朝ドラで気づく土倉家の物語
現在の朝ドラ「おむすび」は、「カンナの無駄遣い」というそうだ。何も大工道具の鉋を無駄遣いしているのではなく、橋本環奈の魅力を思い切り殺す役柄だから。なんで彼女をこのキャラに配役したのか不思議なほど。
私は、BSの「カーネーション」に夢中。そしてBS11の「半分、青い」。いやあ、どちらとも面白い。とくに「半分、青い」が描く高校生の姿は、いいなあ。会話が断然いい。「おむすび」は、同じ高校生でも、まったく会話が弾んでいない。
そして気づくのだ。「カーネーション」は、日本人、とくに女性が着物から洋服へ移り変わる時代を描いているのだなあ、と。だいたい大正から昭和初期の時代だ。(その後に戦後編に移る。)その陰で悪戦苦闘をしている主人公にはワクワクする。実際に、こうした開拓者がいたのだろう。
そう言えば思い出した。土倉庄三郎は、明治9年に川上村の大滝小学校の生徒に制服として洋服をプレゼントしている。生地はちょっとジーンズに似ていて、デザインはブレザータイプ。横浜の店でつくらせたという。「カーネーション」より時代的には60年以上早い。実際、早すぎて根付かなかったわけだが、奈良の山村に洋服を着た子供たちがいたことは特筆すべきだ。なお土倉家は、みんな洋服を着て写された写真がある。当時は、写真館で洋服を貸し出して写真を撮るのが流行ったらしい。まあ、コスプレのような……。
ちなみにタイトルのカーネーションは、何を意味するのか。ドラマの中では、子供の頃に洋館のパーティで見かけた花として描いている。時代は、やはり大正か。
日本にカーネーションが広がったのは、土倉龍次郎が温室栽培に成功してからだから、大正10年以降。ぴったり符合する。土倉家二代に渡る朝ドラとの縁。こじつけだけど(^-^;
土倉龍次郎の著した『カーネーションの研究』より。
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