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森と林業の本

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2024/12/06

国会で獣害問題の質疑

国会の予算委員会中継を見ていたら、秋田のクマ騒動から、北海道の銃裁判にジビエに……と獣害問題の質疑が続いていた。

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なんだか、和気あいあい?な質疑が続いて、こういう国会もいいなあ、思った次第。

どうやら立憲の徳永議員と自民の江藤農水大臣は、一緒に現場視察も行ったらしい。さらに石破総理も、もともと農水大臣や地方創生大臣を務めたほか、防衛大臣の経験として「獣害駆除に自衛隊を出せないかという声がありましたが……」なんて答弁も出た。さらに「ジビエ議連の会長を長くやっていて……」とジビエカーの普及にまで言及した。

こういう話題は与野党が角突き合わせることもなく、むしろ方向性に異議はなくて合同で取り組むべき議題なのだろう。

ただ防護柵の予算増額関連では、農水省が「すでに農業を廃業するまでに追い詰められた地域では、柵をする必要がなくなっていたり、農業をやらないから被害額も落ちているのであって獣害が減っていることにならない」現状まで指摘。一方で徳永議員も、ハンターが駆除個体を埋めずに土をかけただけで済ます問題に触れた。それなりにわかってらっしゃる。

もっとも石破総理の「山が荒れているから動物が里に下りてくる」発言には異議あり。そういう認識では困る。「山が荒れている」という文言は林野庁が好きなのだが、この場合の「荒れている」のは林業地の問題であって、天然林、里山林はむしろ自然が豊富になっている。だから動物の数も増えたのだ。山で増えたから里にまで下りてくる……と考えてほしい。

さらにジビエカーも、現場ではまったく役立たずとされていることを知ってほしい。だいたい解体設備を持ったトラックは、駆除現場の近くまで行けないことが多い。連絡があってから、すぐ駆けつける体制をつくるのも難しい。
むしろ必要なのは、その場で解体せずに駆除現場から近くの解体施設まで速やかに運ぶことだ。たとえば軽トラのような細い山道まで入れる小型の車の方が役立つだろう。その車に冷蔵設備を備えていたら、運搬中の劣化を抑えることができる。巨大ジビエカーを欲しがるのは、補助金目当ての業者ばかりだ。

ま、そんなツッコミはあるのだが、聞いていて面白かった。

ちなみに、このところYahoo!ニュースのコメントを付けるのが動物関連、とくに獣害問題が増えてきた。本日付けたのはこちら。

「クマを殺すな」「山に返せ!」クマ駆除に抗議する人たちに「圧倒的に欠けているもの」の正体…昨今、クマ駆除に“ブチ切れる人”なぜ増えた? 

人々に愛されるネコ、実は世界最悪レベルの「侵略的外来種」

だんだん林業分野が減ってなってきた。でも奈良のシカにも正体不明の疫病にも広がってきた。

これは10年ぐらい前から仕事分野の多様化を心がけ、林業ばかりでなく、動物関係の著作を増やした努力の実が結んできたということかな。

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