妄想~地球の生物が増えたのは山火事のせい?
山火事つづきである。そして、私も山火事に関するYahoo!ニュースへのコメント続きである。
思えば昨年のハワイ、そしてロサンジェルスで巨大な山火事が発生した頃から、山火事に関するコメントをつけだした。
そして今年は日本で大船渡から始まり、岡山・今治、宮崎、そして三重県伊賀市で連鎖的に起きている。なお韓国では同時多発的山火事がものすごく、死者もかなり出ている。その煙が日本にも流れてくるという。
なぜ私のところにコメントの依頼が来るのか。
ようするに山火事専門家なんぞいないからだろう。そこで気象予報士など気象の専門家や消防関係者などにお呼びがかかるわけだが、山火事そのものを語れるわけではない。
私自身は、森林火災はともかく、焼畑に以前入れ込んでいて、それから野火や火入れなどの「火の生態学」をかじったほか、私自身もボルネオの大森林火災に出くわしたり、生駒山で山火事を発見したりしたことがある。実際の山火事は、消そうと思うのがむなしくなるほど大変だ。
私が話せることは何か。火災原因はそちらの専門家がいるので、これまでは生態学的観点と、林業から派生した山の仕事としての山林消防にテーマを絞っている。でも、同じ山火事に幾度もコメントを求められてもネタが尽きる。
ところで、決して公にコメントできないのだが……山火事の効用ということも考えておきたい。
一般に火事で木々が焼けることで植生の遷移が促進される面がある。火事がないと発芽しない種子もある。
それに加えて、山火事で焼けた木質が木炭になったら、それが土の中に残れば、炭素蓄積になるのではなかろうか……と思いついてしまった。木炭は、分解されることがないので、炭素は半永久的に土の中に蓄積されるではないか。
もしかして、地球は何億年もかけて森林火災を繰り返して土の中に炭素を溜め込んできたのではないか。それで土の性質も変わって来て、木炭にバクテリアなどが住みつき、植物の成長に影響する、という発想である。それが黒ボク土を作った。炭素を地中に閉じ込めたことで、大気中に酸素が増えた可能性もある。森林火災こそが、動植物の進化と多様性に寄与したのだ……。
こんな妄想をした。
火事は二酸化炭素を発生するから地球環境によろしくないと思いがちだが、木炭を残しつつ、新たな草木が繁ることで大気中の炭素を固定することになるかと思うと、長い目で見たら生態系を豊かにしていると言えなくもない。山火事だって悪くない?
あ、炎上する(^-^;
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