木造ビルは本当に木造か?
こんなサイトを見た。
ようするに東京の計画中・建築中、そして竣工済みの木造ビルを紹介しているのだが、よく内容を読むと、これ木造? と思ってしまう。
まず林野庁推しのCLTを使ったビルは少ない。CLTは木造ビルを建てられる!という点を売りにしていたはずなのに。使っているところも床に使うと書いてあって、全面使用ではなさそうだ。むしろ従来建材を利用して、10階建てビルに仕立てたところも多い。
そして構造材は鉄骨やコンクリートを使う。木材は一部だけ。階層でも、10階建て20階建てとあるが、すべてが木造ということはなく、一部の階だけだ。全部木造だというのは、皮肉にも番外である横浜の Port Plusビルだけではないか。
別に文句をつけているわけではない。私が見てきた木造ビルもほとんどがそうだった。5階建て木造ビルと謳っていたのに、実は鉄骨構造で、CLTを床と壁だけに使っていたビル。
私が訪ねた東京国分寺市のフレーバーライフビルも、実は下部3階までは鉄筋コンクリートで、上部3階が木造という構造。見た目が逆転しているのは笑えるが、すべて木造と張り切ったわけではなかった。
改めていうが、文句つけているわけではない。これでいいと思っている。木造ビルを木材だけでつくると張り切る方が危なっかしい。それは、せいぜい2,3階建てまでにしておいて、より強くより機能的で、さらに経済的、デザイン的にも満足させるにはさまざまな建材を利用すればよい。無理することはない。木材なんて、ビルの内側と外側の見える所だけに張り付けておけば、もう全部木造に見える(笑)。
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