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森と林業と田舎の本

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2024/02/23

低密度植林と花粉量

たまたま見つけた「近畿中国森林管理局の低密度植栽試験」という資料。(リンク先の9ページ以降)

主伐期を迎えて、再造林が課題となっているから、これを機に林相を転換しようという発想のよう。実際に育成複層林を増やして単層林を減らす将来像が示され、そこに再造林の仕方の研究が示されているのだ。

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植栽本数を2000本以下、できたら1500本を検討している。

なるほどね。最初に言っておくと、私は反対ではない。そもそも1ヘクタール3000本植えという戦後の規定がかなり密植だった。吉野林業を真似て高級材生産を意図したように思える。戦前、それも明治ぐらいは1000本植えの地域も少なくなかった。なかには500本のところもあった。それぞれ地域の特性~植生や人口構成、そして木材産業の基盤などを考えて、特色のある林業地がたくさんあったのだ。

ただ、それを全国展開するのはどうか、と思う。それぞれの地域で歴史に学びつつ多様な林業を展開すべきで、その中に低密度植林があるのならよいが。だいたい、疎林のような植え方をしたら、その後どうなるか想定しているのか。

そこで頭の体操をしてみたのである。

本数が少なくなれば、苗間が開く。光も入る。ならば雑草がよく生えるだろう。雑木も生える。少なくても地面が植生に覆われて土壌流出が抑えられ、混交林化も進む?(シカ害による植生破壊は、ここでは省く)

でも、間が開くと、そこに植えたスギが枝を多く伸ばすだろう。エリートツリー苗なんてのも言っているから、成長がよくて枝の成長もよいだろう。たくさん雄花が咲いて、花粉を大量に飛散させるかも。
植える苗は、無花粉・少花粉スギ苗を推奨しているが、間に合うかな。完全無花粉スギの苗は、まだまだ生産量が少ない。一方で少花粉スギ苗を植えても、枝が多くなれば、結局、花粉量は減らない……?

下刈りの省力化も触れているから、草が繁茂して苗が育ちにくくなる可能性もある。結局、花粉をつける前に枯れてしまうかも。これなら花粉は出ない(⌒ー⌒)。
そこで坪刈り、筋刈りにする案も記してあるが、私は効果があるように思えない。すでに坪刈り実験は繰り返し行われてきて、否の結果が出ているからだ。草の生長力なめんなよ。

やっぱり除草剤でしょ! ドローン使って散布すればいい。

草に覆われると苗の生長は悪くなるが、枯れるとは限らない。むしろゆっくり成長して木目の詰まった材になるかも。植えしぱなしにするという手もある。無下刈り、無間伐でも、1000本/haは育つ実験結果も出ている。放置林にはよい木が多く生えているとは誰が言ったかな。

 

……とまあ、延々と頭の体操を続けてみたよ、3連休初日。いやあ、私に連休などなくて、仕事しているんだけどね。

『盗伐』本の再校の始まりである。

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