手取りを増やせ!Wedge ONLINE記事の裏の意図
「手取りを増やせ」という文言は、国民民主党の主張として、何やら流行りそう。まあ「103万円の壁」撤廃がそれに該当するのか怪しいと思っているが、実は私も「手取りを増やせ」を主張している。もちろん、林業家、そして山主の手取りである。
何も労働問題として論じているのではなく、林業振興を「木材生産量」を指標として測るのではなく「山元の利益」が増えたか減ったかで論じないと、日本の林業は回復しないというマクロな林政的発想である。より具体的にいえば、木材価格を上げろ、それも売上ではなく純益を、木材の伐採量は減らしても手取りを増やせ、である。
Wedge ONLINEに「【建築業と林業の起死回生策】AIによる木造資材効率化と適正な利益配分、建築が林業を変える」を執筆した。
ここではウッドステーションの大型パネル式建築法とAIによる建築費概算システムを取り上げ、それが林業にもたらす影響を描いたが、その基本的は簡単だ。建築現場の情報を山に届ける、それに合わせて山は木材を生産する。これだけのことだ。
エンドユーザーが求める木材(量、質、形状……)などに合わせて山が無駄なく生産すれば、その流通過程の無駄が浮く。それを山元に還元すればよい。3・5メートル材が必要とされている現場には、3・5メートル(+α)の材を届けるべきなのであって、4メートル材を届けて50センチは切り落として捨ててね、ということするな、と言っているだけである。
さらに取引を山と工務店の直販にすれば、流通過程で発生するマージンも省ける。(中抜きではない。)
まあ、そんなこと言っても、その「無駄」で儲けている業者がいるから、反対するのだろうけどね。
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