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森と林業の本

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2024/07/17

「生物多様性を高めるための林業経営」とプラチナ構想

林野庁の情報誌「林野」に、「森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針」が特集されている。たしかに、春先にそんな発表があったなあ、と思い出したわけであるが……。4月には、「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」も成立している。

情報誌「林野」令和6年7月号

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これも世界的なネイチャー・ポジティブの動きに乗ったものだろうが、本音は「余計なことを」と思っているのではなかろうか。林野庁的には、「林業の成長産業化」に役立たないから。

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なんだか、しょぼい。今まであった内容をまとめただけのように感じる。しかし、長伐期にするとか複層林化するとか、だいたいの方向は記されている。

一方で、 同時期に、一般社団法人プラチナ構想ネットワークが、森林資源の循環利用のためのロードマップを公表した。この団体、以前も紹介したが、あり得ない構想を掲げて「儲かる林業」「地球環境に寄与」を訴えている団体である。その点は、Yahoo!ニュースにも書いた。

「都市の森」のからくり。木造建築は炭素を固定しない

今回のロードマップでは、建築用木材やチップを製造・加工する大規模施設「ストックヤード」を各県に10カ所程度設ける提案をしている。このストックヤードは、年間10万立方メートル程度の木材を集めるという。そのため30キロ圏内にある1万ヘクタール 程度の人工林の木を伐採する。エリア内の人工林では年間250ヘクタールを伐採する計画だ。事業規模を大きくすれば「もうかる林業」が実現できると考えているらしい。

なお37%にとどまる再造林率を2050年に100%にするともある。(いつのまにか、「再造林率3割程度」が、37%に嵩上げされている。)


なんか約20年前の新生産システムと似たような発想だ。これは民間の提案だが、政策として見ても、相反するテーマを同時に掲げている感がしてならない。両者のアクセルを踏めば、両方にブレーキがかかるだろう。

さて、これで「生物多様性を高める林業」と「もうかる林業」を実現できるかな。

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