洋酒樽の世界
北海道旭川に樽工場ができたというニュース。
旭川にウイスキー樽工場 京都のメーカーが建設へ 北海道産ミズナラ使い
この樽、洋酒樽である。たまに話題になる日本酒や味噌、醤油の醸造に使うスギやヒノキの桶樽とは違う。
実は、この記事に登場する有明産業には、私は以前より興味を持っていた。樽や桶の復興が話題になる際に、それとは違う洋酒の樽は広葉樹、とくにオーク(ミズナラ)でつくる樽だ。同じ樽でも別の世界。
もしかして、今後は洋酒樽、広葉樹材の樽が伸びるのではないか……なんて思っていた。この記事によると、実際に道産ミズナラを使ったウイスキーなどの熟成樽製造を計画し、2027年4月稼働予定という。
もともと有明産業は、宮崎県に基幹工場を持っており、年間5000~6000樽を製造しているという。ただ材料は、海外産のオーク材が5~6割を占めるそうだが、道産ミズナラの酒樽も年間1000~1500樽製造しているとある。新工場が同規模としたら、5000樽ぐらいつくることになり、一気に2倍になる。
そうか、需要はあるんだ。ジャパニーズ・ウイスキーが持て囃され、なかには海外産のウイスキーを日本で樽に漬け込んで数か月で「日本産」に化かして出荷することもあると聞くが……。当然、ウイスキー以外の洋酒にも使えるだろう。
日本のミズナラの大径木は、そんなに潤沢にあるわけではないので、そんなに規模が増やせるのか、とも思える。しかし、ほかの広葉樹材でつくる可能性だって探ったらいい。あるいは、細いミズナラ材を活かして樽にする技術開発をすることも考えられるかも。
大阪キタのサントリーバー。古い樽材から家具をつくる動きも、そこそこあるね。
こんな記事も書いていた。
酒樽から作られた家具
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