林業界の「遵法精神の欠如」
こんなニュースが流れていた。
住友林業が森林経営計画認定を取り消されたというものだ。
正直、あまり意味がわからんのだが、計画の変更手続をしないまま、変更したかのような大臣認定書を(社員自らが)作成したとある。簡単にいってみれば偽造したということか。これは社員個人の犯罪というか資質の問題かと思えるが、なんとも理解不能。単に手続が面倒だったのかもしれない。ただ罰則的には令和5年の施業は中断とあるが……なんだ、あと20日ほどか。
この事件をどうのというのではないが、私は林業界をかなり遵法精神の欠けた業界だと思っている。その点については、令和6年に入ってすぐに出版される『盗伐 林業現場からの警鐘』にも書いたことだ。
第7章 絶望の盗伐対策
1.遵法精神欠如と事なかれ主義
ここにはいくつも実例を上げたが、それこそヘルメットをかぶらないことから始まり、樹種の偽り、産地の偽装、そして伐採届の偽造まで。そして伐採跡地に再造林すると書類に記しながら、実際に植えたのは3割ちょっとだということも、7割近くが届け出違反行為だろう。
自然界相手では、四角四面にできないよ、臨機応変にしないと現場は回らんのだという言い訳もあるが、やはり「山の中で(町の)法令は適用されないぜ」という発想がどこかに潜んでいるように思う。あるいは「林業界の中に法律を超えたルールがあるんだ」という業界脳の気持ちが隠されているのか。しかし、それがいつか表に吹き出る。その時はオオゴトになると思うよ。
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