ウッドデザイン賞、ネタ切れ?
今年のウッドデザイン賞が発表になった。
その中で私が目を止めたのは、「大阪・関西万博特別賞 (国際博覧会担当大臣賞)」。
なかでも気になるのは、monaccaのブランドを持つ、木のアタッシュケース?(株式会社エコアス馬路村)である。
これ、前世紀の商品ではないか。私が馬路村によく行って目にしていたのはそれぐらいだ。
最初は木の皿とかトレイをつくっていた。元は大分県の中津江村~現在の日田市か~で生産を始めていて、その現場に私も訪ねたことがあるのだが、こりゃ売れんわ……と内心思ったことを思い出す。そして、実際に生産がストップしていた。つくってもつくっても売れずに在庫が溜まっていたからである。そして破綻した。
馬路村では、その技術を応用してカバンとしてブランドも立ち上げたのだが……それが20数年前。それが、なんで今頃受賞するんだ? だいたい万博って、未来の技術を紹介するものなのに、前世紀の技術に賞を与えるなんて。審査する方は応募があったからとなるのだろうが……。
ネタ不足か(^^;)。そもそも万博特別賞そのものがうさん臭いが。
ちなみにmonaccaのページはこちら。
ウッドデザイン賞の趣旨については、こうある。
私たちは、木を使うことによって、社会課題の解決を目指す活動を、「ウッドデザイン」と定義しています。SDGsやカーボンニュートラルへの取組が必須となっている今、森林や木材の利活用がクローズアップされています。木を活かして、新たな時代の価値をデザインする。「ウッドデザイン賞」は、木の良さや価値を、デザインの力で再構築することを目的として、優れた建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価し、表彰する顕彰制度です。
応募対象分野
ウッドデザイン賞は、建築・空間・建材・部材、木製品といった「製品」だけではなく、コミュニケーション、技術・研究といった「取組」も含め、木に関するあらゆるモノ・コトを応募対象としています。各分野に中分類とサブカテゴリを設定しています。応募の際は分野、サブカテゴリを選んでいただきます。
今年で10年目というが、そろそろネタ切れかね。木造建築も、目を見張るものがなくて、昨年のものとはどう違うのだろう、昨年は受賞せず今年受賞のわけは……とか考えてしまう。応募はここ数年内に完成させたものといった条件はつかないのか。
いっそ「法隆寺の心柱」なども応募したらどうだろう。1300年続く伝統建築技術をウッドデザインとすると面白いよ。
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このかばんはさすがに欲しくない。なんでも木を使えばいいわけじゃない。木を使うことが、皆伐を通じて森林を破壊している場合があることも、今の時代は意識すべきでしょうね。
投稿: くま | 2024/12/17 18:23
最近は全くこの手の賞に興味を持たなくなりました。なるほどと感心するような内容がまったくないのです。
それよりかyoutubeで紹介している海外の様々な新製品、そして新しい技術に感心しまくっている昨今です。
その中で最近興味を持ったのがドローンを使った空中からの木の伐採と搬出です。まだ開発段階ですが、林業の新たな施業方法であると確信できます。地上の遠隔操作ですから危険性はないし、木を選択して伐採することができます。機械のコストとエネルギーコストがどうなるのかが問題ですが、このくらい新たな発想が大事です。
投稿: フジワラ | 2024/12/17 21:34
カバンは、とりあえず売れているようですよ。まあ、木(ツキ板)でつくっている珍しさもあるのでしょうが、塚勝手は悪そうでした。長持ちもしないんじゃないかな。
毎年いくつもの作品(大臣別に選ぶんだから、余計に厄介だろう)を選出していたら、ネタが尽きても仕方ないですね。10周年を記念に打ち止めにすることを進言します。
投稿: 田中淳夫 | 2024/12/17 23:07