今年の林業遺産と下北山の林業遺跡
今年度の林業遺産が決まったそうだ。
う~む。渋い。言い方を変えると地味だ。失礼な言い方をすると、しょぼい(笑)。積雪観測用地下道ってなんだ?
まあ、それが貴重だと言われりゃそうだが。森林測候所、ねえ。林業との関係も……う~む。
そんなときに、私が訪ねた下北山村の林業遺跡の探検記を読んだ。帰って来てから読むのかよ、と言われそうだが、私も途中まで行った所の、その先の記録なのである。ああ、奥まで行きたかった……と後悔をこめて読む。それが、なかなかスゴイ。そして、かつての林業の現場を知らしめる。
こういう遺跡こそ、林業遺産向きではないのか。
実は、結構長く、中には動画も挿入されているのだか、6回連載となっている。その中で最終回が林業遺跡についてわかりやすく、よく解説されている。
ちなみに1~3回目は私も行ったところ。4、5回目は私が行きたくて行けなかったところ。そして最終回が背景の林業について語られている。
丸太を流送するために随道を掘ったのもスゴイのだが、その前にはハコドイが登場する。これは何か? いやあ、実に興味深い。よくぞ、調べたと感嘆する。こんな巨大遺跡が眠っていたとは。
そして紀伊半島には、各地にこの手の林業遺跡が眠っていることを見たり聞いたりしている。随道も、ここだけではないのだ。それこそ大台ヶ原にまで作られた。いっそ、奈良県だけでなく和歌山県、三重県と共同で調査してくれないかなあ。
日本森林学会の林業遺産は、まず申請しないと審査対象にもされない。しかし、私は遺産と名付けるなら、こうした忘れられがちな存在を発掘して目を向けてほしいと思う。それこそ日本の林業史に刻まれた技術・技法の記憶なのだから。
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