林野庁「森林林業の現状」分析を楽しむ
林野庁が、最新の「森林・林業・木材産業の現状と課題」を出した。
こういうのに目を通しながら楽しむ。どこにつっ込めるかなあ、……と考えながら。なんて悪趣味なんだ(> <;)
世界の森林と林業なのだが、森林率の順位で面積が大きいのは、日本は3位で、上位はフィンランドとスウェーデンになっている。ここまではよく知られた話だが、一方で人工林面積のランキングが面白い。大きいのはほぼ大陸国家の中で、スウェーデンが5位をキープしているのだ。これを森林面積と比べると約半分が人工林。日本より10ポイントも高い。フィンランドの順位は9位で日本の次だが、北極圏を含む。
北欧は「森の国」であることを売り物にしているが、目にする森の多くは人工林なのである。
これは国民が期待する森林の働き。まー期待だから実態とは違って当たり前だが、木材生産を見てほしい。この乱高下はなんだ? メモリは3~4年刻みだが、1999年に急降下したうえで、2019年に回復したのはなんだ? そして2023年はまた落ちた。これらの理由を分析してほしい。
なお特用林産物、つまりキノコ類や野外教育も順位は下落傾向。野生動物も落ちているが、23年に一つ上がったのは、獣害が頻発したことが理由かもしれない。
温室ガスの削減・吸収のグラフなのだが、ちょっとわかりにくい。ようするに森林が吸収する分は小さくて、輩出削減が大部分を占めるわけだ。でも、22年が4568万CO2トンなのを、40年には7200万CO2トンに増加させる計画なのか。グラフでは小さくても量は多い。
しかし、それなら森林の伐採を推進するのは矛盾だろう。別のグラフでは、木材利用をさらに増やす計画になっているけど。再造林をすれば大丈夫というものではないし、再造林そのものが半分以下の現状からしても、木を伐ってCO2を吸収させるなんて……(´_`)。
これは違法伐採対策として上げているクリーンウッド法なのだが、あれ? クリーンウッド法は違法伐採禁止を謳っていないよね。合法木材推進にすぎない。違法木材を留められないのだ。
そして業者登録制だが、これによると現在登録した業者は696件か。日本に木材関連事業者って、何件あるのか。数千件?数万件?登録率も出してほしい。登録してもしなくても、違反して何の罰則もないわけだが。
……とこういう風に見ていくと、楽しめるのでありました。
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