平群メガソーラー予定地を見る
しばらく触れなかったが、奈良県平群町のメガソーラー建設計画。知事が変わったら止めてくれるかも、という淡い期待を見事に裏切って、県はむしろ推進姿勢を取っている。
奈良県が止めたメガソーラー計画の現場から見えてきたもの(田中淳夫)
さて、この問題に置いて地元の「平群のメガソーラーを考える会」は、県を相手取って裁判を起こしている。デタラメ計画に許認可を下ろしたことを問うているのだ。
おそらく今年中に判決が出る予定である。また判決前に工事の停止の仮処分申請を出したが、これは通らなかった。原告側は、理路整然と計算間違いなどを指摘しているのだが、裁判所の判事は、おそらく数式まじりの書類が示している内容を理解できなかったのだろう。
別に皮肉で書いているのではない。『盗伐 林業現場からの警鐘』の執筆時に各種の裁判事例や裁判官、検事、警察などの行動を元に彼らの判断基準や発想をあれやこれやの資料から探ったのだが、実に彼らは仕事をしたくない、増やしたくない、社会に波紋を広げたくない……という意識が強いことを感じた。自分の判決で行政が騒がしたり、政治が不機嫌にしたりすることを嫌がるのである。
そして思いの外、自分の主義主張や都合を押し通す。リベラル嫌いならリベラルには厳しい判決を出す。労働組合内の犯罪なんて、そもそも被害届を受理しない。そして捜査や審議の面倒くさい案件は、なるべく扱わない。判断を先送りする。
法律さえ違反していなければいいんじゃない?とも考えている。そして法律の解釈は司法関係者が自らの意志でねじ曲げられる。憲法さえ、180度違った解釈できるんだもの。お手の物だ。まさに司法オタク。
と鬱憤を吐き出してから、メガソーラー工事現場を訪ねた。土日は工事をしていないから侵入、もとい見学できるかなあ…と思って。
残念。なぜか工事は進行していた。週末は働いたらイカンでしょ。働き方改革していないんじゃないか。こっちでも訴えたい。
もっとも、現在の工事は調整池の建設である。山の木は全部伐ってしまったから、放置すると降水が山肌を削り土砂を流す。まあ、この調整池の容量が必要量を満たしていないという点でも問題なのだが、とにかく建設しないと、余計に災害の恐れが増す。その点では、工事は行われた方がよい。
しかし、改めて生駒山の地質は花崗岩の放火した真砂土だと感じた。落ちている土はボロボロだ。多少の雨でもガリが発生している。どう見ても危険地帯だが、ここに盛土をするつもりらしい。
入ってないよ、工事現場には。入ってないってば。……ということにしておく(^^;)。
グーグルマップより。
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