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森と林業の本

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2024/02/27

自然再生活動認定制度ができる?

環境省が、生物多様性保全への新しい制度づくりをめざしているようだ。

もともと国際公約である「30by30」、2030年までに陸域と海域のそれぞれ30%以上を保全する世界目標の達成のために躍起になっているのだが、国立公園などの保護区だけではまったく足りない。とはいえ、こうした保護区指定は非常に難しく、全ステークホルダーの合意を取り付けるのは至難の業。時間も足りない。

そこでOECM(Other Effective area based Conservation Measures ~その他の効果的な地域をベースとする手段)という保護区に指定はしないけど、豊かな自然が存在しているところを増やそうとしている。

それを自然共生サイトと名付け、昨年10月には35都道府県の122カ所を初めて認定した。

その第2弾ともいえるのが、荒廃地を再び自然豊かな地にする活動を認定していこうという試みだ。2025年度に制度を創設する計画で、今国会に提出する新法案に盛り込む。

具体的には、企業や自治体、NPOなどが、管理されていなかった荒廃地の再生活動をした場合、認定する制度を設ける。区域ではなく自然再生の取り組みを認定するところが新しい。行動計画を策定して提出することが必要となる。これによって荒廃地で生物多様性の保全が進むよう促すわけだ。そうした活動地をおいおい自然自然共生サイトに指定していくのだろう。

活動を認定するという発想は面白い。まあ、認定されたら、どんなメリットがあるんだ……と思わぬでもないが。もしかしたら税金の優遇とか、寄付を集めやすくなるような仕掛けが必要かもしれない。まだ、そうした支援策は検討されていないようだが、荒廃地が保全活動によって自然が再生した場合、国際的なデータベースに登録するという。こうした点も、名誉的な価値があるかもしれない。そうすればNPOなどで奮い立つ人も出るだろう。

なお環境省だけでなく、農林水産省も国土交通省も巻き込んだ自然再生推進法も20年以上前に成立している。自然再生推進協議会も各地に生まれている。

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私がイメージしたのは、テレビ番組「鉄腕DASH!」でやっている海岸再生とか、新宿の都心のビル屋上でビオトープづくりなんてのは、該当するように思える。これが活動と言えるかどうかは別として。もちろん、再生というが保全計画もアリだろう。

たとえば林業地でも、伐採後の放棄地に手を入れて自然を取り戻して見せたら認定されるかもしれない。また所有森林のすべてが人工林化していることは少なくて、一部は沢地とか崩壊地など荒れたままであることも多い。そうした土地の有効利用も可能ではないか。

細かなことはまだわからないが、あの手この手で取り組む人が出たら面白い。企業だけでなく、学校や学校のクラス、個人でも応募できたら、わりと流行りそうな気がする。ただ継続性をどう担保するかだな。よくつくられたビオトープが、数年後に放置……なんて例はあるから。

ちなみに所有者の意向で再開発する場合は認定を解除できる仕組みも整えるそうだ。そこが保護区と違うところ。しかし、再生した自然をみんなが褒めそやされ、国連にも登録しました~とか言われたら、再び開発します、とは言えなくなるに違いない(笑)。

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