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森と林業と動物の本

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2024年5月

2024/05/30

国会農水委で『盗伐 林業現場からの警鐘』が!

昨日、私がカナダ林業のブリーフィングを聞いている時間帯、実は国会の農林水産委員会が開かれていて田村貴昭議員(共産党)の質疑が行われていた。

それを今日、YouTubeで見た。

人工甘味料の問題、盗伐対策の強化について 田村衆院議員20240529農水委

盗伐問題を扱うと聞いていたからチェックしたわけだ。17分40秒ぐらいから盗伐問題を取り上げている。今回は、主に熊本県小国町でも盗伐が確認されたことに触れた。こちらは、規模が大きい。1筆なのに故人名義の樹齢60~70年生のスギ1750本が という。小国杉は、九州の銘木の一つで価格も高いはずだが、被害額はいくらに算定されるだろうか。
最近は、大分県でも大規模な盗伐現場が発見されているし、宮崎県だけに収まらなくなった。ちなみに答弁している坂本農水大臣の地元が小国町である。

そして、25分すぎ。聞いていてビックリした。私の名前が登場したから(笑)。さらに『盗伐 林業現場からの警鐘』が紹介された。

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こんな形で国会デビューするとは思わなかった\(^o^)/。

皆さん、通常はあまり見ないと思うけど、国会審議の様子はなかなか面白いよ。林野庁にも『盗伐 林業現場からの警鐘』を読んでいる人はいるそうなのだけど、感想を聞いてみたいもの。まあ、批判されてむくれているかもしれないけど。

なお盗伐を防ぐには、森林林業の専門人材が必要という点にも触れていただいた。ここが重要である。盗伐だけでなく、林業やるなら専門知識、専門家が必要なのだから。伐倒技術の専門家ではないよ。技術を持っているだけなら、その人が盗伐をやりかねない。必要なのは、森林管理の理念や生態系、そして倫理観も持ち合わせる専門家だ。

 

さて突然だが、明日から台湾に行ってくる。3泊4日と短期間なのだが、月曜日に帰国予定。その間のブログ更新はどうなるか。期待しないでほしい。いいネタを仕入れてくるつもりだが、天気予報はずっと雨なんだよなあ。。。。

 

 

 

2024/05/29

カナダ林業の実情~ブリーフィング

森林学者 スザンヌ・シマード氏(『マザーツリー』著者)と、同じく生態学者レイチェル・ホルト氏が来日して各地でシンポジウムなどを開いているが、本日はメディア・ブリーフィング、つまり記者会見を開いた。私は、オンラインで参加。

内容は、「カナダの知られざる森林破壊/原生林伐採の実状」などで、多分、シンポジウムと同じだろうと思うが、当然ながら質疑応答がついている。私は勇んで臨んだのだが……。

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内容は、カナダの知られざる森林破壊の実状と、同国の森と大きな関わりを持つ日本の「木質バイオマス発電」の課題などである。
まあ、ここで解説するより説明に使われた画像の一部を見てもらえばわかるだろう。

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なるほど、日本の盗伐・皆伐地も真っ青、の皆伐ぶり。1カ所何千ヘクタールなのだから、さすが大陸的だ。(と感心してはいけない。)ここの原生林の大木がペレットになっているわけである。

私が質問したかったのは、これで違法にならないのか、カナダの法体系はどうなっているのか……といったことなのだが、オンラインで割り込むことになれていない私は、会場の記者の勢いに圧されて、のほほんと聞いているだけ(^^;)。
ただ、だいたいのことはほかの質疑でも理解できた。

簡単に言えば、この舞台はブリティッュ・コロンビア州なのだが、伐られているのはほぼ州有林で州の許可を得ているわけで、原生林を伐ってペレットにしても法律違反ではないらしい。州当局、いや国だって認めているわけである。
だから「盗伐」「違法伐採」と呼べないのかもしれない。それでもEUのて森林破壊防止規則EUDRに抵触しないのか、と質問したかったのだが……。

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これが木質ペレットの生産量と輸出先。日本が圧倒的だ。ほかイギリスと韓国が多い。せっかくだから日本の木質ペレット輸入量も林野庁の資料から見せておこう。

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実はこの話題は、『盗伐 林業現場からの警鐘』にみんな書いてある。知りたい方は、本を手に取ってほしい。

その点からすると、新規の情報はなかったのだが、ようやくカナダやアメリカ、さらに言えば北欧などヨーロッパは環境問題に敏感で、厳しく対応している……という日本人にありがちな欧米信仰は崩れることがわかるだろう。
私的には『フィンランド 虚像の森』に続いて北米神話も壊れた気分だ。

よく現場主義というが、本当に記者連中は林業現場に足を運んでも気がつかないの? と聞きたい。

世界中の林業は、みんな自然破壊をしているのさ、自然を破壊していない林業なんて地球上に存在しないのさ、という結論になりそうだ。

 

2024/05/28

「林業経済」誌の宮崎林業記事

文献探しで県立図書館に行ったのだが、そこで目に止まったのが「林業経済」誌。

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その最新号の特集が、「ディスカッションⅠ 宮崎県林業の16年を振り返る」。宮崎県の林業は、特集になるほど別格なのか。棚にはそこそこ林業関係雑誌が並んでいる中で、これは論文誌というべきだろうが、そこで扱うのだ。

ちょっと興味を引くではないか。宮崎県林業に、どんな評価をしているのか。外見には「発展」していたと言いたいのだろう。だが、その陰に問題がいろいろ起きている。それを、いかに論評しているか。

まず地籍調査の境界線問題、相続時の名義問題、そして再造林放棄問題……が、目を通しているうちに阿呆らしくなった。それらは問題ではあるが、宮崎県だけではない。いや、宮崎県はまだ少しマシと私は見ている。実際に地籍調査の進捗率は全国平均より高めだ。あえて宮崎県特集で取り上げるまでもない。

ところが盗伐問題には、まったく触れていないのである。宮崎県林業を語るのに盗伐問題を取り上げないなんて(嘲笑)。

ディスカッションをよ~く読めば、かろうじて触れているのは、ひむか維森の会の松岡さんだけ。彼の発言の中に「誤伐盗伐もあり」という一カ所だけある。そのほか素材生産業者が多すぎるとか、レベルが低い業者が多すぎる……とわりと辛辣だ。彼のところにも怪しげなブローカーの売り込みはあるが、全部断っているのだそう。

このように素材生産業者が加熱する林業の陰で起きている問題を取り上げているのに、県森蓮の代表や林業研究者、そして木材会社などは見事に盗伐問題をスルーしている。その発言に突っ込まない。盗伐どころか多数新規参入している業者の質の問題にも触れようとしない。不正行為の蔓延というのは業界の根幹を揺るがす問題のはずなのに。
(最新刊はコピーを取れないので、記憶に頼っていることはご容赦。)

宮崎県で起きている盗伐頻発事案を知らないとしたら関係者としてお粗末すぎるし、知っていてもたいした問題ではないという認識か、あるいは触れるのは都合が悪いから避けたのだとしたら、その程度のレベルの特集ということだ。論文誌に値しない。

くだらん。本当にくだらん記事に目を通してしまった。

 

2024/05/27

Y!ニュース「クマの出没対策に…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースにクマの出没対策に、二つのマニュアル紹介を書きました。

今年も、というべきか今年は昨年より早く、と書いた方が正しいが、クマの出没が各地で報告されている。

私は、昨年の6月だったか、クマの出没多発を予想して記事を書いたが、その後の展開は予想以上でおそるべき数のクマが人里、いや都会にも出没した。おそらく昨年町に出ることを覚えたクマは、今年も出てくるだろう。

Yahoo!ニュース 夏のクマは飢えている?都会に出没するのはなぜだ

Wedge on line 〈都会にも増えるクマの出没〉生息地の環境悪化が原因じゃない、動物たちが人里に来るワケを大解剖を執筆しました。

surfvote  人里出没クマへ対応どうすべき?日本唯一の森林ジャーナリストが提起

しかし、記事を書いたり取材を受けたり、ニュースにコメントを随分つけたが、もう同じことを繰り返すのも飽きたので、集大成?的にマニュアルを紹介しておこうと思った次第。

日本版として環境省のものと、カナダの市民団体のもの。前者はお役所的ではあるが、現実はこんなものと感じる。後者の方が実践的だが、日本ではできないなあ、と思うものもあるから、どっちも自分で合うように応用してほしい。

ちなみに、私の方針としては、あまり夏はクマのいる山に入らないようにしよう、ということかな(^^;)。鈴も持たないと。

2024/05/26

高・中・低木層の見本林

宝山寺に参拝した。心がもやって考えが定まらぬときは、お参りする。一心に手を合わせ心の平安を祈るのである。それと運動不足のときも参拝するかな(^^;)。

なにしろ生駒山の中腹に位置し、門前からずっと登り。奥の院までは、ざっと標高差100メートルぐらいはある。各お堂を参りながら最期まで参るとよい運動になるのである。本当は、奥の院から山道を登れば経堂があり、もはや山頂に到達できるのだが。

さて、世俗的な本堂境内を抜けて、奥の院までの間には森がある。そこを通り抜ける際に気付いた。この森、なかなか見事な高層、中層、低層を眺められるではないか。それも、苦労せず断面的に見学する箇所があるのだ。

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高層は、主にスギ。以前はモミも多かったのだけど、かなり倒れたり伐られた。樹高は、ざっと20メートル以上。その下にカシ、ナラなど照葉樹・広葉樹の中層があり、こちらは樹高5、6メートルといったところか。その下に1メートル以下の草木が繁る低層が広がる。アオキなどが目立ったかな。どれもいい角度で見学できる。

スギが強いとはいえ、これも針広混交林である。そして森の中にも、いくつかのお堂があり、いろいろ祀られている。地の神様やお大師様、そして水子地蔵尊まで。

こちらの木、いや地蔵尊にも手を合わせておこう。

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2024/05/25

朝ドラ5本から情報資源のリサイクルを考える

このところテレビ界はNHKの朝ドラに席巻されているのではないか。何しろ週に5本も放映されているのだ。

なになに、「虎に翼」が月~金で5本だって? そうじゃない、5種類の朝ドラがあるというのだ。

「虎に翼」の説明はいらないとして、朝7時15分からNHKBSで「オードリー」をやっているのも知っているだろう。映画全盛期から没落期が舞台だが、朝起きてテレビをつけると、たいていBSに合わせているのでたまに見てしまう。

昼の12時半からは総合で「ちゅらさん」の再放送。土曜日まで入れて週6回だ。沖縄の空気感がいい。国仲涼子もいい。我が家も買ったゴーヤーマンはどこにあるか探さねばならん。

これで終わらない。月曜日の7時からは、BS12で「ゲゲゲの女房」だ。2時間で6本やっちゃう。水木しげるとその奥さんの、どん底の貧乏から引っ張りだこの人気漫画家へ。貸本漫画から週刊マンガ誌へ。テレビアニメの放映開始時代でもある。そうした漫画発展史をなぞられる。

まだまだ。火曜日の夕方6時からBS11で「なつぞら」。これはアニメ創成期を舞台にしている……というが、実は前半は戦災孤児から北海道開拓の話。北海道の大自然がいつもバックに、酪農、高校演劇、農協運動、農民画家。終戦直後ならではの社会の熱さがある。いよいよ舞台は後半で漫画映画界へと移り、宮崎駿に相当する人物も出てくる。なんにせよ新たな世界を切り開く話は胸に染みる。

これで5種類5本。もちろん全部見ているわけではないが、不思議とちょうどテレビをつける時間に放映している。

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「なつぞら」に「げげげの女房」に「オードリー」

ここで朝ドラの評論をするつもりはないが、民間のBS放送局が、NHKのコンテンツを重宝にしていることに注目した。自身でドラマ製作するのは無理だろう。金の面でもノウハウの面でも。だが、すでに評価の定まったコンテンツを買い取れば、一定の視聴率が見込めて有利である。
同じことはNHK自体も新番組を製作するより、再放送の方が視聴率を稼げるという判断ではないか。

もちろん再放送だけでなく、韓流ドラマや中国(大陸も台湾もあるようだ)ドラマの多用にも言える。以前は主流だったアメリカのドラマはあまり見かけなくなった。BSというメディアはたくさん開局したものの、放映するコンテンツ不足なのである。ついでに資金不足でもある。

まあ、いい加減な番組を作るよりよいかもしれない。これを情報資源のリサイクルと捉えている。

情報資源(コンテンツ)は、もっとリサイクルできないかと思っている。私の場合なら、新聞や雑誌に書いた記事は、短期間でメディアから消えていき、通常は振り返られることがない。しかし、自信作とか、すごく手間をかけた取材をした場合は、読み捨てられるのは残念だ。

幸いドラマなどは、再放映時に手を加えることはできないが、文字情報の記事は、できる。つまりリメイク記事である。

単純に同じことを書くのではなく、時代に合わせて視点を変える、事例を新しくする、文章構成も考え直す……そうすると別の記事になるのではないか。やり方次第で、元記事とは似ても似つかぬ別の記事に仕立てることも可能であり、テーマが同じ新作と変わらない。楽ちんだという面も否定はしないが(^^;)。

私は、文字であろうと映像であろうと、情報の伝達能力は極めて低いと感じていて、どんな名文であっても時間が経てば覚えているのは1~2割ぐらいだろう。その1~2割に根幹テーマが入っていればよいのだが、たまに外れて受け手(読者、視聴者)が覚えているのは、好み部分だけにもなる。

だから繰り返し、あの手この手で書き直し情報をリサイクルして繰り返し伝えることもアリだろう。私も改訂版のほか、新作版も多く出している。

『「森を守れ」が森を殺す!』と『「森を守れ」は森を殺す』(文庫版)と『日本人が知っておきたい森の新常識』 

『里山再生』『いま里山が必要な理由』
『ゴルフ場は自然がいっぱい』『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』
『森と近代日本を動かした男』『山林王』

 

 

 

 

2024/05/24

ゴーヤにカボチャが稔る?

炎暑対策として、庭の住宅の壁沿いにゴーヤを這わせようと思っている。もちろんゴーヤそのものの収穫も目的だ。

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なんか、ゴーヤの根元からヘンな葉が生えてきた。ゴーヤの苗に何か別種が混ざっていたのか、と思って見るが、同じ茎から出ている。ゴーヤの幼葉がこんな葉なの? いやいやいや、そんなことないな。昨年も育てたのだから。

で、根元にすでに花の蕾。

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それが今朝咲いた。

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もう、完全にカボチャやん(笑)。

ようやくゴーヤの苗は、カボチャの茎に接ぎ木されていたことを知る。野菜苗は、病気などに強い植物を台木にして接ぐことがよくある。接がれた苗は、通常ならカボチャの根でゴーヤが育っていくのだが、ところが、接いだところの下部分から脇芽が出たのだろう。接いだ部分の上がゴーヤ、下がカボチャとなってしまった。この苗はゴーヤとカボチャの遺伝子の違う細胞が生長しているのだろう。

さて、どうしたものか。ゴーヤの生長が遅れる・止まるのならカボチャの葉や花も除去すべきなのだが、ここまで大きくなり、またゴーヤも今のところ順調に生長していることから、しばらく様子見をすることに。カボチャが稔れば面白いし、ゴーヤも育つかも。どちらも稔ることを期待する。だが、ゴーヤが伸びなくなればカボチャ部分を切り取るしかあるまい。

ちなみに、キュウリ苗も植えたのだが、こちらは全然育たない。土が悪い? いや新しい土を加えて肥料も十分与えたがなあ。アレロパシーでも起こしているのか。あるいは日当たりの問題か。多少樹木の陰にはなっているが、日中は日光があたっているのだが。枯れはしないが、蔓も伸びない。それなのに花が。どうしたことか。

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2024/05/23

標高1700mのシカ

釈迦岳に登っている最中に、よく出会ったのがシカである。

奈良公園ではシカを見飽きている私だが(^^;)、頂上近くだから標高1700メートル前後までシカが群れを成しているのは驚く。10頭以上が割れているのだ。そして人を恐れない。目の前に石を落としてやると寄ってきた。次に登るときは、鹿せんべいを用意しないといけないヾ(- -;)

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稜線部は風のせいでもあるが、森林が途切れて草原が広がっている。おそらくシカが稚樹などを食べてしまう影響もあるのだろう。もっとも草といってもササとノシバのほかに繁っているのは、バイケイソウである。

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バイケイソウは毒を含むからシカが食べない(とされる。実は食べている報告例もある。腹が減ったらなんでも食うのである)。そのためかバイケイソウだけが残されるらしい。

しかし、こんな標高までシカが上がってきているとは……と思って、先に見たテレビを思い出した。

NHK「ダーウィンが来た」であった「高山に異変。カモシカ大調査」の回に、ニホンカモシカの生息地である高山地帯にシカが上がってきて植物を食べ散らかすのでカモシカが追われているという内容。まあ、番組ではシカを一方的な脅威としていることには異議があるが。
私はシカが無限に増えるとは思っていないし、シカも重要な生態系の一員だと思っているが、シカの増加がほかの動物の生態まで影響を与えるようになったというのは容易ならざる事態である。

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大峰山系でもカモシカは、シカに追われているのかもしれない。ディアラインぽいものもあった。そう言えば、山伏はニホンカモシカを珍しく見たと言っていた。

釈迦岳の自然も今後変わっていくかもしれない。いっそ釈迦岳周辺も奈良公園に編入してしまうとか\(^o^)/ヾ(- -;)

2024/05/22

ちょっと最高峰?に登ってきた

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紀伊半島の最高峰に登ってきた。釈迦岳。1799メートル。

天空の草原を眺めて近畿の屋根を歩く。シカの群れに遭遇し、猿に出会い、リスにタヌキも見かける。そうそう山伏二人にも会った。一人はドイツ人だった。

追記・最高峰は八経ヶ岳だった。1915メートル。残念。

2024/05/21

フランスでも盗伐が増加する事情

昨日紹介した『広葉樹の国フランス』であるが、本書を読んで気になる点を。

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現在、盗伐件数は日仏ともに増加傾向にある。」「日仏ともに、盗伐への対処はこれからが正念場だろう。」とある記述だ。

フランスでも?  拙著『盗伐 林業現場からの警鐘』で取り上げたヨーロッパの盗伐は、主に旧東欧諸国が舞台だった。ドイツやフィンランドでも起きていること、東欧諸国の盗伐材をロンダリングして扱うのが西欧(オーストリアなど)だと触れてはいるが、フランスは情報がなかった。

やはりというか、どこの国でも盗伐は起きているのだ。なおフランスの盗伐は、海外州で起きている可能性もある。そしてEUTRやEUDRといったEUの違法伐採禁止規則とは別に、木材合法性証明システム(SVLK)を発効しているそうだ。こちらは知らなかった。

ちなみに『広葉樹の国フランス』の著者は、門脇仁氏。彼は、昨年『樹盗-森は誰のものか』を翻訳している。アメリカの盗伐事情のルポだ。そして私が書評を書いたのだが、それが『盗伐 林業現場からの警鐘』執筆の動機の一つにもなっている。これらの本は連鎖しているのだ。

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ちなみに私が書いた『樹盗』書評。後半は、日本でも盗伐が相次いでいることに触れているが、アメリカの「森を愛する盗伐者」とは次元の違う醜さを臭わせている。

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もはや盗伐は世界的問題として拡散している。それも発展途上国だけではないのだ。

その理由を探るのは難しいが、私はラートカウの『木材と文明』がヒントになりそうに思う。本書は、ヨーロッパを中心に文明が進むとともに木材需要が膨らみ乱伐を招いたこと、保護策が広がってきた歴史的状況を描いているが、最終的にヨーロッパの森林が復活しつつあることや、再び木材は環境的にも優しいマテリアルとして注目を浴びていることに触れていた。

まさに日本と似た事情なのだが、需要が膨らめば、違法に伐採する圧力も増すわけだ。だから、細心の注意と監視網を築かないといけないのに、抜け穴だらけのまま「木材を使おう!」と騒いでいると盗伐が増えるのである。脱炭素、生物多様性を唱えて、その最たるものとしての森林や木材に注目が集まると、森林が破壊される皮肉も感じてほしい。

 

追記・サイドバーに各書を追加しました。

 

 

2024/05/20

『広葉樹の国フランス』を読む

以前、私はフランス林業に興味があると記していた。調べると8年も前だった。

フランスの林業が知りたい!

そこに書いた通り、フランス林業が広葉樹主体の林業であることと、日本が信奉してきたドイツ林業の源流はフランスにあったこと、そして日本も幕末にフランス林業を取り入れようとしたこと……などが理由だ。だが、文献がない。そう嘆いている。

それにドンピシャな本が出た。『広葉樹の国フランス 「適地適木か」ら自然林業へ』(門脇仁著 築地書館)71qrulnup3l_sl1469_

よく知れば、フランスは森林大国であり林業先進国である。森林面積は1733万ヘクタールで国土の約3割(ただし、森林率は過去13%まで減少していたところから近年復活させた)とドイツを凌駕するし、一人当たりの森林面積は日本を上回る。木材生産量も大きい(日本の1・6倍くらい)。林学を打ち立てた歴史もドイツ(プロシア)より前から。

だが、それ以上に注目すべきは広葉樹主体の混交林・複層林を基本に置いて択伐施業を取っていることだ。それって、生物多様性を重視したネイチャーポジティブ経済的にも現在もっとも求められる形ではないだろうか。

フランスでそれが可能だったのは、薪需要の大きさと、コロンバージュ様式と呼ぶ広葉樹材による建築が伝統的に強いからだという。さらに家具なども木製が多い。逆に言えば、これらの需要があるから広葉樹を育てる林業でなければならなかったのだろう。

日本でも、最近はちょこちょこと広葉樹施業を言い出している。だが、何やら針葉樹の人工林林業に行き詰まり、逃げ道にしている感が否めない。広葉樹材の使い道は、相変わらず大半が製紙原料で、それどころか新たな需要と銘打って、バイオマス発電燃料にしようという目論見が透けて見える。私に言わせれば、広葉樹に対する冒涜だ。

本当は、この広葉樹林業についてもっと深く考察したいのだが、ここでは読書感想文として。

内容は3部構成。詳しい目次は、版元のサイトへどうぞ。

Ⅰ  知られざる森林立国─ガリアの魂とフランス林業
Ⅱ  千年樹が見た日々─フランス森林再生史
Ⅲ  ユーラシアの東と西で─森と林業の日仏比較

本書の内容をごく簡単に紹介すると、1部で現在のフランスの林業が紹介され、2部でフランスの森林史・林業史が語られる。なかには仏領ハイチやナポレオン時代の駆け引きや森林政策も登場し、ドラマチックですらある。そして緻密な照査法の登場。EUの政策と森林法典の成立……。なんともダイナミックだ。

そして3部では日仏の森林・林業を比較する。すると意外な共通点も浮かび上がる。そもそもどちらも広葉樹の国であったのだ。
そして幕末から明治初期はフランス林政を見本としていた。
実は土倉庄三郎の元にフランスの森林官が視察に訪れたことがあるのだが、その人物の狙いは何か。詳しいことはわからないが、吉野林業に興味を持っていたのだろう。

だが、明治以降の林政の歩みは、両国を疎遠にした。フランス式の林業技術はもちろん、その研究者さえほとんどいない。

それでも今の日本は、フランス林政に注目すべきだと感じる。ドイツの材積主義は、日本でも行き詰まっているのだから。

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気になる点に付箋を貼ると……。

日本は、常に海外の林業をモデルとして探してきた。近年もドイツのフォレスターをたくさん招いて助言を乞うた。それに行き詰まるとフィンランドに目を向ける。このように右往左往し続けるなら、今度はフランスはいかが? と言いたくなる。

もし、現代の日本林業に行き詰まりを感じるのなら、まずはフランスの林業を知ることから初めてみたら目からウロコ……かもしれない。林政担当者はフランス林業を選択肢として、あるいは思考・立案の幅を広げることに大きく寄与するだろう。

 

2024/05/19

森林ジャーナリストの愚痴ではない呟き

これは愚痴ではない。ちょっと最近経験したことを呟いてみたくなっただけである。念のため。

 

このところ、ちょっと調べごとをしていて、木山与一という人物に行き当たった。

この人物の素性を探る中で、見つけたのが「随感録」という本。「日本の古本屋」というサイトに彼の著作としてアップされていた。そこで購入しようかと思ってみると、価格は5500円。えええ、と戸惑う。そもそも私の探している人物と同じかどうかわからない。同姓同名の可能性もあるし。

そこで、本書を扱う古本屋に問い合わせて内容を聞く。かなり強引だが、返信は来た。そこには私の探す人物と同じという証拠は載っていないようだ。

が、同じ時に私は木山与一という名が(旧)石川県史に登場することを知り、それを確認しようと近在の図書館で置いていた京都府立図書館に出向く。何しろ戦前の県史である。そこで、かろうじて名前を確認。とくに素性は書いていなかったのだが、一部の業績に触れることができた。それは私の探す木山与一と重なる。

そこで、エイ、ヤーと「随感録」の購入を決めた。5500円……が、送料と梱包料が加わって6250円になっていた。。。。。

そ、それでも内容が私の求めるものであれば。価値はある。古書店側の確認では、私の求める情報は見つかっていないが、詳しく読めば、何か見つかるかも。分厚い本なら、確認もれもあるだろう。

そして。届いた。

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あれ。薄い。ペラペラ。80ページの冊子であった。昭和7年発行の非売品である。書いてあるのは、なんだか政局からキリスト教、仏教、ギリシャやローマの哲学、歴史、そして日本の神話とまさに思いつくままの雑感録。自分の経歴などは書いていない。あああ、6250円。。。。

が、見つけたのだ。終わり近くに数行。登場しましたよ、土倉龍次郎。こ、この数行の記述のために6250円を払ったのだな。なに、これぐらい一晩で費やす飲み代みたいなものだ。ハハハハハ、ハハ。。

こんな探索の日々。なお、これは愚痴ではない。念のため。

 

2024/05/18

ロケットストーブ

ロケットストーブを衝動買いしてしまった。

もともとは庭で焚き火をしたかったのだが、煙が出て隣家に気をつかう。燃やすのは割り箸や剪定木などわずかなので、10分20分でいいのだが、その間も煙が流れないかとヒヤヒヤしっぱなしだ。そこで、なんとか煙の出ない焚き火を模索していた。ロケットストーブは頭に浮かんだのだが、自作しようと調べると結構な手間と大きさになってしまう。そんなデカい焚き火をするわけではないのだ。

そう思っていたところに、非常に小さくコンパクトなロケットストーブが、Amazonに出ていたのである。

そこで、ほとんど衝動買い。

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まず割り箸を燃やしてみる。最初に少し紙を入れて(天ぷら油を少しだけ垂らした)火をつけてから割り箸を挿入。

それが面白いように燃える。そして煙は、ほとんど出ない。これは見事だ。割り箸ほど乾燥して焚きつけにもってこいの木片はない。使い捨て割り箸処理機としても優秀であった。何しろ我が家は割り箸を日常的に使っているからね。たまってくると悩むのだよ。

その後に剪定木を少しずつ突っ込んだ。これもよく燃える。多少生乾きのものもあったが、燃える燃える。そして煙はほぼ出ない。

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暗いから、すごい炎が立っているように見えるが、実際は一瞬。

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周囲が暗くなると、炎も見えなくなるだろう。剪定木は今後少しずつコツコツ燃やしていこう。一気に燃やすのが惜しくなる。
そして残された炭は庭の畑に撒いた。多少の土壌改良効果を期待して。

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剪定したのは、主にみかんの木。剪定後によく枝と若葉で出てくれた。そして花盛り。

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花には、ニホンミツバチも来る。みかんの蜜のハチミツが欲しくなる。今度、生駒産ハチミツを買いに行こう。

2024/05/17

『盗伐』の広告

とうと『盗伐 林業現場からの警鐘』の広告を新聞に打つ。

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これは読売新聞5月15日号に打ったもの。たまたま空きがあったとかで急遽なのであった。

コピーは、
「日本の林業現場、世界の森で何が起きているか?」
「宮崎県のほか全国で頻発する大規模で組織的な『盗伐 林業現場からの警鐘』、違法伐採の実例をもとに、日本だけでなく世界に広がる違法伐採ネットワークを暴く」

なかなかいいんじゃない。。。と読んで思って、ああ、この文章私が書いたんだわ、と気付く(笑)。

ところで、この広告、本当は宮崎日日新聞に打つ予定で準備していたものだった。こちらは5月25日だったかな。宮崎県の書店に『盗伐 林業現場からの警鐘』が並んでいないのはオカシイと訴えてきた。相変わらず見かけたという報告はない。しかし地元紙に広告が打たれた本、それもコピーに宮崎県という言葉が入っているにもかかわらず置かないでいられようか。。。。という魂胆なのだ。さて、どうなるかな。

これでも書店に置かないとなると、陰謀論に与したくなる。

ほか、いくつかの新聞に予定されているので、じっと待とう。

2024/05/16

遵法精神がない業界~森林組合の犯罪

盗伐 林業現場からの警鐘』の7章に「遵法精神の欠如と事なかれ主義」という節を設けた。

ようは林業界、それに木材業界は遵法精神が弱いということを記した。それが盗伐につながっていると。

異論が有ったら、おおいに声を上げてほしい。そして記事に書いた事例を否定してほしい。私も受けて立つ。

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まあ、こんな本を出しているからなのかどうか、時折チクリメールが来る。今回も来た。

それによると、某梨県の某森林組合は、森林所有者に無断で架空の契約書を作成し、偽造した経営計画委託契約書を自治体に提出して造林補助金を取得しているという。当然ながら経営計画の契約内容も、まったくのデタラメである。そのことに気付いて組合幹部に報告すると、「みんなやっていること」とたしなめられたそうである。

さらに盗伐もしていて、その丸太を市売りして代金をせしめているし、その丸太を加工して商品づくり(つまり元手ゼロ)もしているそうだ。組合の横領額は1億円を越えている。そうしたことを発見して訴えたが、すべて口をつぐんでいる……。

こうした告発が私の所に来ているのだが、不思議なことに、そのメールに返信しても「送信エラー」が出た。つまり送れなかった。メール本人の名前もわからない。このチクリ内容が正しいのかどうかは、奈良にいては調べようがない。

さて、どうするか。こうした案件は、裏取りが非常に難しいうえに、距離的にも私が追跡して調べるのは無理がある。地元のマスコミ、ジャーナリストが動くべきだろう。もし、やる気がある人がいるなら連絡をほしい。メール先とは途切れているが、調べるヒントぐらいは紹介できる。

 

ちなみに、この手の話、ここ一カ所だけではないからね。ほかにもいっぱい私の手元には寄せられている。森林組合や林業事業体だけでなく、木材業界も一緒。補助金詐取に産地偽装、樹種偽装、製材寸法でたらめ、さらに木材の束に「あんこを詰める」話、そして緑の雇用不正まで。全部追求したら、日本で合法の林業事業体はなく合法木材も存在しなくなるかもしれない。

拙著の中でも、冒頭の節以外にも各所に散らばって事例を紹介しており、「遵法精神の欠如」を証明している。ここだけでも読む価値あり(笑)。

ほとほと、日本はどこも裏金まみれだなと思う。

 

 

2024/05/15

『盗伐 林業現場からの警鐘』の書評紹介

私の手元に届いた『盗伐 林業現場からの警鐘』の書評(の一部)を紹介しよう。

まず信濃毎日新聞(5月11日)掲載分。

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ネットでも、登録すれば読めたのだが、やはり紙面で読みたいものだ。

武田さん、私がひっそりと仕込んだ「東京都心の街路樹や緑地の木を何本か伐る計画が発表になると大騒ぎになる」という文言を拾いだしている。私は神宮外苑計画で騒いでいる人々に対して皮肉を飛ばしたのだが、まさにそれを掬い上げたわけだ。盗伐は、そんな次元ではないのだ。

ただ皮肉の上塗りをしておくと、実は地方の森林地帯に住んでいる人、さらには林業家も同じだと感じている。自分の山を勝手に伐られたら怒るが、果たして他人の山なら嘆くだろうか。盗伐に限らず、純粋に木を伐ることで生態系など環境がどうなるか、劣化するとしたら、それで問題はどうなるのか……ということに興味を示す人は少ない。

次は、週刊東洋経済(5・18号)。こちらもネットでは読めたのだが、やはり紙面で……(以下、略)

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私の林政批判を取り上げてくれたね。何でも社会が悪い、という言い方はしたくないが、少なくても木材生産量を増やすことに血道を挙げて、森林環境破壊に目をつぶってきた責任はある。林野庁も業界脳になっており、「林業のためなら森林は破壊してもいい」思考に陥っている。そこに付け込んだのが盗伐者であり、対策に動きを鈍くしている。

でも批判すると、余計にこの話題からそっぽを向いて、盗伐対策をしなくなる恐れもあるんだよねえ。。。。

取材を受けていると、「盗伐をどうやったらなくせるの」と聞かれるのだが、まあ悪い奴はいくらでも出てくるわけで、完全になくすのは無理だろう。ただ違法木材で儲からないようにすること、つまり違法木材を売れなくすることが第一。そして、常に行政が目を向けていることが必要だろう。

実は今、森林環境譲与税の使い道についての事例集や研究を読んでいるのだが、先に結論出すとしたら、盗伐をさせないような専門人材の育成をこの税収でやってもらいたいと思っている。

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盗伐の最終章には、こんな文言も、ひっそり仕込んでいるのだよ。奈良県フォレスターは盗伐対策に最適! そして奈良県フォレスターの養成と雇用は、森林環境譲与税を活かしているのである。

 

 

 

2024/05/14

Wedgeに「都会にも増えるクマの出没……」を書いた裏事情

(いつもはYahoo!ニュースをアップした際に書いている「裏事情」シリーズ、今回はWedge on line」でもやってみた)

Wedge on line に〈都会にも増えるクマの出没〉生息地の環境悪化が原因じゃない、動物たちが人里に来るワケを大解剖を執筆しました。

これ、書いて納めたのは黄金週間明けなんだけど、本日アップ。ところが、その前日に、こんな記事がYahoo!ニュースにあって

市街地のクマ対策で秋田県の佐竹知事 市街地での発砲も可能とする猟銃の弾力的な扱いを国に要望へ

こちらにコメントをつけた。もちろん別の記事、別のテーマなのだが、出だしが同じ話題。

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私としては、一度の執筆用資料調べで二度美味しい……わけである。それに「都会に憧れる野生動物」というのは、私にとって『獣害列島』で予言したテーマで、それが見事的中した事例になった。逆に言えば、『獣害列島』の出版は、ほんの少し早かったか。今ならもっと注目浴びたのになあ。

ともあれ、これまで億劫がっていた自身の仕事の拡散を、もっと積極的にやっていこうと思ったのでありました。

 

 

2024/05/13

「盗伐」リモート出演つづき

本日は文化放送の「大竹まことのゴールデンラジオ」に出演、リモートで。

まあ、無難にこなせたとは思うが、やはり直に顔を合わせないとは寂しいなあ。でも阿佐ヶ谷姉妹、それに大竹さんも、小さな画面に向けて手を振ったりしぐさで、ゲストを盛り上げるよう気づかってくれる。そうしたところに芸人の本性を感じるね。

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こんな感じ。ラジオ放送のスタジオ眺めながら話していた。なんと、すぐにポッドキャストにアップされていた。

「盗伐 林業現場からの警鐘」【田中淳夫】2024年5月13日(月) 田中淳夫 大竹まこと 阿佐ヶ谷姉妹【大竹メインディッシュ】

わりと、まっとうな展開だった(~o~)。宮崎の討伐現場から日本全般の盗伐そして林業問題へ。さらに現場から林政の問題へ。そして世界の違法木材へ。その対策と日本のていたらく。

終わると、やはりヘトヘトに(>_<)

 

その後、またもリモートで北海道新聞の取材を受ける。リモートの「盗伐」はしごでした。こちらが載るのを楽しみにしよう。

 

 

 

 

 

2024/05/12

平群メガソーラー予定地を見る

しばらく触れなかったが、奈良県平群町のメガソーラー建設計画。知事が変わったら止めてくれるかも、という淡い期待を見事に裏切って、県はむしろ推進姿勢を取っている。

奈良県が止めたメガソーラー計画の現場から見えてきたもの(田中淳夫)

メガソーラー、デタラメ申請を通す奈良県の不可解(田中淳夫)

さて、この問題に置いて地元の「平群のメガソーラーを考える会」は、県を相手取って裁判を起こしている。デタラメ計画に許認可を下ろしたことを問うているのだ。

おそらく今年中に判決が出る予定である。また判決前に工事の停止の仮処分申請を出したが、これは通らなかった。原告側は、理路整然と計算間違いなどを指摘しているのだが、裁判所の判事は、おそらく数式まじりの書類が示している内容を理解できなかったのだろう。

別に皮肉で書いているのではない。『盗伐 林業現場からの警鐘』の執筆時に各種の裁判事例や裁判官、検事、警察などの行動を元に彼らの判断基準や発想をあれやこれやの資料から探ったのだが、実に彼らは仕事をしたくない、増やしたくない、社会に波紋を広げたくない……という意識が強いことを感じた。自分の判決で行政が騒がしたり、政治が不機嫌にしたりすることを嫌がるのである。
そして思いの外、自分の主義主張や都合を押し通す。リベラル嫌いならリベラルには厳しい判決を出す。労働組合内の犯罪なんて、そもそも被害届を受理しない。そして捜査や審議の面倒くさい案件は、なるべく扱わない。判断を先送りする。
法律さえ違反していなければいいんじゃない?とも考えている。そして法律の解釈は司法関係者が自らの意志でねじ曲げられる。憲法さえ、180度違った解釈できるんだもの。お手の物だ。まさに司法オタク。

と鬱憤を吐き出してから、メガソーラー工事現場を訪ねた。土日は工事をしていないから侵入、もとい見学できるかなあ…と思って。

残念。なぜか工事は進行していた。週末は働いたらイカンでしょ。働き方改革していないんじゃないか。こっちでも訴えたい。

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もっとも、現在の工事は調整池の建設である。山の木は全部伐ってしまったから、放置すると降水が山肌を削り土砂を流す。まあ、この調整池の容量が必要量を満たしていないという点でも問題なのだが、とにかく建設しないと、余計に災害の恐れが増す。その点では、工事は行われた方がよい。

しかし、改めて生駒山の地質は花崗岩の放火した真砂土だと感じた。落ちている土はボロボロだ。多少の雨でもガリが発生している。どう見ても危険地帯だが、ここに盛土をするつもりらしい。

入ってないよ、工事現場には。入ってないってば。……ということにしておく(^^;)。

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グーグルマップより。

2024/05/11

『盗伐 林業現場からの警鐘』書評、続々

明後日13日に文化放送に出演して、『盗伐 林業現場からの警鐘』を取り上げてもらうと紹介したが、その前に書評が続々と載りだした。

まずは信濃毎日新聞。私が目にしたのはデジタル版だが、有料会員記事になっている(^^;)。が、無料でも登録できるみたい。本紙記事が届くのを待つか、待ちきれずに会員登録してしまうか。

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書評『盗伐 林業現場からの警鐘』(田中淳夫著)日本各地で異様な事態が横行 

次に「読書メーター」以前も紹介したが、2本目が載った。ちょっと一部引用。

2024年。持ち主の知らぬ間に山の木が根こそぎ伐採される。補助金で購入した重機で。雨が降ると土がいっきに流れ出し、元通りにならない。気付いて止めに行っても、誤って伐採したと言えばほぼ罪に問えない(最近変わってきた)。狙った森林があると、一部の権利を取得するか捏造して機械を持ち込み、何千本という木を盗み、境界を誤って伐採しちゃったと示談に持ち込む。価格は通常価格の何十分の一くらいで済まそうとする。……

そして、「ブクログ」にも。

兄が相続して山を持っているので身近に感じたせいかもしれませんが、怒りながら読みました。宮崎県の盗伐の例を挙げられていて、こんなことがまかり通っていいのか、とずっとプンプンしながら読みました。盗伐した業者の言い訳、木が盗まれているのに警察が動いてくれないジレンマ、消極的な行政…。こんなの許されていいのか、ということばかり。……

今後も予定があるので、乞う、ご期待。

そういや、Amazonには誰も書いていないなあ。誰か、お願いします。

追伸・週刊東洋経済にも掲載された模様。

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詳しくは、また。

 

 

2024/05/10

「母の日」の黒歴史に寄せて

5月7日にYahoo!ニュースで「「母の日」提唱者と花卉業界が繰り広げた確執の黒歴史」を執筆したことを、ブログで告知するのを忘れていた(´_`)。

別に義務ではないが、拡散する気合が入っていない。まあ、明後日が今年の「母の日」だから、遅ればせながら紹介しておく。

ここでは母の日とカーネーションについて書こうと思っていたら、なぜかたどり着いたのが提唱者であるアンナ・ジャービスと花卉業界の確執なのであった。そもそもアンナが母の日制定に向けて動いた際は「白いカーネーション」をシンボルにしていたのに、花卉業界はそれで白いカーネーションの価格を30倍にも引き上げたとか、足りないから赤にしよう(城は亡くなった母)とか、結構いい加減なキャンペーンをしていたらしい。

もともとカーネーションは高貴な花としていたのが、今ではカジュアル・フラワーとして安く大量生産型になっている。別に悪いことではないが、花卉業界の都合に振り回された感はあるだろう。

話は変わるが、日本にも大正時代に入った頃から花卉業界が成立しだすのだが、その立役者の一人が土倉龍次郎だ。カーネーション栽培を大型温室でに取り組み、大量生産の基礎を築いた。

たまたま手に入れた資料に、龍次郎の名前が登場する。

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2年前に、東京、大田区郷土博物館でこんな企画展があったらしい。そのパンフレットだが、その一部にかろうじて龍次郎の名が。

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よく読んでほしい。龍次郎は目黒区の住人だからか、あまり大きく紹介していない(^^;)。それでも、先駆者だったことはわかるだろう。
ちなみに龍次郎探索をいよいよ復活させるが、後半生の園芸家としての龍次郎にはまだまだ謎が多い。

 

2024/05/09

13日「大竹まことゴールデンラジオ」出演予定

若干早いけど、告知させていただきます。

文化放送の「大竹まことゴールデンラジオ」13日放送に出演することが決まりました。

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この番組は昼の13時~15時30分の放送だが、その中の「大竹メインディッシュ」というコーナーらしい。時間的には14時25分~50分くらいに出演する。

そして肝心のテーマだが、なんと『盗伐 林業現場からの警鐘』を取り上げてくれるというのだ。この本を取り上げるのか、盗伐問題をテーマとして取り上げるのかはまだ知らない(^_^) 。とにかく生放送なんで、私にもどういう展開なのかわからない。

実際は、スタジオには行けないのでZoom出演……と言っても、ラジオなんだから顔が出るわけではなく、パーソナリティ(大竹氏と、この日は阿佐ヶ谷姉妹らしい)と画面越しに顔を見るということか。とにかく電波に乗るのは声だけである。

『盗伐 林業現場からの警鐘』を出版してから最初のマスコミ出演というか(ネット以外で)本の紹介ということになる。

なお放送エリアは文化放送だから関東圏と西日本放送、高知放送のエリアらしいが、ネットでも聞けるはず。またYouTubeにも配信されると聞いた。細かなことはよく知らないのだが。

なお、今後いくつかの新聞などに書評が掲載される予定はあるので、それらは順次紹介する。

 

 

2024/05/08

タケノコもどき退治

連休明けの雨上がり明け。いよいよタケノコ最終シーズンである。

そこでタナカ山林を訪れると、想定どおりの状態に。

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竹一歩手前というか、タケノコもどきというか。

こうして伸びたところを叩き伐るのが、もっとも竹にはダメージになる。伸びるのにエネルギーを使った後だから。こうして竹退治をしておけば、あまり雑木林に延びてこない……かどうかはわからない(^^;)。竹にはなっても、スコップで叩くと、簡単に伐れて折れる。それが楽しい。なんか怪力になった気分。

ただ、こんな竹もどきでも、実は食べられる。今回は採取をしなかったが、経験的に伸びた竹もどきの穂先の部分は十分柔らかく、食せるのだ。

代わりに、まだ地上に顔を出したばかりのタケノコを3本収穫。これで自家用には十分だろう。

その後は、ラッキーガーデンでお茶する。連休中はごった返しているから遠慮していたが、今ならゆったりできる。ちなみにスタッフは、みんなスリランカ人だった。日本人スタッフは休暇に入ったらしい(^_^) 。

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バナナが育って南洋気分になれる。

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なんとなく隠れ家ぽい個室も誕生していた。ここに一人で籠もると隠遁気分が味わえるよ(´_`)。

 

 

2024/05/07

新商品ファイヤーウッドスティック?

百均(キャンドウ)で見かけた商品。

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ファイヤーウッドスティック? なんじゃ、これ。ようするにキャンプで焚き火する際に種火を大きく燃やすための木片。これが、商品になるのかあ。割り箸でいいやん。。。。いや、割り箸の不良品の商品化にいいかも、と思ったが、そもそもキャンプに行って、薪は購入するとしても、それを鉈で小割りするのが面倒というか、割り方も知らない人は向き?

そして、並びにもう一つ。

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単なる板。これを「プランクグリル用ヒノキ板」という商品になった。これは木板に水分(水やジュース、ワインなど)を染み込ませてから、その上に食材を乗せて焚き火やコンロで(蓋をして)焼く調理法だ。すると蒸し焼きと燻製の間のように焼ける。魚も肉も、ぐんと風味が増す……ということでキャンパーの間で流行っているのだ。もともとはアメリカから始まったようだ。

私は、これを木質商品として推奨していて、高く売れるぞ!と何年も前から各地で話したり記事にしてきた。

木材を十二分に活かす調理法とは? 食×木材で息の長い“需要”を生み出せるか

事実、ネットでは1枚1000円ぐらいつけている例もある。私が新しい有望木材商品として紹介しているのに、これが100円かあ(-_-;)。値崩れしそう。まあ、厚さや板の大きさによるが。

もっとも、さらに驚いたのが、どちらも国産商品であったこと。

2024/05/06

「ししおどし」の“しし”とは?

いつもの森林公園の湿地に、こんなミニ・ししおどしが仕掛けられていた。そして水車も。

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全体像は、こんな具合。湿地と言っても、一部干上がっている。

水車はいいとして、ししおどしは、竹に水がたまって跳ねると、コツン、と音がする。これで獣を追い払う仕掛けだ。

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ここで、私が気になったのは、「ししおどし」が獅子おどしと変換されたこと。獅子ではライオンになってしまう。正確には、狛犬などに示される想像上の動物の獅子にライオンを当てはめたのだが。しかし、ここではイノシシのことだろう。そう思っていた。

とりあえず気軽に検索してみた。すると、ししおどしは鹿威し」だとある。つまりシカなのだ。おどしも、脅しではなく威し。

意味としては、農作物に寄る獣を追い払う仕掛けの総称であるが、イノシシよりシカだったのか。たしかにししおどしの音では、イノシシはあまり逃げないように感じる。シカは追い払えるかもしれないが、効果は長続きしないだろう。

昔からイノシシよりシカの方が獣害としてはキツかったのか。

この年になって、ししおどしの真の意味を知ったのであった。

 

2024/05/05

そうだ、奈良行こう!!!

京都に行った限りは、奈良にも行かねばならない。

やはり、奈良も混んでいた。国の内外の行楽客でごった返し、駅のホームに下りても前に進めないほど。これが仕事でなかったら、逃げ出したくなる。仕事とは、もちろん奈良公園の奈良のシカ、ナラシカのご尊顔を仰ぎ奉るためである。奈良県民は、年に幾度はナラシカに詣でねば市民権を剥奪される。ま、実際は仰ぐというよりは見下ろしていたが…。

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驚いたのは、素性の悪いナラシカが増えたこと。赤信号を渡っているではないか。こんなことは、コロナ禍前にはなかったことだ。コロナ禍で人気がなくなったのをこれ幸いと信号無視を覚え、コロナ禍明けのインバウンド景気で外国人からの人気が集まったためか、そこのけそこのけ、ナラシカ様が通る…と神鹿としてのマナーを失ってしまったようだ。ああ、嘆かわしや。

そして、見つけた植物虐待の動かぬ証拠。

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ここまで木が太るまで何年かかったか。その間、放置したのか。柵を外す木づかいならぬ気遣いはなかったのか。

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パイナップルではないよ。

目が汚れたので、萬葉植物園に入って美しい花を愛でようと思ったが…。

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名物の藤の花は終わりを迎え、カキツバタが咲いていた。

2024/05/04

木製ハブラシ

先日、奈良の橿原市のホテルに泊まった人からもらったもの。

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リニュー&リフレッシュ。何のことかと思いきや、toothbrush、ハブラシとあった。

で、中身を見ると、こんなもの。

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たしかにハブラシだ。プラスチック追放は、ストローやフォーク、スプーンに続いて、いよいよホテルのアメニティのハブラシに至ったわけだ。その代わりにハブラシを有料化(自前で用意しろ、ということか)につなげる方向性もあるが、こうして脱プラ(木製)ハブラシ路線もある。

もっとも、この商品は木製ではなく竹製であった。メイドインチャイナだ。

脱プラ路線に異論はないが、いくらプラスチック製品を木製紙製、あるいはでんぷんなどの植物質の生分解性代替商品には、日本製も極めて少ない。ビジネスチャンスなんだが、プラスチック以外で作る難しさと、価格を抑えることが難しい。それに果敢に挑むのは中国メーカーになってしまった。

一方で日本の開発した伝統的な脱プラ製品である割り箸の需要が増えたようには見えない。いくら脱プラと言っても、プラ箸を国産割り箸にもどそうとはしない。不思議。

日本の新製品開発力も生産力も、どんどん落ちていく。これでは早晩、貿易収支も赤字になりそうだな。

 

2024/05/03

そうだ、京都行こう??

連休後半。普段は出かけない。人ごみが嫌いだから。だが、今日は、こともあろうに京都、それも岡崎公園に出かけた。

もう、噂どおり外国人に連休行楽客に、ごった返している。しっかり平安神宮の鳥居の下では、なんか全国の餃子が集結するイベントをやっていた。もちろん、行列に並ぶ気はなく無視したが……。

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私の目的は、京都府立図書館だ。ある人物について調べていると、どうやら京都府立図書館に資料の一部があるらしいとわかったからだ。それが1日なので3日に訪れることになってしまった。

ところが、実際は簡単に見つからない。検索で出てきた資料と合致しないのだ。それから司書さんと相談する。こういうときになんとしてでも探し出そうとしてくれる司書さんはスゴイわ。悪戦苦闘の末に、なんとか見つけることができた。ただし、ほんの数行だが。
これだけのために片道1時間半かけて、丸1日潰して人ごみの中を訪れたのか。。。。なんて言ってはいけない。この繰り返しでコツコツと間合いを詰めるのが私の仕事である。数行の事実を元に、今度は高くつく資料を購入することになる。

ところで、平安神宮……平安時代と言えば、大河ドラマ「光る君へ」を思い出す。ちょっとしたブームになっているが、不思議とこのお札に言及する声はないね。

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2000円札に描かれているのは、紫式部と「源氏物語」だよ。忘れられているなあ。

2024/05/02

崩壊地に生える木

実は昨日は体調が悪くて、1日ごろごろしていた。今日は復活したということで、気分転換に森歩き。いつも定点観測的に通っている生駒山の森林公園である。

そこで見かけた崩壊地。よく見ると、稚樹が生えている。コナラだ。常に土が落ちて流れているところにも根付くのか。どんぐりは。

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芽生えたばかりのものだけでなく、そこそこ育ったものもあるな。

ちなみに、植生はよく変わる。この森林公園の湿地も、以前はミズバショウが生えていたところがハンゲショウの群落になり、今は一面ミゾソバになっている。

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コナラの稚樹が、十分に育つかどうかはわからんが、また変わるんだろうな。

 

 

2024/05/01

街路樹林業計画

これぞ、私のめざす都市林業だ! と思った(^_^) 。

伐採後の街路樹を加工して商品化を目指す、町田市と飛騨産業

なんでも東京の町田市では、23年11月に「街路樹更新計画」を策定したという。

しかし50年近く経過しているものも多く、高木が約1万5000本もあるらしい。

そこで「街路樹更新計画では、緑豊かな景観を維持しながら適切な管理を行うことで、質の高い緑を充実させていく。計画期間は23年度から32年度までの10年間。街路樹を優先的に更新する約100路線に対し、高木や低木の撤去などを行う。また一度更新した大径木は、その後30年の間隔で更新を実施する計画。こうして適切に管理することで、維持管理費は10年間で約14億円削減できると試算する。
伐採した街路樹は一般的に廃棄物として処分されるが、今回は街路樹の個性を生かして商品化などを目指す。町田市が伐採した街路樹を無償提供し、飛騨産業が製材・乾燥して商品にする。22年度には伐採後の街路樹からダイニングセットの試作が行われている。

この計画の後半が肝だろう。大径木の街路樹は、商品化をめざすのだ。

Machi2(町田市)

この写真からは、商品化した街路樹の木材はケヤキだろうか? 街路樹に多く、また大木化しやすい。何より広葉樹が多いので、木工向き。

実は、以前より東京では一般社団法人 街の木ものづくりネットワークで街路樹や庭木などを伐った場合、その木材を家具などにする運動が行われている。またオークヴィレッジのようなメーカーも、積極的に都市の大木を伐った際に引き取ってきた。すでに民間主導で行われているわけだ。

先日古本市で『都市林』という本を見つけ、200円で購入した。昭和47年発行で、林業経営研究所編・農林出版発行である。どちらも、今はあるのかわからない。

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古い本だが、都市林についてまとめた書籍は、今はほぼないのではないかと思う。日本の都市林、欧米の都市林について説明されており、なかなえ貴重な文献だ。

そこには、林業的都市林とか、非営利的生産・保全両立型都市林、放置的都市林……といった分類が成されている。まあ、詳しい説明は省くが。

私は、以前より街路樹を木材生産の場とする都市林を考えていて、それを新林業的都市林としたいと思っている。最近、やたら大径木になって倒れる街路樹が増えているではないか。京都の産寧坂の桜の大木が倒れた際は、全国ニュースになった。それどころかワイドショーが連日報道しまくった。(たかだか、街路樹1本が倒れただけなのに?)

一方で、明治神宮外苑の木を伐ると発表されたら大騒ぎ。あの程度の街路樹を伐るのに、なぜ国連イコモスまで登場しなくてはならんのだ。

そうした勘違いと感情的な街路樹対応をするのなら、最初から「街路樹は木材生産の場」と位置づければよいのだ。たとえば直径50センチ以上になったら伐りますよ、その木は木材として使いますよ、決めておく。そして都市を大径木広葉樹の貴重な生産の場として位置付ける。

……とまあ、そんなことを考えていたのであった。

 

それにしても……『都市林』のカバーにはラベルが張られている。「計画課」とあるが、どこか役所などの備品だったのだろうか。それを廃棄する際に古書として放出されたものかもしれない。どこだろうな。。。

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