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森と林業の本

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2024/10/17

国産材供給が下がって木材自給率が上がるわけ

林野庁のモクレポ10月号に、2023年の木材需給が出ている。

それによると、2023年の総需要量は、7985.3万㎥(前年比マイナス521.6万㎥、93.9%)。
総供給量のうち、国内生産量は3425.9万㎥(前年比マイナス33.4万㎥、99.0%)。
輸入量は4559.4万㎥(対前年比マイナス488.3万㎥、90.3%)。
結果として、木材自給率は、前年から2.2ポイント上昇して42.9%。

これ、ニュースになると木材自給率がまた上昇して42.9%になった……となるのだろうな。。。目標の50%まであとわずかだ。
そんな見出しだけを読めば、日本の林業、頑張っている! となる。

2023_20241017164901

私には、自給率という割合以上に総需要量がマイナスになっていることに注目してしまう。 そして国内生産量もマイナス。

これまで建材などの国産木材の生産量は減少一方だった。人口が減少局面で木造住宅の着工件数も減っているからだが、そこに燃料木材、つまりバイオマス発電用の木材を加えて、プラスに見せかけている面があった。国産材の生産量も伸びていますよ、と説明するには都合がよかったからだ。ひいては林業は活性化していると言えるから、製作担当者は自らの業績にできたのだろう。

だが、ついにどちらもマイナス。しかも、需要量の中に輸入燃料という項目が入ってきた。グラフの紫の部分に注目してほしい。

バイオマス発電が増えればバイオマス燃料も多くいる。そしてそれは国産では間に合わない。どんどん輸入量が増える。結果として自給率を引き下げる……。

そんな動きがあったのだが、総需要そのものが減少しているものの供給量の落ち方がそれよりは多少マシだったから、自給率が上がるという数字のマジックが起きてしまった。

いよいよ、どうあがいても木材消費は減っていくことがはっきりした。木材を使おう!ウッドチェンジ(身のまわりの素材を木材に置き換える運動)だ! とバカの一つ覚えのような政策は曲がり角だろう。
このモクレポには、第7回ウッドチェンジ協議会が開かれたことも取り上げているけれど。

 

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コメント

今後国産材の需要は確実に減少する事がわかっていながら皆伐再造林を進め、供給過多を招く国の愚策。先人が費用をかけた貴重な資源は、海外向けの二酸化炭素削減目標値達成の為に無駄に伐られています。大手製材所は国産材にシフトする動きですが、為替が変動すればまた外材依存になるかも知れません。汚らしい政治家の体裁の為に林業に命をかけてはいけません。地域の人々の生命と財産を守る事に伐採技術が役立ち、その対価で暮らせるようになりたいものです。

将来を見ない政策は、毎度のことながらがっかりです。自分の任期だけ安泰なはよいのでしょうね。

円安が進めば外材輸入が増えるはずなのに、実態は減っているのも意味深ですね。

将来を見ない政策は、将来を見ない木材業界と同じですね。森林はあれど、採算の合う現場は減ってきています。自分の人生だけ安泰であれば良いのでしょう。限りある資源を大切に扱い、後進に残すべきだと考えながら森林整備に励みます。

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