盗伐問題の記事に思う
思わず私が書いたんじゃないのか?と思ってしまった記事(^^;)。
再生可能エネルギーを促進する制度が「森林破壊」を加速させている
だって、再生可能エネルギーというのはバイオマス発電のことで、そこに「盗伐が助長される」とあるのだから。バイオマス発電批判、盗伐批判となれば、私のテーマにそっくり。
よく読めば、宮崎県盗伐被害者の会の海老原裕美会長が登場している。拙著『盗伐』にも登場する盗伐問題の火付け役だ。なるほど、彼に取材したのなら、重なるはずだ。
まあ、バイオマス発電が木材価格を上昇させた、というよりも、まず大規模伐採ありきで、伐った木の使い道がないゆえバイオマス燃料に流れ込んだとみた方が正確だろうと思うが。結果的に建材になる木が燃料なのだから、木材価格はむしろ引き下げた。それでも量を多くして利益を出すという刹那的なビジネスモデルである。そこに他人の山を乱暴に伐るのだから、コストを抑えてより儲けられる盗伐が、広がる余地があった。
ちなみに、先日地元の図書館に行った。ここは、近年の拙著はほぼ全部揃えてくれている有り難い図書館なのだが、なんと『盗伐 林業現場からの警鐘』はなかった。内容をチェックして、これは生駒市民にはいらないわ、と判断したとは思えないので、ようはタイトルに魅力がなかったのか。盗伐という言葉は、そんなに興味が持てないのかね。都会の街路樹伐採となると、飛びつくのかもしれないが。
盗伐問題がイマイチ盛り上がらないのは、他人事を感じさせ深刻さが伝わらないからかねえ。
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ご参考までにこちらの記事もご覧ください。
三菱商事系「バイオマス発電停止」が暗示する苦境
https://toyokeizai.net/articles/-/855780
投稿: | 2025/02/04 10:30
ありがとうございます。無料期間中に読めました。
投稿: 田中淳夫 | 2025/02/04 10:50