Wedge「スギを伐採しても花粉症がなくならない」を書いた裏事情
Wedge on lineに「【悲報】スギを伐採しても花粉症がなくならない理由、世界の花粉症患者は4億人以上!結局どうすりゃいいの?」を執筆しました。
タイトルは編集部がつけたが、「どうすりゃいいの?」と聞かれたら、「お身体、大事なさってくださいね♡」ぐらいにしか応えようがない。
とにかく花粉症対策と言えば、スギを伐るという発想の貧困さを指摘したかったのである。ほかのどんな病気になっても、病原菌に文句いうことはないはずだ。コレラでもペストでも、エイズさえ、それぞれの菌、細菌、ウイルスには文句を言わない。言えない。そりゃ、内心「こいつがいなかったら……」と思う人もいるだろうが、コレラ菌を絶滅させよ!と声高に叫ぶ人はいないだろう。水虫になったら、白癬菌をこの世から消し去ろうとは思わない。自身の足に住みつかないように清潔にするのが先決だ。
極めて単純なお話を記事にしたのである。
内容的には、これまで幾度も各媒体に発信してきたことなので、それほど新味はないはずだが、改めて調べる過程で花粉症の奥深さ?が見えてきた。日本よりアメリカの方が花粉症患者が多いらしい。アフリカにも多い。日本だって、花粉症が発見される前から似た症状が報告されている。
花粉症対策でスギ伐採に注ぎ込んでいる資金を、治療薬やワクチン開発に投入すれば、もっと早く完成するかもしれない。林野庁が花粉症対策に手を出すのは、それが補助金行政に都合がよいからだろう。
その際に反ワクチン論者が登場する……かどうかはわからない。アホはどこでもいるから。。。
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林野庁もそこまでバカではないでしょうから、花粉症に対して無策だと世論の批判を受けないように無駄だとわかっていてやってるんだと思います。林野庁の存在を社会にアピールすることで、予算獲得と組織防衛をねらっているのかもしれません。一般大衆は無花粉スギで花粉症がなくなると期待してますから、そんなの無理ですよ、病院に行ったらいい薬がありますよと今後とも啓蒙をお願いします。
投稿: くま | 2025/02/13 22:43
世論対策というのはあるでしょうね。加えて、林業関係者にばらまく口実にもなる。
事務官はともかく、多少とも現場を知って考える能力のある技官なら、伐っても対策にならないことぐらいわかっているはず。
しかし、注ぎ込んでいる予算が馬鹿にならない。地方自治体の分も合わせたら数千億円になる。これだけあれば……と思います。
投稿: 田中淳夫 | 2025/02/13 22:52