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森と林業の本

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2024年7月

2024/07/31

「命に関わる暑さ」と蜂の巣の危険度

朝、庭の金魚に餌をやろうとサッシ扉を開けると、蜂がぶんぶん飛んでいた。ミツバチではない。アシナガバチのようだ。ヤバいぞ、危険だと周りを見回すと、なんと雨戸とサッシの間に巣をつくっているではないか。

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ちなみに、少しでも日射を遮るために普段から雨戸は半分閉めているのだが、その暗がりに巣をつくるとは。

さっそく殺虫剤を噴霧して退治する。結構飛んでいたが、残らず撃墜だ!

まだ小さな巣だが、結構なサナギが入っていたので、もし放置したらハチの乱舞はさらに広がっただろう。庭に虫はたくさんいるが(今朝はナナフシを発見)、スズメバチに続くイヤな奴。リスク管理からも、即駆除である。

天気予報によると、このところは「危険な暑さ」から「命にかかわる暑さ」に変化したようだ。こちらも危険度いっぱいだが、そう聞いたら何か行動しなくては。とりあえず、また山歩きを(^^;)。
ただし、前と同じきいつ真似実止めようと、比較的平坦な、森の中を歩くことにする。時間も短め……とコースを頭の中で描く。なかなかのリスク管理である( ̄^ ̄)。

が、たまには木々が途切れて炎天下になる部分がある。それを避けようと、なるべく森の中を選んでいるうちに道のない森をさまようことに。暗がりの樹下を進むものの、斜面をよじ登ったり、ブッシュをかき分けて進むと、汗だくに。とうとう見知らぬ住宅地に出てしまい、そこからどうしてもどるか……とまた炎天下を歩く。

さすがに帰り着いたときはクラクラした。水のシャワーが快適であった。

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夏のキノコ

2024/07/30

野生生物を守るのは「やさしさ」?「かわいさ」?

このところ、否応なしに野生動物問題、とくにシカやクマなどの獣害多発に触発された記事の執筆やコメント、そして講演まですることが多い。
私は動物の研究家でもなけれは動物専門ジャーナリストでもないのだが……。

それで私も最新情報を身につけようと俄か勉強を繰り返しているのだが、そこで岩波ジュニア新書『野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?』を読んだ。

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ジュニア新書だけあって、するすると読んでしまった。内容は……正直に書けば、想定どおり。

世に害獣と言われる動物は多いが、それらを駆除するだけでは解決しない。冒頭に年間何十万ものシカを駆除しながら、東京都内に出てきたシカ1頭を保護しようとしたりする“事件”を紹介しているが、ほかにも似た例がいくつも登場する。
沖縄の漁師を困らせるウミガメを駆除したら世間から叩かれるが、漁師の立場もある。さらにウミガメが磯の海草や藻を食べ尽くす問題もある。ウミガメの卵を保護したら、それまでその卵を餌にしていたヘビが困って、島のトカゲを食べて、結局はヘビもトカゲも減少してしまった……。
外来種駆除と言っても、どれが外来なのか在来なのかも時代によって変わるし、自分が好きな動物は外来種であってもかわいそう……。
一方で人が手をかけてつくってきた環境(たとえば農地や草地)が生物多様性を作り出してきた面もあるから、人為をなくしても困る……。

こうした例がいっぱい並んでいて、それはそれで知識にはなるのだが、ではどうするの? となるわけだ。

結論めいたことは書いていない。両立させる方法を紹介するのはなかなか難しい。読む前から、そんな結論になるのではないかな、と予想した通りであった。では、読者はどうするの? 知識から知恵をなかなか生み出せない。これが現実か。

 

ところで、私が本書で気になったこと。タイトルに「やさしさ」が入っている。また本文には「かわいそう」が多用されている。どちらも人間の感情であり、やさしさとかわいそうという感情が野生生物を守る行動の原動力になっているかのようだ。

だが、私はそれを超えたメタ感情として「かわいい」が強烈に作用しているのではないか、と考えている。かわいいと感じる動物(植物も)は保護する、かわいくない、もしくはかわいらしさに気づけない遠い存在は保護しないし、無視する。

わかりやすいのはイヌやネコだろう。なんで人だけでなく環境にも害をもたらすノライヌ・ノイヌ、ノラネコ・ノネコを必死で保護するのか。これって動物差別、レイシズムじゃね? 

目先の一頭のシカもかわいく見えるから保護するが、害獣としてのシカは何万頭いようが、かわいい姿顔が見えないので駆除しても平気になってしまう。この行動原理を説明するのは、やさしさではなく、かわいいという感情で読み解かないと理解につながらない。

私は、人という動物はかわいいものを目にすると、脳内にドーパミンがどばっと放出されるのではないかという仮説を立てている。この快楽にとりつかれると、いかなる理論も用をなさない。人は、かわいいと感じた際に得られる快楽に依存する、いわば「かわいい依存症」患者だからだ。(もしかしたらドーパミンではなく、オキシトシンかもしれない。攻撃性を弱め幸福感をもたらすのかもしれない。)

では、何が人の脳を刺激するのか。快楽ホルモンもしくは幸福ホルモンを分泌させるのか。どんな遺伝子に操られているのか……と詰めていくと、まだ納得いく解答は出ないのだが。。。

拙著『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』と『獣害列島』では、こうした切り口から考察したのだが、そこで浮上したのが、アニマルウェルフェアノンヒューマン・パーソンズの概念だ。ここを掘り下げると、手がかりがあるように思える。理解する事例として、奈良のシカに注目したい。ナラシカは、害獣であり、観光資源であり、信仰の対象だ。ただのシカではなく神鹿。この「かわいい」存在を守るために涙ぐましい努力を1000年続けている。そこにヒントはないか?

せっかくだから紹介しておく。

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2024/07/29

「財務省が獣害対策におかんむり」な理由

獣害の話題がよく上がっているが、財務省は農林水産省に獣害対策を抜本的に見直すよう要請した……というニュースがあった。

鳥獣対策金、抜本見直しを 予算執行、27事業で改善要求―財務省

ようするに付けた予算が被害減少につながっていないからだ。具体的には害獣侵入対策津用の防護柵の予算(鳥獣被害防止総合対策交付金) のよう。22年度の補正後予算額は137億円で、例年近い金額を支出していたが、被害額は18年度の158億円以降は横ばいだからだ。当初は防護柵の建設と駆除強化で随分下がった。239億円をピークに抑えていたのだが、近年は下げ止まり。

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なぜ、被害が減らないのか。ちゃんと予算執行調査で各地の現場を確認したようだ。そしてわかったのは……柵が適切に管理されず穴だらけ、加えて出荷しない作物が農地に放置されていたという。担当者は「これでは獣に食べに来てくださいと言っているようなもの」。
捕獲実績は結構な数があるのに、被害額が減っていない自治体もあるのだが、どうも捕りやすい場所で捕獲して、単に実績(数字)を積み上げているだけで、農作物被害を減らそうと真剣に取り組んでいないことも指摘している。そして「成果を挙げていない市町村にも交付金が交付されるのは不合理」という意見がついている。

柵の設置は補助金でやるのだが、その後誰も管理せず、穴が空いたり壊れて出入り自由状態になっていたり。柵の出入り口を開けっ放しのケースもあるそうだ。柵の問題のほか、農作物廃棄物を山積みにした田畑も、よく見かける。それに里に下りてきて農作物を食べたわけでもない山の中のシカを捕まえて駆除しても、意味がない。これで獣害が大変と言っても通じないだろう。

この感想、鳥獣害専門家には以前から言われていた。同じことを素人の財務官僚にも言われたのだね(^^;)。

まあ、農水省というより、自治体への通告なのかもしれない。しかし、その自治体に配分しているのは農水省なわけで、ちゃんとやる気のある自治体かどうか見極めずにばらまいているのだろう。

一方で、鳥獣を捕るエリアを計画で定め、捕獲実績を把握している自治体は、被害減少額が大きい。真面目に取り組めば獣害は減らせる、と財務省は判断したのだろう。そして自治体への配分の在り方を変えるように求めていた。でも、農水省⇒都道府県が獣害対策の真剣度・成果度合いで補助金の配分を決めたら、手抜き自治体からの突き上げが恐い。査定の仕方も難しいし、下手に査定すると減らされた自治体の恨みを買う……。一律、ばらまく方が楽だし、恨みを買わない。

農水省も、実は獣害対策に本気ではないのである。

最近、獣害とは何かを考えているのだが、そこで思いついたのは、害獣(主にシカ、イノシシ)が増えたからではないかもしれないと思い出した。たとえば奈良のシカの歴史をひもとくと、「人に迷惑をかける獣害」を出すのは頭数ではないことに思い至った。

まだ詳しく論考してはいないのだが、そのうち論じてみたい。

2024/07/28

セミの脱け殻

昨日から難渋している原稿。とうとう5本目を書いて、ようやく「これならいいかあ~」と思えた。
それなりに発表媒体の性格にも則しているし、あまり知られていない事実と具体例も入れているし、論文も引用して科学的でもあるし。まだ完成はしていないが、明日にはブラッシュアップして完成原稿にしよう。締切は守るぜ。

結局、5種類のテーマで書いたわけだが、残り4本はどうしようか。実は最初の1、2本は消してしまった。3本目4本目はまだ残したままだが、発表舞台のない原稿である。テーマそのものは生きているから、いつか別の媒体に「面白く書き換えて使えるか?」
いやいやいや。一度「おもろない」と思った原稿が、面白くすることはできるのか。うむ。しばらく寝かしておこう。

夕方、庭の植木や作物に水を撒く。さらに地面を濡らして、たしょうとも涼やかに。最近は朝にも散水し、夕方と二度となった。
それなのに、今年はキュウリやゴーヤの成りが悪い。毎年嫌というほど収穫できるのに……ミョウガは急に取れ始めた。また昨年大豊作だったミカンも、実の成りが少なめ。何が影響するのかわからない。

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水やりをしていると、セミの脱け殻を発見。まだ新しいから今朝羽化したのかもしれない。セミの実体はどこに?

私も、昨日から呻吟を繰り返して、頭は脱け殻状態になっているぞよ。

 

2024/07/27

迷いの森に迷いこむ

今手がけている原稿は、締切が7月30日。

そろそろ書かねばと取り組んだのは1週間ぐらい前か。記事そのものは短いので、アイデア勝負みたいなところがある。森林・林業系の話題でいかなるテーマを決めて、問題提起と落としどころを見つけて記事にするか。

このテーマにしようと決めたら、その分野の状況を調べて資料を集める。よし、書けそうだ。
そして、さらさらと書き出した。分量的には、十分だ。あとはブラッシュアップして……と思い出したところで、行き詰まった。

面白くない。この原稿は面白くないぞ。多少の手直しをして、盛り上がりをつくったり、オチ的な話題を入れたり……。おもろない。自分で書きながら読む気がしない。

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そこで抜本的に直すことにした。別のテーマにしよう。

はっと閃く。よし,このテーマで書こう。さらさら書く。おおお、なんだすぐに書けたぞ。

が。面白くない。いや、記事としては具体例も入れたし、体裁は整っているのだが、私の脳内で「おもろない」という声が響いている。

書いていじっているうちに、別のアイデアが浮かんだ。よし、こちらだ、と方向転換する。

……思いつきでは、最後まで引っ張れない。

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ああああ、書き直しだ!!!

迷いの森に迷い込んだ。いや迷うから迷いの森なのであって、迷い込んだのではなく、迷っているのか。もう、何を買い手も面白くないと感じたら、嫌になる。

いや、これまで書いた原稿も、多分、十分に読めるのだよ。水準は保っていると思う。そのまま出してもよいかと思う。が、頭の中に「おもろない」という声が響くと、もうダメなのである。

とうとう4回目の書き直し。もう締切まで日時が残っていない。追い詰められてひねり出すところに、どんな記事になるか。いっそ、森は森でも迷いの森の話でも書くか。

 

2024/07/26

謎の土盛り

昨日の「危険な暑さ」体験ツアー、もしくは「身体言語」探しの裏山彷徨で見かけたもの。

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この土盛り、何?

最初はイノシシが掘り返したのかと思ったのだが、掘り返すも何も、掘っていない。単に森林の腐葉土の上に赤茶けた土がこぼれているだけ。

どう見ても、この当たりの土ではない。どこかから運んだのか? 点々とあるから、どこかに土を運ぶ途中にこぼれた、もしくはこぼしたのか。

しかし、この場所は登山道とも言えない裏山の森の隙間のような場所で、私は道のないところを進むから出くわしたのであって、通常はあまり通りがかるところでもない。なんのためかもわからない。動物がこんなことをする可能性はあるだろうか。もしかして、モグラ? この土をどけると下に穴でもあったのか。

生駒山にいる野生動物は、イノシシにノウサギ、タヌキ、多分アライグマ、イタチ、ノネズミ、モグラ、リス。それらの中に該当するものはいるか?

謎なのである。

2024/07/25

身体言語を修得する

連日の猛暑で「危険な暑さ。不要不急の外出は控えましょう」なんて天気予報で言っている。実際私も、このところあまり出歩かずに、多少とも身体を動かす場としてはショッピングセンター内を歩き回るぐらいになっていた。

これはイカン。本当に「危険な暑さ」なのか、危険な状態とはどんなものか、何も疑問を持たずに従うのは思考停止だ。それなら「危険な暑さ」を体験してみようじゃないか。そう思って裏山に登ることにした。

とまあ、こんなあまのじゃくなことを思いついたのは、このところ「身体言語」について考えているから。

私も常日頃から、「現場至上主義」を批判している。報道やルポルタージュの世界では、つい「現場に足を運べ」「現場百編」……とかいう。だが単に現場に行けばいいわけじゃない。それでは幽霊を見た、だから霊界は存在する。UFOを見た、だから宇宙人が地球に訪れている……というのと同じだ。その幽霊の正体とか、UFOに相当する現象は何が引き起こしたのか、怪奇現象があったとしても、それと宇宙人をなぜ結びつけてるのか……と考える知識と思考がいる。

一方で、机上で自らの習得した言語だけで考えればよいのか、という点でも疑問を持っている。理論物理や数学ならいざ知らず(いや、それだって実験や観測結果を元にしているだろう)何らかの脳内思考とは別の言語で思考しなければならない……と思う。

それは言葉で紡ぐ理屈ではなく、体感もしくは外野の情報を修得することで生み出した言語と思っていて、それを身体言語と呼んでいる。

その身体言語を身につけるためには現場に行かねばならない。新たな身体言語を身に感じさせるのだ。

たとえば木を伐るのは自然破壊か、という命題に対して、現場で木を伐ってみると、その一帯に光が差し込むかもしれない。そして数か月後、そこに見知らぬ草花が咲くかもしれない。それを五感で感じたうえで言語化を試みる。伐られた木は死ぬかもしれないが、新たな生命を芽吹かせるかもしれないと感じることで「木を伐る」=自然破壊=悪とは別の視点を得る。

AIは、ディープラーニングで大量の情報を覚え込ませることで、何らかの判断を導き出す。しかし、100万の情報を学んだAIと、1万しか情報が与えられなかったAIでは、導く答が違うはずだ。これを人間に当てはめると、情報量の差となる99万の情報の多くが身体言語ではないか。そんな仮説を立てている。

だから、私もたまには山を歩き、森を感じて、身体言語を磨くのである。

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森の中の沢にかけられた丸太の橋なのだが、よく見ると、丸太が腐っていてそこに植物が生えている。草やシダ類が多いが、稚樹もありそうだ。丸太の下は空洞だが、いつまで成長できるのだろう。

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そんな観察も、身体言語の.修得である。

ちなみに、森の中は暑くなかった。木々に覆われ日陰だし、土の地面は濡れていて、気温も低め。もちろん登っているときは汗をダラダラとかくが、「危険な暑さ」を感じない。道から外れて急斜面を登ろうとすると土がぬるぬると滑る。地形に不自然なところがあり、過去人の手が入っていることに気づく。

自宅から登山口まで・登山口から自宅まで、住宅街の中を歩く時がもっとも暑かった。

帰ってから水のシャワーを浴びるとキモチイー! これぞ、身体言語(^_^) 。

2024/07/24

ホームセンターの薪のお値段

たまたま寄ったホームセンターで、さまざまな薪が売っていた。その値段からいろいろ考える。

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まず上段が、広葉樹薪なんだけど、束とあるのは梱包していないということか。758円。

その真下が国産広葉樹薪(ナラ)5キロ。束と量的にはどちらが多いのかわからないけど、新寸法は若干短いか。898円。

下段・右手がアカシア薪。ニセアカシアでなく、本物のアカシア5キロ。広葉樹薪ではある。おそらくベトナム産。798円。

下段・左手がコロ薪。どうやら短い薪ということらしい。量は書いていないが、箱が広葉樹薪よりかなり大きい。698円。

さて、どれが一番お得でしょう?

針葉樹薪はここになかったが、コロ薪が安いのが気になる。短い方が、コンロに入れるのにはよいように思うが、焚き火用だと弱いのかな。
束の薪は国産材なのだろうか。箱詰めとの差は何か。海外御用達のアカシア薪は最近流行りのようだが、ここではそんなに安いわけではない。アカシアはよく燃えるのか不明。

それぞれ仕入れ値や生産の手間などがどさぐらいなのかわからないが、売れ筋の価格を設定しているとすると、やはり一番高いのは、国産・ナラの薪なのだろう。それが短くなると、とたんに安くなる。海外産は意外とそれほど安くない。

さて、自分がキャンプで焚き火をして、その火でバーベキュー調理などをすると仮定したら、どの薪を選ぶべきだろうか。

先日の下北山村ては「焚きつけ」が売っていた。焚き火だろうがコンロでバーベキューだろうが、最初は薪ではなく焚きつけがないと火をおこせない。そこで割り箸生産から出る屑の細いスギ材を焚きつけ用に売っていて、ふるさと納税返礼品にも入っていた。焚き付け薪セットは、スギ材21~24cmのスギの木っ端。それが約20kgでカンナくず付き。これそのものの価格はわからないが、寄付金額2万4000円だという。仮に3割とすると、7200円分か。送料を引くと、ざっと5000~6000円ぐらい? 5キロ単価にしてみると1300~1500円。ホームセンターのお持ち帰り用の薪より高い。

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これが一番賢い薪の売り方のように思う。(^_^) 。

2024/07/23

自動化するの、そこ?下刈り用ゴーグル

おもろい記事。

雑草に隠れた苗木の位置がわかった!林業に複合現実ゴーグル 「将来の自動化へ一歩」過酷な夏場の下刈りを効率化

ようするに下刈りする際に、肝心の苗木がどこにあるのかわからなくて、伐ってしまう事故を防ぐために、現実の風景にデジタル映像を重ねるゴーグルなんだそうだが……。

技術としては面白いのだが、やること、そこか? と思ってしまう。デジタル映像と現実を重ねる複合現実(MR)技術 なんて必要?将来の自動化ということは、この装置を下刈りロボットに装着するのか。しかし、AIでスギ苗と雑草を区別化すれば済むことではないか。こんな人が装着するゴーグルなんて作業に要らない。

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信濃毎日新聞の記事より借用。

私は、下刈りの際に苗木の場所を示すためには、植えるときに苗の周りにマルチしたらどうかと思っていた。たとえば苗木の周囲半径30センチ程度に厚紙を設置する。すると直径60センチに草が生えないから、苗木は成長しやすくて下刈りは減らせるし、雑草を下刈りする際もポッカリ穴ができたらわかりやすいだろう…。多少の手間は増えるが、ゴーグルするよりマシだし安くつくよ。さらにツリーシェルターの設置より楽のはず。紙は、その後土に還るから、除去の必要もない。…とまあ、庭の家庭菜園しながら考えていたのだが。

こうしたローテクを試さずして、なんでもデジタル技術を使いますか。

この事業。「林業の自動化や遠隔操作化に向けた試み 」「建築木材として使える立ち木が森林にどのくらいあるかを「デジタル在庫」として把握し、建築業者に提供する仕組みの構築を目指す林野庁のモデル事業の一環」と書かれてある。

こんな現実離れした研究しているのは、単に補助金があるからでみないのか。今は「デジタル技術を林業に!」とか言えば、補助金がもらえるから。金をばらまく対象、間違っているんじゃないか。


※ちなみに昨日Y!ニュースに書いた記事は、私の専門の「林業、農業、水産業、自然科学」から離れています、というクレームが(Yahoo!ニュース編集部から)入った。ええやないか。土倉政子のことを調べているのは、日本で私だけだぞ。私が書かずに誰が書く。

津田梅子の学友・内田政子の生涯

 

2024/07/22

Y!ニュース「津田梅子の学友・内田政子の生涯」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「津田梅子の学友・内田政子の生涯」を執筆しました。

内田政子というより土倉政子と書いた方が、どんな人物かわかりやすいかもしれないが、そこは結婚後の姓を優先。

このところ、Yahoo!ニュースではコメントを付けることに注力している。実はYahoo!ニュース編集部の要請に従ったことなのだが、気がつけば7月も終盤。一本も独自の記事を書いていない。これはまずい、と選んだのが内田政子である。

もともと新紙幣で津田梅子がよくマスコミに登場するのを見て、同じ時代にアメリカ留学をした内田政子もいるんだけどな、と思っていて7月初旬に書くつもりだった。それがズルズルと……。

拙ブログの読者には説明しないでもよいかもしれないが、内田政子は『山林王』の土倉庄三郎の次女。政子のブリンマー大学在学時代、津田梅子も在籍している。小さな大学だし、日本人女性は当時梅子しかいないところに政子が入学したのだから、絶対に交わっているはずである。ただ交流した記録がない。年の差、あるいは官費留学と私費留学の違い、もしかしたら出会ったものの仲良くなれなかった?とか想像はするが、もちろんわからない。もしかしたら、そのうち何か交流記録が見つかるかもしれない。

それでもタイトルに津田梅子を謳ったのは、まあ、流行りだし(^_^) 。西太后も考えたが、どちらが有名かということと、政子の外交人生は清国だけでなく、その後も華々しい。自力ではなく(外交官の)夫人とならなければ実力を発揮する場を与えられなかったのは時代のなせる業であり、残念でもあるが、ある意味したたかな生き方かもしれない。

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庄三郎(前列中央)と政子(後列洋装)

全然関係ないけど、現在の皇后の雅子さんも、外交官だったのに皇族と結婚したことで政府の外交舞台からは引っ込まざるを得なくなった。そして今は皇室外交に関わっている。今も英会話は天皇より上手いのではないかな。

政子さんも、内助というより「外助」で活躍したのである。

2024/07/21

今年の林業遺産と下北山の林業遺跡

今年度の林業遺産が決まったそうだ。

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う~む。渋い。言い方を変えると地味だ。失礼な言い方をすると、しょぼい(笑)。積雪観測用地下道ってなんだ?

まあ、それが貴重だと言われりゃそうだが。森林測候所、ねえ。林業との関係も……う~む。

そんなときに、私が訪ねた下北山村の林業遺跡の探検記を読んだ。帰って来てから読むのかよ、と言われそうだが、私も途中まで行った所の、その先の記録なのである。ああ、奥まで行きたかった……と後悔をこめて読む。それが、なかなかスゴイ。そして、かつての林業の現場を知らしめる。

こういう遺跡こそ、林業遺産向きではないのか。

廃線レポート 池郷川口軌道と不動滝隧道 最終回

実は、結構長く、中には動画も挿入されているのだか、6回連載となっている。その中で最終回が林業遺跡についてわかりやすく、よく解説されている。
ちなみに1~3回目は私も行ったところ。4、5回目は私が行きたくて行けなかったところ。そして最終回が背景の林業について語られている。

丸太を流送するために随道を掘ったのもスゴイのだが、その前にはハコドイが登場する。これは何か? いやあ、実に興味深い。よくぞ、調べたと感嘆する。こんな巨大遺跡が眠っていたとは。

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池郷川の林業遺跡の入り口部分。

そして紀伊半島には、各地にこの手の林業遺跡が眠っていることを見たり聞いたりしている。随道も、ここだけではないのだ。それこそ大台ヶ原にまで作られた。いっそ、奈良県だけでなく和歌山県、三重県と共同で調査してくれないかなあ。

日本森林学会の林業遺産は、まず申請しないと審査対象にもされない。しかし、私は遺産と名付けるなら、こうした忘れられがちな存在を発掘して目を向けてほしいと思う。それこそ日本の林業史に刻まれた技術・技法の記憶なのだから。

 

2024/07/20

木材輸出は日本の工法で?

ネットの建通新聞にこんな記事。

全国知事会 木材の輸出拡大 国に要請へ

全国知事会は7月17日に開いた国産木材活用プロジェクトチーム会議で、国産木材の需要拡大に向けた2024年度の提言(案)を承認した。重点事項に木材などの輸出拡大を新たに位置付けた他、民間非住宅建築物の木造化・木質化の推進や建築士などの育成を引き続き盛り込んだ。 

全国知事会ではこんなこともやってるのか。

だいたい木材輸出に国が関わるとはどういうことか。何か輸出に関して法令的な規制が関わっているから緩めてくれとかいうのならわかるが、どうもそうではないらしい。

新たに重点事項に位置付けた木材・木材製品の輸出拡大では、ジャパンブランドとして注目される木造軸組工法を海外に普及・促進するよう求める。

木造軸組工法がジャパンブランドというのもなんだかなぁ、なのだが、ようするに日本の家づくりの工法を、海外まで広げろというらしい。

余計なお世話ではないか。各国で自分の国ならではの家づくりの技術があるのに、日本の木材には日本の工法を、というのはいかがなものか。

鹿児島に日本木材住宅輸出協会とかいうのがあって、主に韓国への国産材輸出に取り組んでいたことを思い出す。ところが、どうにも売れない。なぜなら日本家屋と同じ規格の木材を出していたから。ようやく韓国規格に合わせて、少し売れた……という話を取材したことがある。

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鹿児島県の志布志港で輸出を待つ国産材。

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韓国で建てた日本材の家。

今回は、どこの国をめざしているのか知らないが、日本の木は日本の工法が一番、というのは思い上がりではないのか。1軒2軒と、物珍しさから日本的な建築物を建てることはあっても、それが普及するとは思えない。アメリカが日本にツーバイフォー工法を持ち込んで、ものすごい宣伝とごり押しをしてきたが、50年以上かけてツーバイフォー住宅は木造住宅のうちの2割以下ではないか。(アメリカでは9割がツーバイフォーで、これこそ正しい工法だ、と主張している。)
日本では、ツーバイフォーも仕様を変質させているし、国産材のツーバイフォーも増えて、アメリカが木材を売り込む目的はいつしか消えてしまった。

ここで日本も軸組工法を広めて、日本の木材を輸出しよう……としても失敗が目に見えている。仮に軸組工法が気に入られても、多分欧州材か米材で建てることになるんじゃないかな。

それにしても国に要望とは、なんとも情けない。ビジネスは民間でやりたまえ。国の金を使って日本的独善の家を広めようというのは、他人の褌で相撲を取ってズルして勝とうというのと変わるまい。郷に入っては郷に従えだろう。

 

 

 

2024/07/19

林産物貿易の思い込み打破

今月のモクレポより。

モクレポ~林産物に関するマンスリーレポート~ 

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特用林産物の輸出額推移。つい椎茸などキノコ類だと思ったら、実は圧倒的に非キノコ類の方が多かった。
では非キノコの特用林産物とは何か。

ロジン(松脂)が対前年同期比116%、植物性ろうが143%、テルペン油が213%。2024年1~5月の輸出量は994トンで、対前年同期比106%。主要な輸出先では、中国が対前年同期比134%、韓国が78%、米国が157%となっている。

ほとんど意識しない林産物であった。

2023年の生産量で見ると、食用きのこ類の生産量は43万3,035t(対前年比94.3%)。たけのこの生産量は1万6,611t(対前年比76.2%)。木炭の生産量は1万4,214t(対前年比119.6%)となった。木炭以外は、どんどん減っている。

 

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こちらは品目別、木材輸入量。

合板はインドネシア、マレーシア、ベトナムで大半だが、ほか丸太、製材、集成材は、ヨーロッパにカナダ、アメリカが圧倒的。ロシアが今も結構あるのは笑えるが、今や木材資源の輸出国は欧米中心である。合板も過半が国産だから、熱帯産材製は随分縮んだ。

こうして、「なんとなくの思い込み」は破られていく。

 

2024/07/18

法隆寺の古材が国宝……はて?

法隆寺に残された建築廃材が国宝に追加指定されるというニュース。

法隆寺金堂の大量の古材、国宝へ 60年超の調査完結、火災の教訓も

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 ようするに幾度か繰り返された法隆寺の修理の際に交換された建築材や戦後の火災で焼けた部分などが国宝になるのだそう。

詳しくは記事を読んでいただきたいが、廃材もとい古材も、全部調査してどこの何のための部材なのか履歴を調べ尽くした3284点は、国宝・法隆寺に加えるということである。

これを読んで、あれ?はて? と思った人もいるのてはないか。実は、この手の古材は意外と世間に出回っているから。

なにしろYahoo!オークションにもかかって売り出されている。

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もちろん履歴などはあやふやで、偽物の可能性もあるけど。

しかし、もともと修理で交換した材は、世間に流通するものなのだ。寺が放出するのか、手がけた大工が役得として引き取っているのか。私自身も、アチコチで見ている。

知る中で古いのは北海道の探検家・松浦武四郎が晩年の明治時代に建てた「一畳敷」という書斎だろう。これは「木片勧進」と称して、全国の有名古刹から木材を集めて建てたもので、その中には法隆寺ほかの寺社の木材も使われていたはず。

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写真は一畳敷のレプリカだが、現物の木材は、みな「勧進」で得たものだ。当時は手紙で「木片くれ!」と求めたら、意外と応えてくれたようだ。

さらに奈良県の吉野高校(現・奈良南高校)の林業博物館にもあった。

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右が法隆寺。左は正倉院。

ほかにも法隆寺の古材を保管している施設はいくつかあるのだが、暴露は止めておこう(^_^) 。

結局、古材が国宝と言っても、実は木質に価値があるのではなく、履歴がわかるかどうかなのである。木材に価値を付けるのは、産地や成長過程、そして加工者……などのストーリーなのだな。

 

2024/07/17

「生物多様性を高めるための林業経営」とプラチナ構想

林野庁の情報誌「林野」に、「森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針」が特集されている。たしかに、春先にそんな発表があったなあ、と思い出したわけであるが……。4月には、「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」も成立している。

情報誌「林野」令和6年7月号

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これも世界的なネイチャー・ポジティブの動きに乗ったものだろうが、本音は「余計なことを」と思っているのではなかろうか。林野庁的には、「林業の成長産業化」に役立たないから。

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なんだか、しょぼい。今まであった内容をまとめただけのように感じる。しかし、長伐期にするとか複層林化するとか、だいたいの方向は記されている。

一方で、 同時期に、一般社団法人プラチナ構想ネットワークが、森林資源の循環利用のためのロードマップを公表した。この団体、以前も紹介したが、あり得ない構想を掲げて「儲かる林業」「地球環境に寄与」を訴えている団体である。その点は、Yahoo!ニュースにも書いた。

「都市の森」のからくり。木造建築は炭素を固定しない

今回のロードマップでは、建築用木材やチップを製造・加工する大規模施設「ストックヤード」を各県に10カ所程度設ける提案をしている。このストックヤードは、年間10万立方メートル程度の木材を集めるという。そのため30キロ圏内にある1万ヘクタール 程度の人工林の木を伐採する。エリア内の人工林では年間250ヘクタールを伐採する計画だ。事業規模を大きくすれば「もうかる林業」が実現できると考えているらしい。

なお37%にとどまる再造林率を2050年に100%にするともある。(いつのまにか、「再造林率3割程度」が、37%に嵩上げされている。)


なんか約20年前の新生産システムと似たような発想だ。これは民間の提案だが、政策として見ても、相反するテーマを同時に掲げている感がしてならない。両者のアクセルを踏めば、両方にブレーキがかかるだろう。

さて、これで「生物多様性を高める林業」と「もうかる林業」を実現できるかな。

2024/07/16

ローズウッドの箸

海のある奈良県(熊野市)の道の駅で見かけた土産物。

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ローズウッドの箸。なんと。ローズウッド(紫檀)は今や輸入禁止になっているが、それで箸をつくっているのか。

どうやら熊野の工芸作家がつくっているらしい。在庫を抱えているのだろう。ローズウッドは、木工芸品や家具、楽器、フローリングなどに用いるが、ワシントン条約で流通が禁止されている。箸としても最高級品扱いかもしれないが、先日ギターメーカー三木楽器がこっそり輸入して捕まったばかり。

中国では、象牙の箸もあった。韓国では金属の箸が主流だ。日本の塗り箸の場合は、ニューギニアの鉄木などが使われる。硬い素材では、先端を細くできるからつかみやすいというのだろうか。
しかし、硬いことは箸として価値があるのかね。使い心地で言えば、柔らかくてわずかにしなる方が食べる際に食材への当たり方がよいと思う。その点なら、プラスチックの方がマシのような気がする。まあ、スギの割り箸が最高だけどね。

ちなみにスギ1立米から高級割り箸をつくると、立米単価が25万~30万円ぐらいになる。超高付加価値商品だ。

 

 

2024/07/15

世界でもっとも美しい切株……

タイトルを本気にしないでくれ。

不定期に「切株の上の生態系」というシリーズをやっていて、切株の上にさまざまな動植物が育って別のワールドをつくっているのを発見したら紹介している。

今回は、下北山村で見かけた切株。これが美しいと感じたのだ。これまでのシリーズでもっとも美しい生態系がつくられている切株のように思えた。

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木は広葉樹のようだ。サルスベリぽい樹肌をしているが、伐採後も少しは生きて切り口を塞ごうとしたのか、伸びて巻き込んでいる。おかげで真ん中がへこんだのだろう。結果的に切株の中心部が腐って、そこに苔も生えて土壌ができたのか小さな草花が繁っている。さまざまな種類が育っているおかげで森ぽくなっているのがよろしい。

ちなみに、生駒山の森林公園の木道で見かけた杭の上の生態系は、こちら。

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これもお気に入り。生け花のようで美しいではないか。

ちなみに、通常なら丸太は外側から腐るが、この場合は防腐剤を塗っていたか注入されていたかで、むしろ薬剤が届いていない中心部から腐ったのではないか。おかげでへこんで、ほかの植物が育つ余地ができたのかもしれない。

小さくても、水分があって、分解された木質部が土壌となれば、植物や菌類が育ち、すると節足動物も住んで……と生態系ができるのだなあ。

2024/07/14

林業遺跡・幻の軌道と随道

紀伊半島は山深く秘境のイメージから、人の手が入らぬ原生林が多くあるように思われている。

だが、むしろ古くから人が入ってきた土地のようだ。一つは修験道だが、もう一つはやはり林業。それらは実は戦後まで現役だったところが多いのに、今はほとんど忘れられている。

その一つを探して下北山村の某川の上流部に分け入った。

実は、比較的大きな製材所もあったらしい。そこにはトロッコ軌道も敷かれて切り出した木材を製材しては運び出していたらしい。その跡を探したのだが……。

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こんなエメラルド色の淵が続く。ああ、ここに飛び込みたい……と思ったのだが、泣く泣く自重した。しかし、ここで夏の休暇を送りたいものである。(ちなみにキャンプ禁止。ものすごいゴミを捨てて行ったキャンパーがいたらしい。)

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ふと気づくと、山の中に巨大な石積み。この上はトチノキダイラと呼ばれる平坦地で、そこに製材所があったのではないかと睨んでいる。古びた鉄とコンクリートの道がある。腐りかけているので通るのは危険だったが。しかも、これだけでない。

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ついに発見。この上の穴こそ、上流部から丸太を流した随道らしい。川は滝があるので、トンネルを掘ったようである。しかし、丸太を流す、つまり管流し用の随道なんて、すごい林業遺跡ではないか。筏流しだけではないのだ。そしてこの崖を落としたの? 当時は滝壺があったのかもしれない。どういう仕組みだったのか。行きてえ。確認してえ。。。
が、そのためには落差30メートル級の垂直の壁を登らねばならん。トロッコ軌道の道は、途中で崖崩れにあって消えたらしいので遠回りしても行けるかどうかはわからない。今回は泣く泣く。。。しかし、丸太を流すためのトンネルを掘っていたというのは日本の林業史上も特筆すべきではないか。

実は村には、ほかにも管流し用トンネルはあるそうだ。

誰か、これら林業遺跡を探検して、林業遺産に認定されるべく頑張らないか?

 

でも、勝手に行かない方がよいよ。沢登りできる技術と装備があったほうがよいし、何より最近はクマが出るそうだ(> <;)。

2024/07/13

このスギ、根株はどこにある?

下北山村では、林業遺跡探索もしたのだが、ある川の化河岸で見かけた、世にも不思議なスギ。

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かなりの大木。幹は直径80センチ級か。が、気になったのは、その根元を見たときだ。

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どういう状況かわかるだろうか。根株、つまりこのスギの根の広がりが地上に出ていた……。もちろん、それでは枯れてしまうから、幹はその下にも伸びていて、地中に入っているのだが。

このスギのあるのは河川の岸辺なので、どうやら水位が上がった際にスギの根元の表土がえぐられたらしい。そして根株が剥き出しになったのではないか。それでもスギは枯れずに改めて根っこを下に伸ばして命脈を保った……。そう理解した。

頑張って生きて、太くなったのだなあ。根株の下も太い幹だが、こちらは根が太ったのだろうか。木目はどうなっているのか。

 

 

2024/07/12

「歴史の証人」と川上村の源流学園

下北山村からの帰り道、川上村を通るのだが、そこで目についたのは義務教育学校「かわかみ源流学園」。

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小中学校一貫の新たな教育組織だが、そこに保育園も加えている。ここに樹齢400年生の吉野杉を使ったことを以前記事にしたことがある。人が植えて育てた木としては日本最古級。「歴史の証人」として村のふるさと文化財に指定(ほか、林業遺産、日本遺産などに指定)している村有林だが、そのうちの1本をこの学校建設のために伐ったのだ。詳しくは、昨年の毎日新聞奈良県版を。

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なかなかの勇気である。ただ記事にしたときは、まだ建設中だからどんな様子になるのかわからなかった。そのことを思い出して、車をUターンさせて飛び込みで「見せてくれ」と頼む。アポなしでも融通してくれるのが、有り難い。

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エントランスにあるのが、「歴史の証人」の薄い断面。意外と細いと感じるかもしれないが、むしろ400年でこの細さということが年輪の詰まった吉野杉ならではである。しかも節がほとんど見つからない!

一つ一つを説明するのは無理だが、学校のイメージを覆す造りである。日本旅館みたい(笑)でもある。食堂もあって、全児童生徒は一緒に食事を摂るそうだ。とにかく、これら木質建材のすべてを村内で賄ったのだ。建設費は、折からの資材・人件費の高騰受けて、なんと25億円!!!

詳しくは、以下のサイトを参照のこと。

川上村立かわかみ源流学園 建設物語

建設事業の進捗

これだけの建物なのに、あまり内外に知られていないのは惜しい。教育関係や林業関係者もだが、できれば建設関係者に視察してもらいたい。ただし、何も構造がどうだとかデザインがどう、吉野杉は建材としてどう、と言ったことを聞くのではない。
たとえば公共建設物なのに村産材ばかりを使おうとすると、どんな仕組みが必要か。入札を通すと絶対に無理である。さらに敷地の関係から3階建てにするとどうか。保育園やこどもセンター、学童保育まで併設するにはいかなる法的条件と施設の構造的課題をクリアするべきか……などを聞き取ってほしい。また地域の人々を気軽に招ける仕組み。教師の確保や複式学級にしないための施策も重要になる。

ま、案内してもらいながら、そうした苦労話?愚痴?を聞くのも面白かったのだけどね(笑)。

2024/07/11

流行る田舎のパン屋の秘密

下北山村を去る前に、村内の国道425号線を走っていたら「たもとパン店」に営業中ののぼりが立っていた。

これはチャンス!と集落内の道を約1キロほど入ってたどり着いたパン屋。昼飯し用に買っておこうと思ったのだ。

が、車から下りると「今日は開けてないでえ」の声が。なんとパン屋の主人が店前の畑で農作業をしていた。
「でも、のぼりが立っていましたよ」
「ああ、仕舞うの忘れたんやな」
なんとものんびりした声(^^;)。しかも、店前には「営業中」の看板も立っている。開店は、金土日の3日間らしい。もっとも、これもよく変わるらしいから、要注意だ。

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それでも中へ入れてくれて、味見させてくれた。そして「なら、残り物を半額で売るわ」とのことだった。そして冷蔵庫から出してくれる。

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パンを入れる籠までパン製。

ちなみにここのパンは、天然酵母パンだ。しかも、麦も自家栽培中。麦から栽培してパンを天然酵母で焼くのは、もはや「鉄腕DASH!」ぐらいしかあるまい(笑)。こんなパン屋が山村にあるのだ。

味見すると、なるほど天然酵母らしい、もっちりした生地で素朴な味わいだが、かみしめるうちに麦の味が湧いてくる。営業日は惣菜パンもあるそうだが、今あるのはバゲットだけ。

もともと料理人だったが、故郷に帰って来て、何をするかと考えたときにパンを焼くことにしたが、まったく独学だという。今は一人でやっているので、のんびり商売のようだが、カフェを開くとか、どこかに卸せば流行りそうな気がする。

ちなみに田舎で開くと流行る店というテーゼがある。

まず蕎麦。豆腐。そしてパンなのである。カフェも、アイスクリームとか石窯にすると人気がある。もちろん特色のある、美味い商品があってのことだが、そうした食品には遠くから足を運ぶ客がつきやすい。

もっとも、このパン屋はのんびりしすぎ(笑)。値段も安すぎ。しばし、主人と生駒の歓楽街(笑)について語り合ったのであった。

2024/07/10

“秘境”よりの帰還

「奈良県でもっとも秘境」の村を訪ねて3日間、とうとう帰還した。

成果はこれから整理するのだが、ここでは秘境ならしめている交通困難状況を紹介しておこう。

というのは、この村「下北山村」と奈良県北部を結ぶ国道169号線は、昨年より山崩れにより途絶していた。単に土砂をどかせばいいのではなく、深層崩壊を起こしかけているので、通れないのだ。そこで仮橋をダム湖にかけたのだが、一般は通行できなかった。となると、三重県を迂回するルートを取らねばならない。時間にして2時間ぐらい多くかかる。

というわけで、私はこの村こそ奈良県の秘境と決めつけて取材を敢行したのだが、なんと出発数日前に仮橋の一般車通行が認められた。おかげで、かなり楽ちんになる。

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仮橋との分岐点。左・前を走るのは先導車。勝手に走れないのである。崖の状況を24時間体制でウォッチして待機している。OKのときだけの通行だ。右が崩れた道。

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仮橋道を遠目に見ると、こんな感じ。

たまたま宿で地質調査をしている人と遇ったのだが、「こんな地質のところ、道は通せない。トンネル掘るしかないでしょ」という意見だった。

実際、トンネルを掘ることになったのだが、何年かかるか……。それまで仮橋でしのぐのである。

ただ、日本の山村の多くがこのような交通条件を背負っていることを忘れてはならない。昨日、私の車がパンクしたのも、道の整備の問題はあるだろう。地域内の多くの道に絶えることなく起きる落石を片づけるのは至難の業なのだ。道路事情と距離は、田舎を田舎足らしめている根幹だ。

地域おこしだ、田舎暮らしだ、と言う前に、その立地条件を自分ごととして身に染み込ませなければ、往々にしてきれいごとを述べてしまう。

2024/07/09

山村で海を見た

奈良県には海があったのだ。見ろ。

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熊野灘。なんと長く続く砂浜か。素晴らしい。

え、熊野灘は三重県だって?あれ、そうなの?いやあ、てっきり奈良領だと……(^^;)。

ことの起こりは知られざる林業遺跡を探して渓谷に分け入り、巨大な岩壁を訪ねた帰りである。

パンクした。

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なんとか業者を呼べたのだが、ひと目見るなり「あ、裂けてますね」。

修理は無理、タイヤ交換の必要がある、でも、この村には交換タイヤないから。レッカーで運びましょう。

かくして、もっとも近い熊野市に(いつ県境を越えたかは知らない)。おかげで海を見られたのであった。

ちなみに2時間ぐらいで交換は済んで往復して元の山村にもどったのであった。近い近い。これなら奈良の一部でいいんじゃない? まあ、この村を三重県にしろ、という声もあるのだけど。

2024/07/08

ツチノコの村

今日は、我が家からもっとも遠い奈良県内の自治体、もっとも奈良県内で海に近い自治体、もっとも奈良県内で秘境の自治体、にやってきた。

いやあ、道は崩れて仮橋渡らなければならないわ、喉乾いて干上がりかけるわ、昼食難民になりかけるわ。。。

明日も滞在予定。

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これは村のシンボル。足はないよ。

2024/07/07

輸入すべきは丸太か製材か

日経新聞にこんな記事。

東京・新木場の海に映る木材流通の課題 輸入丸太9割減

木造建築の資材などに使う丸太の輸入が減っている。海外の環境規制や製材品への移行、国内の建設市場の縮小といった要因が絡み合い、最盛期の1970年代に比べ9割減った。丸太流通の縮小と並行して製材所も減少し、国内の木材産業にとって新たな課題になっている。

林野庁の木材需給表によると、2022年の丸太輸入量は21年比6%減の362.8万立方メートル。戦後の復興期に住宅新設や公共施設、電柱敷設などに木材が必要となり、使い尽くされた国内の森林資源の代わりに供給を支えたのが、米国産などの輸入丸太だ。1973年の丸太輸入量は5248万立方メートルに達していた。

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減少したのは、木材生産国が丸太輸出を規制してきたこと。また皮むきや切削などの技術と手間を考えると、海外で加工済みの木材を輸入するほうが効率的。そして国内の木材需要全体の減少。この3つを理由に挙げている。

別に異議はないが、ふと思い出したのが、私が1996年に出版した『「森を守れ」が森を殺す!』の記憶。この執筆のために、東京・新木場だけでなく各地の輸入業者などを回って話を聞いた利のだが、文献を漁ったのだが、ここでわかったのが、歩留りという問題だ。

Photo_20240707125502新木場も製材品ばかり

とくに南洋材の輸出元(マレーシアなど)の製材や合板製造では、歩留りが40~45%。ところが国内では65%を超えていた。つまり、木材の有効利用をしているのは日本だったという結果が出たのである。ならば、日本が丸太を輸入して、全部製材した方が森林伐採量は減るのではないか?

当時、ボルネオなどでは、伐採した木をそのまま捨てている現場が少なくなかった。伐採したものの、中が空洞だったりして使えないとしたのだ。それに比べて日本では、製材屑もそれなりに利用していた。日本は、合板用の場合、最大82%を達成していた。

単純に考えればそうなる。

果たして、あれから30年近くが経って、現在の状況どうなのか。今も輸出している国々の製材技術は低いのか。もしかしたら進歩を遂げているかもしれない。そもそも輸入するのは欧米が増えた。逆に日本は高いままなのか。記事には製材所も減ったことが記されているが、技術も手間もかけられないと、今や日本の製材では歩留りを落としているかもしれない。

いまさら、ではあるが、木材輸入量・国産材生産量だけでなく歩留りの視点も忘れないようにしよう。

 

2024/07/06

金魚の行方

実は昨夜から体調が悪くて、今日一日おとなしくしているのだが、それでもやらねば、と責任感を背負っているのが金魚の餌やり。

我が家の庭に小さな池があって、そこに金魚を放しているのだが、その餌を与えながら数を数えるのが日課になっている。なにしろ動き回る金魚を数えるのだから、動体視力が鍛えられるぜ、という思いである。ただ、最初は20匹ばかりいたのが、今は13匹。

これまで幾度も放しているが、その度に消えていく。これは鳥だな、と思って池面の植えにテグスを張って、鳥が近づけないようにしたら、なかなかの効果であった。

ただ、それでも徐々に数が減っていく。そのうち遺体を見かけたのは、1、2だけでほとんど見つからない。実は、今朝、新たな遺体が浮いていたのである。これで12匹になったのか。

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なぜ減るのか。鳥なのか、病気などで死ぬのか。でも、その遺体を誰が片づけているのか。謎である。

逆に増えることもあった。急に小赤、つまり小さな金魚が発生したのだ。これは産卵・孵化した? しかし、今年は増えない。何が悪いのか。金魚の行方を探しつつ、金魚の生態を追いかけるのが、私の朝の日課なのであった。

ちなみにカナダ藻が繁りすぎもよくないのかも。この藻は、どこから入ったのかわからない。父の代に入れたのかもしれないが……。とにかく、よく繁る。外来種にありがちだ。これが金魚を隠して鳥に狙われることを少なくする効果も期待しているものの、果たして金魚にはよいのか悪いのかわからない。

2024/07/05

西日本新聞の記事から北海道の盗伐を思う

西日本新聞6月29日号に私のインタビューが載ったとの連絡。ただし、記事は以前に北海道新聞に載ったものと同じ。両紙は北海道と九州のブロック紙として、記事の提携をしているのか。

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それで思い出した。この記事が北海道新聞に掲載されたとき(6月9日)、北海道の林業家から電話が版元に入ったらしい。それによると、北海道でも大規模な盗伐が起きているという告発だった。久しぶりに自分の山を見に行ったら木が全部伐られていたこと、それを警察に届けても相手にされないこと、自治体も動かず、弁護士に相談しても「金にならない」と断られたこと……。見事に宮崎県と同じ状況が起きているのだ。

それも一カ所ではなく、各地から声が聴こえてくると。ただみんな泣き寝入り状態で、公になっていない。なかには森林組合が関わっているともいう。

もちろん、まだ私は現地確認していないのだが、やはりなと思う。必ず全国で起きていると思っていたし、とくに北海道は可能性が高い。ほかにも東北や中国、四国も起きているはずだ。北関東もあるんじゃないかな。ようするに全国である。

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以前訪れた冬の北海道の林業風景。

これから、各地から噴き出る可能性がある。これは、現地を訪ねる余裕はあるかなあ。

 

2024/07/04

『都市に侵入する獣たち』を論じるジャーナリスト宣言

先日訪れた岡山理科大恐竜学博物館では、恐竜以外の収穫があった。

サテライト展示室の図書館に、処分する雑誌等が置かれて、自由に持ち帰れたのだ。よく見ると、ナショナルジオグラフィック誌が多数ある。

思わず手に取っていただいたのが、これ。

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いやあ、欲しかったのになぜか買い損ねていた。2022年7月号だから、わずか2年で廃棄してしまうのか。私には有り難いが。

タイトルどおり、都会に野生動物が侵入してくる記録なのだ。基本的にはアメリカだが、ニューヨークやシカゴ、カリフォルニアの都市にコヨーテやアメリカクロクマ、アライグマなど多数の種類と数が姿を現していることが、貴重な写真で紹介されている。

実は、この本を読んだ。

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これまたズバリのタイトル。『都市に侵入する獣たち』(ピーター・アラゴナ著・築地書館)。

ここにも熊やシカ、コヨーテ、ピューマ、コウモリと多様な野生動物が、都市部に住みつき、すでに生態系をつくっていることを紹介されている。ちょっと翻訳がこなれず読みづらいのが難点だが、実に興味深い観点を示してくれる。

たとえば「都会ほど住みやすい土地はない」という説明もある。もともと都市が造られた場所は、野生動物に取っても楽園だったこと、都市ができて動物は減ったが家畜が都市に関わったこと、やがて公園緑地を造ったことで野生動物を再び引き寄せ数を増やしたこと……そして人間の被害の実情と、駆除は事実上不可能であるということまで。結局は、共生しなくてはならないのだが、果たして人間にそれは耐えられるか、と考えさせられる。

が、この内容の本を、私はすでに出版しているのだよ。

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獣害列島』(イースト・プレス)。本書は、現在日本の獣害の説明から入るが、最後には「やがて野生動物は都会に向かう」と記している。クマやシカ、イノシシなどが、どんどん都会に出てくるだろう、と。予言の書なのである( ̄^ ̄)。
出版は2020年だから、わずか3、4年で現実化した。昨年からクマを中心に都会に出没することが頻発して、私にも何かと依頼が来る。この本を読め、と言いたくなる。

もっとも、この本の前には『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』(築地書館)を出版している。ここでメインで取り上げたのは、奈良のシカなのだが、これこそ都会の野生動物の代表格。後半にはシカだけでなく多くの動物が都会に出てくるだろうことを予言している。

いよいよ「都会の野生動物ジャーナリスト」を名乗ろうかな。

 

2024/07/03

岡山の恐竜学博物館

昨夜は岡山市で呑んで、泊まったわけだが、そのホテル近くの交差点の地下に広場が設けられていた。その一角にあったのが、小さな多肉植物園。

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おお、恐竜がいるではないか。

というわけで、恐竜博物館を訪れることにした。実は、岡山に恐竜の博物館があるとは知らなかった。偶然、Googlemapで発見するまでは。

具体的には、岡山理科大学恐竜学博物館といって、岡山理科大の中にある。だからか、恐竜ではなく恐竜学の博物館。

実際にたどり着くまでは、カーナビがなければムリ! というほどややこしい道だったが、無事にたどり着く。構内も複雑なのだが、恐竜学博物館の標識が各所にあるところをみると、わりと売り出し中?

どうやら岡山理科大は、モンゴルの恐竜調査を手がけているらしく、その発掘品を中心に展示してある。

もっとも、博物館というよりは研究室という感じかなあ。しかもキャンパス内の各所に分散。研究室にロビーに階段踊り場? それに図書館。

20240703-101259メイン展示室

20240703-102410図書館

私には、図書館の一角にあるサテライト展示室がよかった。写真中央は、ジュラ紀のアロサウルスである。わりと好み。私の恐竜遍歴の最初を飾るのである。これは白亜紀のティラノサウルスの原形ともいえる恐竜だが、全長10メートルというものの、半分が尻尾らしく、見たところ馬かせいぜい象の大きさではないか。

ほかに鳥に近い、知能派のドロマエオサウルスとか、なかなかよし。庭には、恐竜が食べていた?ソテツやシュロなどの木も植えられている。

展示の隣の教室からは講義の声が洩れてくるし、学生の姿もちらほら。大学の雰囲気そのものを味わえる。

なかなかの穴場であった。

 

2024/07/02

エンターテイナーか、IT技術者か

津山ではセミナーが開かれた。見た通り、パワーポイントが使われている。

実は、今夜は岡山市内で大学時代の友人に逢ったのだが、彼は今は中学校の非常勤講師。国語担当である。その授業も、パワーポイントを使うのだそうだ。生徒も全員タブレットを所有し、デジタル化が進行している。

しかし、彼はこの道40年のベテランだ。教壇は舞台、教師はエンターテイナーを信念に教えてきた。

ところが今や、PCをいかに操れるかが教師の能力なのだそう。日本語の文法解説をダイナミックに展開する。

そんなこと言われたら、私のパワーポイント使った講演の自信が失われる(((^_^;)

講演時にヴィジュアルは大切だ。最初はスライドから始まり、さまざまなツールが登場したが、パワーポイントは非常に強力な武器だ。講演者の特権的なイメージがあったが、もはや学校で普通に使われているのだら、中学生にもかなわない。

エンターテイナーになるまえに、ITの腕を磨かないといけないなあ。

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2024/07/01

台湾の公園で、太極拳?樹林気功?

台北の花博公園で見かけた人。

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太極拳のようでもあり、樹林気功のようでもあり。

台湾では、公園で踊っている人が多い。太極拳ではなく、ダンス系が目立つ。何ダンスというのか知らないが、なかにはソーシャルダンスも見かけた。

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