沖縄のジン
ふらりと寄った大阪の百貨店。
その酒売り場で、沖縄の酒コーナーがあった。常在ではなくイベントらしい。沖縄の酒と言えば泡盛と思うところが、実は並ぶのはウイスキー、ラム、ジン……はぶ酒がかろうじて昔ながらの沖縄の酒か。
つい立ち止まると、案内役の女性がいろいろ説明してくださって、さらに試飲を進めてくれる。つい、飲む。ウイスキーはスコッチのボトリングだったが、ほかはみんな沖縄で製造。このラムは? こちらのジンは? やはりハブ酒も。
ふん、ふん。何か特有の香りがする。美味いのか。ズレてるのか? いや、まあ、酔える。アルコール度数も40度、48度、57度……!と半端じゃない。
これが57度のジン。石川酒造場の「ネイビーストレングス クラフトジン」というそうだ。この名のネイビーとは「海兵隊員が船内の火薬に間違ってかけてしまっても、火薬がしけらないほど度数が強い」という意味なんだそうである。限定もので、日本で唯一のウイスキーとスピリッツの品評会である「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2021」で金賞を受賞したとある。ボタニカルも沖縄特産のいろいろ、そして樽もいろいろ。オーク樽やシェリー樽、寝かす期間もこだわりがあるらしい。
いっぱい飲んで、「これ、水を入れると白く濁るんですよ」。「えっ、本当?」「試してみますか」
というわけで、また試飲する。
試飲はそれぞれを3㎖ぐらいずつかと思うのだが、全銘柄を飲めば、30㎖ぐらいにはなるのではないか。うふふ。
軽く酔って、このままでは呑み逃げになるかと思って、このジンを購入してしもた。酔った勢いか。
こうした洋酒スピリッツやウイスキーづくりは、全国的に進んでいる。泡盛メーカーはもともと蒸留酒を作っているのだから、ちょっとした発展でラムやジンも作れるだろう。寝かすことでウイスキーも可能だ。ただ内地の日本酒メーカーまでが、ジンやウイスキーをつくる時代になった。
日本の場合、ボトリングしても、その産地名を使えるから、気をつけないといけない。しかし、ボタニカルという名の植物の活用は、お酒が一番向いているのかも。
私も、行きつけのバーで47度のジンにゆずやレモンの皮を漬け込んでいるのを見て、作り方を教わり我が家でも試している。最初は自宅で採れたレモンを、今は国産完熟ライムという珍しいものを手に入れて漬けている。まだ飲んでいないが、梅酒なんぞと違って、高度数スピリッツにより、糖分も入れないボダニカル要素である。
さて、沖縄試飲祭り、最後は、試飲できないはずの限定泡盛のクースー(古酒)、年間200本しか作っていない逸品も飲ませていただいた。実は、これが試飲した中で一番美味かったのだが、価格も10倍ぐらいするのであった……。
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