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森と林業の本

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2024/08/16

『山が学校だった』に学ぶ

先日、逝去された辻谷達雄氏の自伝『山が学校だった』を懐かしく読み返していると、意外な発見がある。

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私は彼の半生(幼年時代から60歳代まで)を聞き取った記憶が生々しくあるが、実は後半は現代の林業論やら労働環境に関して話した部分が多くある。それを私が忘れていてどうする。

で、その部分に今につながる情報が多く含まれていることに改めて気づいたのだ。

地拵えや植林苗、下刈りの仕方で行った試行錯誤などは、現在の施業法にも参考になるはずだ。ほかにも山村問題や林業経営、森林のあり方、実に多岐にわたる。

ここでは獣害について触れている部分を紹介しよう。

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この本は、1990年代後半に取材・執筆している。つまり、今から約30年前の経験だ。その頃に、すでにクマが増えていることを指摘している。さらに鈴を鳴らしても逃げないことも。クマが人馴れして、鈴などの音をさせても逃げない、逆によってくることは最近になって言われだしたが、すでにこの時期にクマの行動になっていたのだ。


シカやカモシカ問題も同じだ。生息数が増えていることは、当時はまだ認められていなかった。実は私のところに増えているという声が届いていたのだが、半信半疑だったことを覚えている。

また天然のヒノキ苗が食べられないという指摘は、今後参考になるかもしれない。まずい苗をつくるのだ。それが遺伝子組み替えか薬剤散布か、方法はわからないが、生産の参考にできないか。

そのほか、辻谷さんの仕事勘や家族勘も、令和の世に合っているように感じる。就職も結婚も子供たちの自由意志に任せつつ、必要なアドバイスと引き際も心得ている。ああ、先進的な人だったんだなあ、と改めて再確認した次第である。

 

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コメント

たしかに観察している限りではニホンジカに食べられやすいのはコンテナ苗>裸苗>天然更新木の印象です(ヒノキ)。ただ、食べられない苗木というのは無理な気がします。こちらの地域では、長い事シカの不嗜好であったハシリドコロやヨウシュヤマゴボウまで食べられ始めました。なので食害にあうのを遅らせる苗木というのが限界な気はしています。無論それとて今はほしいのですが。

奈良公園では、アセビも食べていますからね。
完全にシカが食べない苗づくりは無理かもしれませんが、嫌いな味にして優先順位を落とすことは可能ではないかと。
ただ、そのために遺伝子改変までするか、できるかというと難しいですね。
シカが忌避する薬剤もつくられていますが、何年も成長する間、効果は持続しないらしいし……。

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