樹木葬を選ぶ理由
いまや新たなお墓を作る人々の約半数が、樹木葬タイプだという統計が出ている。そして樹木葬を選ぶ理由についてのアンケートを発見した。
これはお墓に関するポータルサイト「いいお墓」で行われた調査。
- 調査期間:2024年1月19日(金)~1月31日(水)
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:873件(全体1,791件)
「継承の課題」を選んだ人が74.8%という結果だ。あと、安いから、という点もある。
一方で、樹木葬のタイプは、「里山タイプ」「公園タイプ」「庭園タイプ」の3つに分けているが、それらの説明はこんな風。
森になる、自然に帰るというのが里山タイプなのだろう。公園と庭園の違いとは何か。
広い園内が全部樹木葬なのが公園で、従来の石墓墓地の一部に設けられたものを庭園としたのか。
いま一つ、納得がいかない(笑)。そもそも樹木葬という言葉自体が、森に帰るべきで、石標の代わりに樹木を植える、あるいはすでにある樹木を標とするという定義だったはず。しかし、現実に作られた樹木葬墓は、森づくりは頭になく、単に石標を樹木に変えただけのものが多い。いや草花を植えるが、石の墓標もあるタイプが少なくない。ひどいのは木もない。芝生に小さな石標だけという墓もある。
公園、庭園タイプは、共にずっと維持し続けないといけないから草木の手入れが必要だ。となると、継承の問題は解決するのだろうか。一定期間が過ぎたら合葬するのかもしれないが、それなら石墓でもできることなのだが……。
なお、お骨を納めるカロートは、土に骨が触れる仕組みでないと自然に戻らない。が、実はコンクリート製が多いのである。そこにお骨を納めても骨が分解することはなく、ずっと骨は残るだろう。ただでさえ火葬していると、骨は無機化しているだろうし。
とはいえ、樹木葬という言葉を商標登録しなかったため、みんな使い放題になってしまった。
樹木葬という言葉の定義がはっきりしないことが原因だ。やはり法律などではっきりさせた方がいいのではないか。
私自身は、もう樹木葬という言葉を消すのは無理だから、自然に還る埋葬法を「緑の埋葬」と呼んだらどうかと提言している。これは環境に優しい埋葬を意味する英語のグリーン・フューネラルから取った言葉だ。ここに森に還る樹木葬のほか、海洋散骨など自然への循環を意識したタイプの埋葬法を含ませる。公園・庭園タイプの樹木葬は入れない。
地味なようだが、こうした墓地制度をはっきりさせないと、禍根を残す。
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