風、光、熱……水平から垂直に!
このところ再生可能エネルギーに介する風当たりが強い。風車にではなく、風車を設置することに……。
実際、メガソーラーや巨大風車、そしてバイオマスを初めとする火力発電はいずれも、脱炭素を推進するどころか逆にCO2の発生を増やしかねない代物だ。加えて景観や低周波など、悪影響は多岐にわたる。
ところで、先日の生駒山の森林公園で見かけたもの。
何かわかるだろうか。これ、風力発電用の風車なのである。正確にはサポニウス型風車といって、垂直回転翼の風車である。私は、このタイプが好きなのだが……それが、蔓植物に絡まれて無残(泣)。これでは回らないだろう。
風車には、一般に知られるプロペラ式だけでなく、さまざまな種類がある。とくに垂直翼のものはダリウス型、クロスフロー型、ジャイロミル型……など。私は、こちらの方が好きだ。風向きを考えずに弱い風でも回るのだ。
現在はプロペラ式一択になっているのは、単に発電量を大きくしたいからだろう。しかし、そのためには強い風と一定方向の風がないとダメになる。ここに間違いがあるのではないか。
垂直式の風車を多く並べることも考えてほしい。景観的にも悪くないし、身近に設置できる。遠くの海上で発電して引っ張ってくる必要はない。メンテも簡単。写真のように放置はイカンけど。
同じくソーラー発電も、垂直型がある。福島県二本松市では農地に垂直に並べたソーラーパネルの発電を行っている。
ドイツ製だそうだが、発電効率はさほど落ちないそうだ。土地はずっと少なくて済むからメガソーラーでなくなるし、朝に発電量が増えるのは、電力使用時間から考えても有利。農地との併用も行いやすくなる。何より設置も楽ならメンテも楽。巨大プロペラ風車はコストがかかりすぎだ。
それにソーラーパネルは、今後は中国ではなく、ドイツ製に注目ではなかろうか。
最近はペロブスカイト式のソーラーパネルも研究されていて、これが完成したら薄いフィルムベースとなり、曲面や垂直壁などに多用できるはず。こちらも設置場所が広がり、森林を切り開いてメガソーラーみたいな馬鹿なことをしなくて済む。
そして地熱発電や地中熱発電技術も進んできた。地上で燃材を燃やすのではなく、深く垂直に掘っていくことで熱を取り出す。地中熱は、せいぜい20~100メートルくらいしか掘らないから簡単。地中と地上との温度差を利用するのだ。
世の中の再生可能エネルギー、水平から垂直に再編されるんじゃね?
ちなみに森林は、もともと立体的なのだが、どうも面積で判断しがち。むしろ樹木の高さを重視したらどうだろう。材積も増えるよ。
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