神武天皇陵の植生
昨日は建国記念日で、今日はその振替祭日だった。
で、建国記念と言えば神武天皇なのだけど、奈良の橿原市には神武天皇陵がある。もっとも、作られたのは明治になってからなのである。
とくに神武天皇陵は、そもそも墓、古墳でさえない。場所を比定する際に、日本書紀だかの「畝傍山の麓に埋葬した」といった記述を元にいくつかの候補を見つけたが、もっともそれらしいところは止めて、田畑の中にあった小さなミサンザイ塚(古墳ではない?)を選んだ。そして周りの土地を収用して、建設したのである。
当時の絵葉書によると、こんな感じ。周りは田畑で、そこに土を積んでそれらしくして、植林もした。橿原だからカシの木が多かったというのだが……。写真を大きくして観察するとマツが多いような気がする。
こちらが現在。大木がいっぱいの美しき森になりました。かくして建国神話の完成である。
ちなみにそれを祀る橿原神宮は、その後造営されたが、「西の明治神宮」とするべくと、1890年に建設。ただし、大きくなったのは起源2600年祭に合わせた拡張だろう。こちらも明治神宮を真似て、建国奉仕団、今風に言えばボランティアと、全国からの献木を中心に鎮守の森を作り上げている。
神武天皇陵とともに、建設からの植生遷移の様子を観察するのに適している。奈良においでの際は、ぜひ観察してほしい。
« 腐らなかった木棺~富雄丸山古墳 | トップページ | 金剛峯寺の樹林 »
「森林学・モノローグ」カテゴリの記事
- 森林林業木育視察旅行です、はい。(2025.11.02)
- 森林面積は減っている?増えている?(2025.10.31)
- 新月伐採再び~林野庁の愚(2025.10.23)
- 首相指名投票の楽しみ方(2025.10.22)
- グラント松、ブッシュ槙(2025.10.19)
































コメント