換するのだけど。最後はチップにするC材が宝石扱いとか(笑)。

 

 

2024/01/10

温室生活

能登半島地震で、自宅が全壊もしくは傾いた人が、農業用ビニールハウスで暮らしている様子がテレビに映る。

雪の積もる環境では寒いだろうなと同情しつつも、何か不思議な明るさがある。ちょっと異空間の暮らし。もちろんビニールの壁だから全方位で光が差し込み明るいのだが。

実は、我が家にもビニール温室がある。

もともと家を引き継いだ際に、あまりにも多くの観葉植物をどうしようかと思ったのがきっかけだ。いずれも寒さに弱く、冬は全部家の中に入れねばならない。しかし、暗い場所はよろしくないし、何より部屋が埋まる。歩くのも窮屈になる。

そこで温室を建てて、そこに全部入れようと思ったわけだ。それはうまくいき、部屋すっきりしたのだが、昨冬のある晩、どか雪が降った。さすがに寒さがきつくなったのだろう、観葉植物の多くが枯れた。しかも大風で飛ばされたり……。

そこで今冬は、また家の中の各地に観葉植物を避難させることになった。おかげで温室は空く。一部の耐寒性の強い植物だけにした。あるいは枯れてもいいか、換えがあるし……と思うものだけ。その代わり、しっかり固定した。

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なお温室内に椅子を置いてある。そこに座ってこもっていると、これがなんだか快適。秘密基地というとおかしいが、隠れ家的感覚になる。自宅の庭は、周辺の家からも覗ける状態だが、温室内に入れば、誰にも見られるまい。

それでいて明るい。春秋は、ここで読書をしたりもする。冬は、さすがに長居はしないが、それでもたまにぼんやりしている。人は、狭い空間の方が落ち着く面があるのだ。電源もあるからストーブを入れることも考えている。また雪が降ったら、どうするか?

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被災者の境遇とはまったく違うが、この体験が農業用ハウスの生活を楽しそうと感じさせてしまうのかも。

 

2024/01/09

北京が国家森林都市! 日本では……

こんなニュースがあった。

北京市が「国家森林都市」に

中国国家林業草原局は5日、北京市はこのほど同局の審査を経て、国家森林都市をつくる指標24項目すべてが国家基準に達したため、「国家森林都市」の称号を授与されたと発表しました。

私は北京に行ったことないのだが、そんなに緑の多い都市だったの?

約667平方キロメートルの造林緑化プロジェクトを2回展開しました。2012年以来、新たに増加した緑化面積は累計1620平方キロメートル、森林カバー率は2012年の38.6%から現在は44.8%になりました。最新のデータによると、公園の数は1065カ所に達しており、名実ともに「千園の都市」となりました。
また、維管束植物は2088種、陸生野生動物は608種に上り、うち鳥類は515種に達しています。北京市は生物多様性が最も豊富な大都市の一つとなっています。

ここんところは、素直に驚いておこう。その公園の土地は、どうやって収用したの?と聞きたいのだが。

たしかに市域の面積の約半分が緑地だというのはスゴイ。もともと日本の都市よりはるかに広いはずだ。しかも全土では森林率が24%くらいじゃなかったか。

これまで森の多い都市といえば、ドイツのミュンヘンとかが有名だった。あそこも広大な土地を買い上げて緑地にしたはずだ。またシンガポールも公園都市と名乗っているが……。

日本では、どこだ?

杜の都というのは仙台だったっけ。たしかに森は多そうだが。

しかし、公園面積だと奈良市にかなうまい(笑)。なにしろ都心に660ヘクタールを超える奈良公園がある。シカの闊歩する芝生だけではなく原始林もある。巨木が立ち並ぶ。直径1メートル以上の木だけで何百本もあるのではないか。それが県庁から数キロ圏内だ。
結構、秘境ぽい。まあ、だから田舎とも言われるんだが。都市ではなくなる。

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森林率68%の日本でも、森林都市をつくってほしい。奈良も森林都市宣言したらどうかなあ。国家ではなく古都森林都市。(何、それ。)

 

 

 

2024/01/08

里山NPOも高齢化時代

生駒山の一画には、NPOのつくったビオトープがいくつかある。

里山復興とか、自然回復といった名目で、里山で遊ぶ団体のこと(^_^) 。場所は、雑木林や棚田・段々畑など。メンバーは、だいたい中年から会社生活からのリタイヤ組。あまり若い人は見かけない。行政側も積極的に結成を助けている面もある。私も、多少は関わった。

まあ、行政側からすると、里山が荒れてきたのを多少とも食い止めたい気持ちはある。しかし、行政で行うには金もないし、手も足りない。一方で中年の生きがいとか生涯学習とか、いろいろ理由はあるにしても、時間はあるが何かすることが決まらない人々がいるし、里山環境を守りたいという発想もあるのだろう。行政にとって、彼らを放置すると、よろしくない。この両者を上手くマッチングすれば、里山保全のNPOが誕生する。

そんなグループが手がけているビオトープを先日訪れたら、こんな状態。

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冬だから活動をお休みしているのか。動植物が姿を消す時期である。が。

なにか荒れている気配(^^;)。イノシシが歩き回って泥浴びした形跡があるし、水も抜けている。

本当は冬の里山も、いろいろやることあると思うんだけどね。寒い中に体を動かすことも楽しいよ……と勝手なことを思う。私はもっぱら自宅の庭をビオトープにしているのだけど、何をするか考えるのは楽しい。

しかし、NPOが結成されて20年以上経つからな。当時の中心メンバーは80歳前後になって本当のリタイヤだろう。上手く代替わりして、若い人が入っていればよいが、NPOとは、学校や会社のように自動的に新入者が入る団体ではない。積極的な募集をすべきだが、試しに参加しても、自由なだけに意見が会わなくなるとすぐに姿を消してもよいわけだ。

かくしてNPOの高齢化が進むと、活動も停滞する。ときに完全消滅もあるだろう。

中山間地、山村などの過疎高齢化が指摘されるが、住民が消えるだけでなく、こうした団体も消えるのが末期症状かもしれないね。

いや、春がくれば、またメンバーが集まって、再びビオトープに手を入れだすのかもしれない。疲れない程度に。何事も、持続可能な世界は難しい。

2024/01/07

新年初登頂と横に伸びるツル

恒例の宝山寺初詣。三が日の規制がかかるほどではなくても、なかなかの人手だったが、とりあえず無事に参れた。恒例のおみくじも引いた。

さて、これでオシマイではない。実は、宝山寺から生駒山頂をめざすことにしたのだ。できるだけ人に会わないように。私は、登山中に他人には会いたくないという性向で、いつもルートに悩んでいる。今回も古道を選んだのだが、どうも前方から人の気配を感じて、横にそれた。つまり、道なき森の中に分け入った。

そして、ブッシュをかき分けて進むことに……。新年から何をやってるんだか、と思いつつ、これぞ新年!と思わぬでもない。

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森の中をかき分けて進むと、いろいろ発見する。

これは、行く手をふさぐツル植物。これ、どこからどう伸びているのか。通常はほかの木に巻きついて上に伸びていくのがツルのはずなのだが、ここでは横に伸びて、ようやく巻きつく相手を見つけたかのよう。なかなかへそ曲がりのツルであった。でも、横に彷徨して、ようやく、これぞと思う木を見つけて巻きついたのか、と想像すると、人生の横道をにそれつつ、生きる道を発見したように感じて、親近感が湧いたのであった。

ああ、ブッシュを抜けて、ちゃんと生駒山頂にはたどり着きましたよ。

 

2024/01/06

聖教新聞書評『山林王』

昨年末だが、聖教新聞に『山林王』の書評が載った。

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2023年を通して印象に残った本(3冊のうちの1冊)、という位置づけ。

選んだのはジャーナリストの浅野純次氏とあるが、寡聞にして知らなかったので検索してみたら、なんと東洋経済新報社の社長だった人である。そのほかにも肩書は多いが、2018年からは全国出版協会理事長、2019年12月より石橋湛山研究学会副会長……ということである。ビジネス界に詳しいようだから、土倉庄三郎も経済人として捉えたのかもしれない。

実際、庄三郎はビジネスマインドの持ち主だった。日清戦争を収支で言えば失敗とさえ論じている。賠償金の話ではなく、日本、清国ともに多くの兵士が亡くなり、施設を壊したことを損害と計算しているのである。

私も含めて庄三郎を「財を散じた人」と見る面が強く、林業で儲けた金をどのように使ったか、と論じてきた。しかし、その前に、林業でいかに儲けたかという点を調べてみるべきかもしれない。単に明治時代は木材価格が跳ね上がったのだよ、で片づけずに、その時々にいかに立ち回ったか、商品生産に100年かかる林業において、生産と需要をいかに橋渡ししたか。山林の売買を行ったか。さらに言えば、土倉家の林業で働く人への待遇も発掘したら、経営者としての素顔に触れられるだろう。

誰か、やらない?

 

2024/01/05

脳は働くのが嫌い~「脳の闇」

新年である。世間も動き出したようだから、私も腰を上げようかと。。。

年末年始に読んでいる本が、「脳の闇」(中野信子著 新潮新書)。

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実は、まだ読み終えていない。自分語りがわりと多くて、難渋している。しかし、ピンポイントで納得した点がある。
それは「脳は働きたがらない」ということだ。

脳は人間の肉体の数%の重さしかないのに、エネルギーの5分の1から4分の1も消費しているそうだ。ブドウ糖は18%、酸素は25%も。言い換えると、極めて燃費が悪い。動かすと、早くエネルギーを消耗する。だから、なるべく動かしたくない、働きたくないそうである。

脳が働くということは、考えるということだ。しかし、その特性を活かしたくないのである。人間が他の動物と違うのは、脳が発達して考えることだとされている、ホモ・サピエンス(賢い人)の由来だ。その結果時間という観念を持ったことや、他人との共感性などもありそうだが、とにかく、その根本の脳の機能を、発揮したくない、働きたくないとは!

私は、以前より人の行動原理に興味があった。何を持って人は行動するのか。極限まで詰めれば生存するためだが、そのために必要な選択肢は、損得感情ではないか。得をすることは自分の生存に有利になるからだ、と思ってきた。……ところが、現実社会の人間の行動はそれでは割り切れない。損をすることを選択するケースが多い。

まあ、こんなことを考え出したのは、林業家や木材業者の不可解な行動があるのだが(^^;)。高い値をつける相手に売らない、木材価格が下がっているときに増産する、成長するまでに注ぎ込んだ投資額を計算に入れず安売りする、……ようは合理的な森林経営をしない。プラグマティズム(実用主義)も労働価値説も当てはまらない。

そこではっと目が覚めたのは、行動経済学である。ようは心理学的に損得を無視した行動を取る理由を解きあかしたノーベル賞受賞の研究だ。これだ!と思ったのだが、さらにその心理に陥る人間の生理的欲求は何か……と考え込んでしまった。

それがわかったのである。そうか、脳は働くのが嫌いなんだ。だから楽な他人のいうとおりに動く方を選ぶ。騙されてもよい。考えずにすましたい。複雑な状態を理解したり、わからない状態を維持するのはアイドリング状態みたいにエネルギーを消耗するから、短絡思考に走る。なんでもいいから結論を出して安心する。それで陰謀論にハマる。宗教にハマる。イデオロギーにハマる。カリスマを妄信する。将来の大きな利益を捨てて、目先の利益に走る。

納得した。これで私は考えこまずに済む。はあ~、楽になった。もう考えすぎて脳を消耗させるのはオシマイだ。

これが2024年初頭の私の結論であった。

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