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森と林業の本

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2024/02/12

神武天皇陵の植生

昨日は建国記念日で、今日はその振替祭日だった。

で、建国記念と言えば神武天皇なのだけど、奈良の橿原市には神武天皇陵がある。もっとも、作られたのは明治になってからなのである。

とくに神武天皇陵は、そもそも墓、古墳でさえない。場所を比定する際に、日本書紀だかの「畝傍山の麓に埋葬した」といった記述を元にいくつかの候補を見つけたが、もっともそれらしいところは止めて、田畑の中にあった小さなミサンザイ塚(古墳ではない?)を選んだ。そして周りの土地を収用して、建設したのである。

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当時の絵葉書によると、こんな感じ。周りは田畑で、そこに土を積んでそれらしくして、植林もした。橿原だからカシの木が多かったというのだが……。写真を大きくして観察するとマツが多いような気がする。

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こちらが現在。大木がいっぱいの美しき森になりました。かくして建国神話の完成である。

ちなみにそれを祀る橿原神宮は、その後造営されたが、「西の明治神宮」とするべくと、1890年に建設。ただし、大きくなったのは起源2600年祭に合わせた拡張だろう。こちらも明治神宮を真似て、建国奉仕団、今風に言えばボランティアと、全国からの献木を中心に鎮守の森を作り上げている。

神武天皇陵とともに、建設からの植生遷移の様子を観察するのに適している。奈良においでの際は、ぜひ観察してほしい。

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