木質ペレット、新規需要を百均で見つける
百均Seria(セリア) に行った際に目についたのが、こんな商品。
ヒノキのチップと木質ペレットなのだが、使い方としては植木鉢などのマルチング材としている。書いてあるとおり、乾燥予防とか雑草を抑えるとか、目隠し(土が見えるのがイヤなのか?)、そしてヒノキの香りで虫を追い払う効果があるとしている。
なるほど、こうした効果はわかる(本当にあるのかは別問題)し、すでに木質チップを敷きつめた鉢植えも見かける。ただ、明確にそれを持ち出した商品化は始めてみた。百均は、アイデア商品が多いので、意外と発見がある。
最近は木質ペレットの新たな利用にも目を向けられているようだ。バイオマス燃料ばかりよりはよっぽどよい。
目につくのは、まず猫砂だろう。ペットフード協会のによると、2022年時点のネコの飼育頭数は883万頭。最近は室内飼育が推奨されているから、ネコの排泄処理に「猫砂」は欠かせなくなっている。
もっとも、その原料は鉱物系や紙系、そして木材系がある。販売会社によると、木質製が12%を占めるという。これをもっと増やせば、結構な需要が生まれるのではないか。何より単価も利益率も高い。バイオマス燃料よりよっぽどよい。
ただ猫砂製造会社は、原材料の調達に苦労しているようだから、林業界より安定提供したら伸びるのではないか。
木質ペレットは、価格がほかの猫砂よりは高めだが、付加価値はある。香りもするし、消臭効果も見込める。処分時の環境負荷も小さい。バイオマス燃料よりよっぽどよい(しつこい)。
C材、D材の利用としては、立派な需要だと思う。もしかしたら犬用も可能性があるかもしれない。いや、人間の介護用も考えたらどうか。寝たきりベッド用に極細ペレットを開発してみたらどうだろう。枕用はすでにあるから、十分可能だ。
燃料用より炭素固定が…なんてことは言わない。ただ、一瞬で燃え尽きるバイオマス発電に頼るのではなく、需要の多様化、そして個人に身近な用途開発は、長い目で見て大切だと思う。
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こんにちは。「バイオマス燃料ばかりよりはよっぽどよい」には賛同します。以前道沿いの杉、ヒノキを500㎥程伐りました。伐り出しては運搬の繰り返しでしたので500㎥を全部見たわけではないですが、100㎥くらいでも結構な量です。これを全部燃やしてしまうなんてと勿体無い思ったことがありました。ちなみにその中にはA,B材も含まれています。材の質を問わず一律売値1㎥あたり5000円でした。事業の性質上全部バイオマス燃料にするという事でした。現在はその部署を離れてしまったので材の仕分けをしているのかどうかは知りません。田中さんの仰る通り「炭素の固定化」にこだわる必要はないと思いますが採算性を考慮の上で木材の多様化をもっと考えても良いかなと思います。
投稿: | 2025/01/10 10:32
バイオマス燃料用の伐採は、ABCD材を区別せず、全部燃やしますね。量が必要だし、仕分けコストと手間を考えると、面倒なのでしょう。いくら、高価な材が混ざっていても……。
ま、森林や木に「愛」がない業者ですな(´Д`)。
投稿: 田中淳夫 | 2025/01/11 09:43