「吉野百年黒杉」の可能性
先日のイオン大和郡山で「吉野百年黒杉」のポスターを見た。
興味を持ったので調べてみると、吉野杉の中でも黒芯材を売り出そうという試みらしい。
奈良・吉野から新たなブランド材を。独特の美しさを持つ『吉野百年黒杉』が生まれたストーリー。
吉野杉と言えば赤身が自慢だったため、黒芯は値が下がってしまう、あるいは売れないという問題は以前から聞いていた。吉野杉に限らず全国的な問題だろう。しかし、黒い材質も渋くて喜ぶ人がいるのではないかなあ…と思っていた。
この看板も黒杉らしい。でも、写真だと赤さを感じるかな。
驚いたのは、なぜ黒い材質になるのか科学的にはまだわかっていないらしいこと。一般には土の水分量などを言われるが、厳密ではないらしい。ただ黒い部分は油分が多いのだから水に強いだろうし、用途はむしろ広いのではないか。問題の見た目も、人の意識はいい加減だからどうにでもなるんじゃない?(笑)。
黒がいい、と言い続ければ気に入る人が増えて高値になるかもしれない。黒柿は超高嶺なんだから。
だいたい、業者のいう「よい」は、かなりいい加減。世間の人の好みはもっと柔軟である。だから売れない黒杉を売るのではなく、黒杉はカッコいいことを強調した広報戦略をぶち上げてほしい。黒い筋を活かした商品開発もすべきだろう。さらに希少性があるとか、水に強いとかの機能性も自慢できる。
私は床柱の中でも出節が気に入っている。
一般に節のある木は嫌われるが、その節を意匠にしてしまえば、高く売れる。
それと同じく黒さを売り出そうという発想、頑張ってほしい。ただ、逆に黒い杉材を集めるのが大変だ。どの木が黒いか、黒い部分も一部だけに偏る場合もあるし、それをデザイン的に美しく見せるのは工夫かいる。デザイン感覚が問われるだろう。
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