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2024/09/08

伸びるか、木製フローリング市場

市場調査会社のレポートを読んだ。

木製フローリングの世界市場

それによると、
2023年に488億米ドルと推定される木製フローリングの世界市場は、2023年から2030年にかけてCAGR 4.7%で成長し、2030年には671億米ドルに達すると予測されます。

なかなかの成長率だ。

米国の木製フローリング市場は2023年に70億米ドルと推定されます。世界第2位の経済大国である中国は、2030年までに130億米ドルの市場規模に達すると予測され、分析期間2023-2030年のCAGRは7.1%です。その他の注目すべき地域別市場としては、日本とカナダがあり、分析期間中のCAGRはそれぞれ2.8%と3.1%と予測されています。欧州では、ドイツがCAGR 3.8%で成長すると予測されています。

実は、私も木材の用途としてもっとも有望なのはフローリングだ! と20年前から言っていた。と、後出しジャンケンのような言い草(^^;)。

一応の証拠としては2012年に国交省の「木の家づくり推進委員会だったかに意見陳述で呼ばれて発言している。

そこでは、木造住宅を推進しても木材の需要はたいして増えないこと、そして価格が安くて利益が出づらいことを訴え、木材を高く売れるのは建築物全般の建具やインテリアであるとした。とくにフローリングは、耐火基準など建築基準法で木材規制に引っかからないからよろしい、と言って、国交省役人の笑いを(苦笑?)取ったので゛よく覚えている。

ところで、木製フローリングには、無垢材フローリングと、単板を集成したエンジニアードウッドフローリングに分かれる。どっちがいいかは使い方、場所などによるのだろうが、昨年我が家でもフローリングの張り替えをしたのは集成材フローリングから無垢材フローリングへだ。

その際に驚いたのは、古いフローリングを剥がすとボロボロに砕けたこと。持ち上げられないほどだった。その理由はわからない。40年以上経っているし、親の部屋の使い方にもよるのだろうが、恐ろしく感じた。

20230927_105320張り替えた床

もっとも、この工事でフローリングの難しさも学んだ。集成材のフローリングならパネル化していて、簡単だとは聞くが、無垢材の場合は水平を取るだけでも大変。下地から全部張り替えだった。

さて、レポートにもどる。

世界の木製フローリング市場は、木材加工技術の進歩と消費者の嗜好の変化により、着実な進化を遂げています。持続可能で環境に優しい建材を求める動きが顕著になり、持続可能な森林管理が認証された森林からの木製フローリングの需要が高まっています。DIYでの施工を容易にするクリックロック技術や、耐久性と湿気や害虫への耐性を高める木材治療の改良などの技術革新により、木製フローリングの使用と用途が拡大しています。さらに、木製フローリングの美観は多様化し続けており、素朴な手擦りの板や、高度に磨かれた現代的な仕上げの板が好まれる傾向にあります。これらの動向は、個性的で環境に配慮した住宅装飾を選択する消費者のシフトを反映しています。

消費者の嗜好は、より持続可能で審美的に多様な床材オプションへとシフトし、市場はより高品質でエコロジーに配慮した製品へと向かっています。またオンライン小売の台頭により、消費者は多様な木製フローリングオプションに容易にアクセスできるようになり、市場の成長をさらに後押ししています。

ここで私が重要だと思うのは、「持続可能で環境に優しい建材を求める動き」だ。そして森林認証を受けた得た木材の需要が高まっていること。

そして、フローリンク材の多くは、広葉樹材であること。スギやヒノキ製もあるが、いかにも和風の床になる。私もリビングのデザイン上、広葉樹材を求めた。一方で広葉樹材は、供給不安がある。今は外材全盛だが、そのうち底を突くのではないか。

今から対策を練って、安定供給できる素材を準備しておくことも、日本の林業の長期戦略になるのではないかな。

Photo_20240908155201
国産の里山フローリングと名付けられた雑木の材

1_20240908155301
なんと、割り箸素材のアスペンも、サーモにすると立派なフローリング材に。

 

 

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