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森と林業の本

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2024/09/15

国産材でバイオリンをつくる意義

高知県の木でバイオリンをつくったというニュースを目にする。

高知県産の木材を使った“初”のバイオリン!四万十町の工房で完成間近

間近、とあるからまだ完成したわけてはないのかもしれないが、音の最終調整中らしい。

製造は、表面はヤナセスギ、裏面はミズメザクラと高知県産の木材だけで作られたそうだ。記事を読む限り、これは民間の事業で県や市町村関係の事業ではないようだ。四万十町の高橋ヴァイオリン工房と、南国市の溝渕木材工業、そして県出身のバイオリニスト川村陽華さんの名が上げられている。

ちなみに高橋ヴァイオリン工房のホームページを見ると、製造をオーダーすると、使用する木材は
表面・・・・・・モミ(樅)裏面、
ネック、横・・・ カエデ(楓)
指板(しばん)・・コクタン(黒檀)

 使用する木材はモラッシー工房の最上級ランクの材を中心に他、いずれも厳選した材のみを取り揃えています。 オーダー時には工房でストックしてある材から、お好みの木目や虎杢の入った材を選んでいただく事も可能です。

とも記されている。これらの木は、おそらく外材だろう。今回は、それを国産材、とくに高知県産でやってみようというプロジェクトなのだろうか。

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(高橋ヴァイオリン工房のHPより借用)

国産材でバイオリンと言えば、奈良県でも吉野杉によるバイオリンを製造している。これは県の企画だ。2017年に発表されて、私もそのコンサートに行ってきた。音色は、通常のバイオリンとは少し違うが、柔らかくてよい音色、とのことであった。(私に判定できるほど耳は肥えていない。)

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ようするに建築材ばかりではなく、新たな商品づくりに挑戦、という意味である。

その際に私が評したのは、<楽器は木材の使い道としては最上級のカテゴリーで、もっとも魅力を発揮できる分野である。ただ今回見吉野杉でも楽器(なかでも最上級の弦楽器とされるバイオリン)をつくれることを示したのだから、非常に価値がある。ただし、ここで使われたのは200年生の吉野杉で、しかも長く製材されて保管されていたことで乾燥が行き届いた逸品であること。つまり、これで量産などはできないし、新たな木材用途にはならない。今回の試みと成功は、いわば国産材の可能性を世間に示すことに意味がある。これに触発されて、地場産の木で新たな商品を開発しようという機運が出てきたらよい。>……ということであった。

今回の高知の試みも、ヤナセスギとは柳瀬杉、高知県東部の天然杉の銘木だし、ミズメザクラも通常出回っている木材ではない。

今後の波及効果に期待したい。

そういや、今年11月10日に四万十市で開かれる「幡多山もりフェス」に呼ばれていた。もしかしてバイオリンを目にできるかな。四万十市と四万十町。名前は似ていてもそんなに近い距離ではないようだけど(^o^)。

 



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