「恐怖の生態学」覚書
なにやら煽り気味?のタイトルをつけたが、この「恐怖の生態学」は、現在の野生動物生態研究で、わりと注目されている理論である。
これまで野生動物の行動は、餌と天敵(捕食動物や人間の駆除など)、それに繁殖相手を軸に論じられることが多かった。
そこに捕食されなくてもいるだけで怖い(笑)存在も、行動に影響を与えるという観点も必要だろうとなってきた。
ネイチャーブリーフィング
大型肉食動物への恐怖は有蹄類の生息地利用と関連している:二因子実験からの証拠
大型肉食動物が大型有蹄動物に与える恐怖は、食物連鎖を通じて連鎖的に影響を及ぼすと主張されてきた。しかし、有蹄動物の生息地利用と大型肉食動物への恐怖との直接的な関連は、実験的に検証されたことがない。この重大なギャップを埋めるため、我々はアフリカのサバンナで二因子実験を行った。実験的に伐採した場所と低木のある対照地の両方で、低木を取り除いて、大型肉食動物の鳴き声(ヒョウ、ハイエナ、イヌ)または脅威のない対照の鳴き声を流した。我々は、複数の獲物(インパラ、イボイノシシ、ニャラ、ブッシュバック)の積極的反応(訪問頻度)と受動的反応(逃走または警戒)を記録した。重要なことに、我々は有意な積極的反応と受動的反応の相互作用を発見した。
私は、まだ生半可にしかかじっていないのだが、クマやイノシシ、シカなどの野生動物の獣害対策に考えるべき重要なファクターになるのではないか、と思っている。
ごくごく簡単に論じれば、シカやウサギなどの動物は、肉食系の天敵となる動物が存在していることで、自然界で恐怖を味わい、それが行動に一定の影響を与えているのではないか、という発想だ。同じくクマやイノシシなども、人間がウロウロしていると警戒して出没が減るかもしれない。
だから山の中で人がワイワイ騒いでいたり、しょっちゅう銃をぶっ放していたら、怖いから逃げる、避けるわけだ。
それを証明するための研究や実験が各地で行われている。
この理論をもう少し詰められないか。
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