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2025/01/25

『敵』と『モリのいる場所』から描く晩年

映画『』を見た。筒井康隆原作の映画。原作は1998年発行で、ほどなく読んでショックを受けた作品の一つ。

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老後を丹精に生きる元大学教授。フランス文学の権威とも語られるが、引退してからは文筆生活だ。食事、歯磨き、洗い物、洗濯、入浴、買い物、庭掃除……と丁寧に生活が描写される一方で、教え子などが頻発に通ってくれて、ワインをたしなめば話も弾むし、家事の手伝いもしてくれる。バーで女子大生とフランス文学について語り合ったりもする。一方で煩悩や妄想もあり、見栄にも縛られる。辛いキムチを食べすぎて腹を壊す。体臭を気にする。遺言書を何度も書く。

もう、私には憧れの晩年生活だ(^o^)。こんな風に過ごせないか。

なお、筒井康隆は現在90歳で頸椎を痛めて歩けなくなったため老人ホームに入っているが、頭はしっかりしていて執筆活動も続けている。こちらの姿にも憧れる。ただ、『敵』を執筆したのは63歳の時と知って驚愕。主人公も70代の設定だが、現代から見ると老後というには若すぎる。80代に設定した方がよかったように思える。なお映画は、昨年東京国際映画祭でコンペティション部門最高賞を受けたという。

実は、以前にも記したが、モリのいる場所』という映画を見て、これぞ憧れの老後!と思っていた。こちらは2018年公開。30年もの間、ほとんど自宅から外出することなく庭を彷徨い、その世界を描き続けた画家の熊谷守一がモデルというか主人公。94歳という設定で、30坪足らずの庭に毎日通い動植物を観察し続ける生活を続け、やがてファンタジックな展開となる。こちらも憧れた。

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マジに今の私が庭をいじり続けるのは、このような晩年を送りたいので、1日中彷徨を続けられる庭をつくろうと思ったからである。我が家の庭は30坪もないけどなあ。

『敵』でも、庭の風景は重要な役割を果たしている。井戸があって、納屋があって、和風だが庶民的な庭のたたずまいが私の好みだった。こんな庭なら倒れても様になるというか。死体を井戸に放り込むのはどうかと思ったが(⌒ー⌒)。
せっかくの丹精な暮らしも、「敵」が現れたために徐々に崩れていくとともに残酷な展開となるのだが、それも老いを生きる(そして死ぬ)という点においてはアリだな、そんな晩年もいいかな、と思わせる。どちらも妄想や譫妄はあるようだが認知症ではない。頭はしっかりしているのである。

映画を見て帰る途中に、居酒屋とバーを梯子。女子大生ではなく、おばさんらと少しの会話を楽しんだ。予行演習か?

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庭づくり、頑張ろう\(^o^)/ね。

 

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