ネットにあったこんな記事。
「日本の森林について正しく知るための12の質問」とある。こんな記事は、素人向きに書かれているから、間違えていたり端折りすぎ! なことが多いんだよな。そんな記事にツッこんでブログ記事を書こうか、と思ったかどうかはともかく(^^;)、読んでみて驚いた。なかなか鋭く的確な記述ではないか。
国産木材=高いというイメージになるかもしれませんが、日本の立木(山に立っている状態の木)の価格は下落しています。……「国産材は高い」と言われる時の“材”とは、製材後の木材やそれを使った製品のこと。
さらに林業の作業の分業化が進んでいること。その問題点。徐伐、間伐、択伐、主伐、皆伐などの言葉の説明もよい。(多少、解釈的には異論もあるが。)そして驚いたのは、択伐をかつての主流としていること。
「皆伐」は、育ったすべての木を伐採すること。主伐に含まれますが、一斉に伐採して区画を更地にする意味合いが強くなります。それとは対照的な主伐方法が「択伐」で、かつて日本で主流だった伐採方法です。
この点をはっきり記した記事は、林業系の専門誌でもあまり目にしない。いわゆる伝統的林業地では、択伐やってたんだよ。
「択伐」に求められるのは経験と知識。伐採量の見極めや樹齢の違う木々をバランスよく育てるノウハウ、伐採後の丸太を木々の間を抜けて運び出す方法など、高い技術と資金が必要で、かつての日本の林業は世界的に見ても極めて高度な技術力を持っていました。
だいたい動力のない時代、皆伐するのは無理だった。せいぜい狭い小規模皆伐まで。また現在は択伐をあまりしないのは、高度な技術力を持った林業家が減ったことも暗に臭わせている。
だれが書いたのかね、と思って見ると、「FRaU編集部」とある。それで、ははん、と気づいた。
女性誌の「FRaU」8月号の抜粋だ。
これ、広告で見て、表紙に引き寄せられて(^^;)、買おうかなと書店に行って探したのだ。しかし、何軒か回って見つからなかったので諦めたのである。その記事か。見た目以上にしっかりした内容のようである。実際、目次にも惹かれる項目が多い。(目次はAmazon等に飛べば読める。)
今からでもAmazonで購入する? それとも、こうしてネットで抜粋記事が読めたから、もういい? 表紙はこの画像だけ取り込んでおけば満足できるか(⌒ー⌒)。
実家の近所にいわゆる山師と呼ばれるかたが住んでいて、父が山の間伐をするときに伐る木を選んでもらっていたことを思い出します。素人ではなかなか判断が出来ない世界のようですね。
投稿: Lago | 2024/08/08 19:07
「林業の神髄は間伐にあり」と言いますからね。
どの木を、どのタイミングで伐るか、それを将来の森づくりにつなげるか。
本当は、そうした知恵と技術が必要なのだけど、今の林業は……。
投稿: 田中淳夫 | 2024/08/08 21:03