日本環境法律家連盟とメガソーラー
先日、奈良県平群町で、日本環境法律家連盟(JELF)の会合、視察が開かれた。この地が、現在裁判が進行中の平群メガソーラー建設の舞台だからである。
この連盟は、日本の環境問題に取り組む弁護士の集まりで、全国各地で環境問題関係の裁判を取り扱っている。今回も東京もいうに及ばず北海道や沖縄の問題まで扱っている人たちが参加していた。ホームページより引用すると
JELFは環境保全の観点から訴訟などを通じて無駄な公共投資による環境破壊を食い止めようと活動しています。例えば、長崎県諫早湾の干拓事業、沖縄県辺野古基地、リニア新幹線開発など、大規模開発による自然破壊に対し法律家の立場から反対運動を進めています。
また、自然生態系の保全はJELFにとって重要な課題のひとつです。アマミノクロウサギを原告とする訴訟や、エゾナキウサギ、シマフクロウを守る裁判を行ってきました。
私は、後ろでそっと見守る(^^;)。
平群問題は、私も常々記事にしてきたので、現在の状況を紹介しておこう。
今回起こしている裁判は、正確には二つに分かれるのだが、原告は業者だけでなく奈良県相手の行政裁判もある。むしろ現状では行政裁判が主になっており、県の出した許可の執行停止を求めている。
途中裁判官の交代もあったのだが、現在の裁判官は、建設現場の視察(現地進行協議と呼ぶのだそう)まで行った。そして来年1月14日に結審することまで決まった。ということは3~4月には判決が出るだろう。
ともかく、今も工事が進んでいるので、長引けば長引くほど建設は進んでしまう。現在は調整池の建設だから、災害防止につながる作業だが、盛土をしてソーラーパネルの設置が始まると止める意味がなくなる。
私からすれば、すでに森林伐採は終わり、調整池建設にかこつけて随分地肌を削っているのが見えるから、もはや環境的には破壊し尽くしているんだよな。
弁護士の方針や判決の行方はともかく、行政が一度許可認可を出したら、いかに引っ込めるのに抵抗するのかよくわかる。そして取り返しがつかなくなることも。罰則もあるのかないのか。業者がすっぽかせば終わってしまう。
おそらくこれは、盗伐問題でも一緒で、違反行為があっても、伐採してしまったらコッチのもんという業者側の発想がなぜ持てるのか理解できるようになった。
実は、平群から南に下った香芝市では、万葉集でも知られる景勝地・二上山に巨大な産廃施設が建設中で、こちらも問題になっている。
だが同じく地元自治体の認可を受けているし、今のところ違反行為も見つかっていないというから止める手立てがない。すでに巨大な土のピラミッドが造成されてしまった。
法的に環境破壊を止めるのは、極めて難しいことを痛感する。
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