北海道新聞に『盗伐』インタビュー
北海道新聞6月9日に『盗伐 林業現場からの警鐘』に関するインタビュー記事が掲載された。
実は、北海道新聞に掲載されることは期待していた。というのは、おそらくだが、北海道でも盗伐は、かなり行われているという気配を感じていたからだ。
本書で取り上げたのは、主に宮崎県で、それに鹿児島、兵庫だが、ほかにも奈良や広島などいくつかの地域で盗伐が起きていることは把握している。しかし全国的に広がっているはず。ただ被害者が声を上げないと実態がつかめないし取材もできないのだ。
木材生産量の増加などから推測するに、東北と北海道でも起きていておかしくない。秋田、山形、岩手、宮城、福島……とくに広くて平坦な北海道は、隠れて伐採するのに適している。実際に国有林が盗伐を受けた事件もあるし、噂レベルの情報は多数ある。SNSでも流れている。
ちなみに奈良の吉野でも起きているが、古いタイプの盗伐である。(銘木狙いの抜き伐りで、犯人は身内や周辺人物であることなどから、被害者も表沙汰にしない。そして泣き寝入りするか、裏で多額の賠償金を取り立てるか、いろいろなケースがある。)これは宮崎県でも言えることだが、盗伐があっても被害者が声高に訴えないと表沙汰にはならないのだ。警察も自治体も扱いたがらず、うやむやにしてしまう。ほとんど泣き寝入りなのだ。自分だけの不幸と諦めてしまう。しかし、自分だけではないと知ったら……。
だから地元メディアを通して全国的な盗伐の現状を知ってもらえれば、被害者が声を上げてもらえるのではないかと思っていた。
もし北海道でも恒常的に盗伐が発生していることが浮上すれば、いよいよ全国規模の問題として訴えられる。全国の盗伐被害者の声を集めるネットワークづくりの構想もある。
東北でも、きっと出る。
なお、「訪問」とあるが、取材は諸般の事情で奈良まで来れず、Zoomになりました(^^;)。
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