阿里山のスギ林
台湾旅行の本丸は、やはり阿里山。阿里山のタイワンヒノキの巨樹を見て、その森を歩いた龍次郎の気持ちを体感しよう……という心づもり。
もっとも、肝心の巨木は伐り尽くして、40本程度しか残っていない。それでもタイワンヒノキの森があるなら……。
ところが、阿里山を昇るバスから最初に見えた巨樹は、ちょっとヒノキぽくなかった。
ん? これは……ヒノキというより、スギ。それも柳杉と呼称される日本のスギ。阿里山注目は、スギ林だった。
ようやく着いた阿里山国家森林遊楽区は、標高2000メートル地帯なのだが、そこでようやくヒノキが目に止まるようになってきた。ただし。
これは、阿里山の保全区の一角なのだが……あきらかにスギ林。しかも人工林と記されている。よく見たらスギ林の中に巨樹の切り株が腐り掛けつつ残る。これは直径2メートル級だろう。つまり、ここにあった巨樹のヒノキ林は伐り尽くし、その跡地にスギを植えたらしい。
なんでかなあ。ヒノキ、それもタイワンヒノキかベニヒノキを植えるべきでしょうに。太さからすると、戦後植えたものと思われるが。
そんなこんなで、阿里山はスギ人工林も多いのであった。
もちろん、こんな巨樹も残る。これは直径4メートル級の最大木(28号)。近くを歩く人の大きさと比べてほしい。
龍次郎の歩いた時代は、こんな巨樹が文字通り林立していたのだろう。想像力をたくましく、こんな森を歩いている気分に浸ってきたのだ。
« 台湾の街路樹 | トップページ | 東洋一だった嘉義製材所の目玉は »
「海の向こうの森」カテゴリの記事
- 台湾の農作物と枯れる竹(2024.10.06)
- 阿里山の林業史をたどるギャラリー(2024.10.02)
- 東洋一だった嘉義製材所の目玉は(2024.10.01)
- 阿里山のスギ林(2024.09.30)
- ベトナム・アカシア林の伐期(2024.08.30)
コメント