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森と林業の本

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2024/05/29

カナダ林業の実情~ブリーフィング

森林学者 スザンヌ・シマード氏(『マザーツリー』著者)と、同じく生態学者レイチェル・ホルト氏が来日して各地でシンポジウムなどを開いているが、本日はメディア・ブリーフィング、つまり記者会見を開いた。私は、オンラインで参加。

内容は、「カナダの知られざる森林破壊/原生林伐採の実状」などで、多分、シンポジウムと同じだろうと思うが、当然ながら質疑応答がついている。私は勇んで臨んだのだが……。

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内容は、カナダの知られざる森林破壊の実状と、同国の森と大きな関わりを持つ日本の「木質バイオマス発電」の課題などである。
まあ、ここで解説するより説明に使われた画像の一部を見てもらえばわかるだろう。

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なるほど、日本の盗伐・皆伐地も真っ青、の皆伐ぶり。1カ所何千ヘクタールなのだから、さすが大陸的だ。(と感心してはいけない。)ここの原生林の大木がペレットになっているわけである。

私が質問したかったのは、これで違法にならないのか、カナダの法体系はどうなっているのか……といったことなのだが、オンラインで割り込むことになれていない私は、会場の記者の勢いに圧されて、のほほんと聞いているだけ(^^;)。
ただ、だいたいのことはほかの質疑でも理解できた。

簡単に言えば、この舞台はブリティッュ・コロンビア州なのだが、伐られているのはほぼ州有林で州の許可を得ているわけで、原生林を伐ってペレットにしても法律違反ではないらしい。州当局、いや国だって認めているわけである。
だから「盗伐」「違法伐採」と呼べないのかもしれない。それでもEUのて森林破壊防止規則EUDRに抵触しないのか、と質問したかったのだが……。

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これが木質ペレットの生産量と輸出先。日本が圧倒的だ。ほかイギリスと韓国が多い。せっかくだから日本の木質ペレット輸入量も林野庁の資料から見せておこう。

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実はこの話題は、『盗伐 林業現場からの警鐘』にみんな書いてある。知りたい方は、本を手に取ってほしい。

その点からすると、新規の情報はなかったのだが、ようやくカナダやアメリカ、さらに言えば北欧などヨーロッパは環境問題に敏感で、厳しく対応している……という日本人にありがちな欧米信仰は崩れることがわかるだろう。
私的には『フィンランド 虚像の森』に続いて北米神話も壊れた気分だ。

よく現場主義というが、本当に記者連中は林業現場に足を運んでも気がつかないの? と聞きたい。

世界中の林業は、みんな自然破壊をしているのさ、自然を破壊していない林業なんて地球上に存在しないのさ、という結論になりそうだ。

 

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コメント

残念ながら、大面積の皆伐がBC州の法律違反ではなく、むしろに1940年代からの方針を従っています。安定供給の面で原生林を二次林に変換させたかったのです。森林減少とも言えなくて、樹木を植えるので、森林劣化です。
EUDRの現在にはカバーされていないはずですが、劣化を防ぐために厳しくなったらBCは困ります。
BC州政府も2020年から林業全体を変えようと言っていましたが、実績がまだまだです。
https://www2.gov.bc.ca/gov/content/industry/forestry/managing-our-forest-resources/old-growth-forests

この発言から、日本のエネルギーの補助金制度(FIT)のせいでペレット工場が拡大されて、皆伐が広がっています。

国も州も推進している立場なんですね。
原生林を人工林に変えることが安定供給になるという発想ですか。

先進国になると森林は守られるとする理論は破綻しましたね。

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