トランプ、木材にも関税か
連日、ニュースでトランプ米大統領の顔が映ると気分が鬱になる。
ゼレンスキー・ウクライナ大統領とのやり取りなど、下品なマフィアの脅しのようで、交渉手段としては下の下だ。(それにしても、大統領、副大統領が同席するのはいかがなものか。あそこに爆弾テロでもあったら、両者共倒れ。リスク管理はしないのだろうか。)
とまあ、ちゃちな外交評論がしたいのではなく、問題は脅しの手段に関税関税、と連呼する点だ。アホなんだなあ、とため息。
あまり話題になっていないが、木材にも関税をかけると言っている。
毎日新聞によると、トランプ米大統領は、木材の輸入が米国の国家安全保障を損なっているというのだ。
アメリカは、いうまでもなく木材輸出国だ。日本もたっぷり買っている(建材だけでなく木質ペレットも)が、同時に輸入国でもある。近年は 国内の木材サプライチェーンが弱体化したため輸入量が増えていることを問題視しているらしい。
主に輸入先は、カナダや中国、ブラジルなど。これらの国は巨額の政府補助金で木材をダンピングしているというのだが……。
カナダは国境地帯で木材のやり取りをしているのだから、輸入も多いが輸出も多い。これを問題視するのが不思議だ。中国は、製品輸入だろう。中国産木材ではなく、何に加工しているのかを考えるべきだ。ブラジルから輸入する木についてよく知らないが、樹種が全然違うので代替できるのかどうか。
ちなみに日本も、近年はアメリカへの木材輸出が増えている。中国やフィリピンで加工してから輸出する分もある。それが関税で止まれば……。
まあ、大統領以下が森林はいうに及ばず環境全般に興味がない(というより環境保全を敵視している)のは想像できるが、国内の木材供給力を強化するため、森林伐採の許認可手続きを簡素化する命令も出しているそうだ。
ようするに、伐って伐って、伐りまくれ!……なのだろう。
仮にアメリカ国内の伐採量が増えたとして、それらが国内需要に回される保証はない。むしろ、だぶついた分を輸出に回す可能性も高い。日本にも米材が押し寄せる可能性もなきにしもあらず。今度は外材価格が暴落するウッドショックを招くかもしれない。
前回のウッドショック時では、せっかくの値上がり時期に増産せずにチャンスを逃した。遅れて増産した時には価格は下がっていた。今度はどうする? 国産材は、いかに対応すべきか早めに考えておかないと、また置いてきぼりだろう。
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