仁徳天皇陵墳丘の植生
大阪堺市の大山古墳、通称・仁徳天皇陵の墳丘部に研究者が初めて立ち入ったというニュース。
日本最大の大山古墳、初の立ち入り 歴史・考古学系の17学会・協会
世界遺産になりつつも調査を拒んできた宮内庁だが、一度天皇ほか皇室関係者の意見も聞いてみたいものだ、と思っていたが……。ようやく立入が認められたというだけで前進だが、その写真を見て思ったこと。
この新聞記事の、いつもある空撮ではなく下の墳丘部を歩く写真(堺市・宮内庁提供)が気になる。これではわからないと思うのなら、ネットの記事の中には10枚披露されている。内部を歩くのは2枚だけだが。
意外と明るいので驚いた。見た目は、墳丘にはびっしり木々が繁っているように見えるのだが……。どうもギャップ(空隙)があるようだ。しかも、足元には落葉のない部分も。なんとなく、道ぽくなっている。
そこでグーグルマップでも確かめる。
思い切り拡大すると、意外や土部分の見える箇所がいくつもある。また倒木も確認できる。崩壊が起きているのか。ナラ枯れか。加えて草原ぽい箇所もあった。全部が全部、森に覆われているわけではなかったのか。
これまで立入禁止と言いつつ、実は人は入っているような気がする。こっそり侵入ではなく、宮内庁関係者も何らかの口実を設けて上陸している可能性だってある。
以前、某地であった宮内庁の考古学関係部署にいる女性とあった際に、御陵を調査したら大変なことになる、トンデモなものが出土している……と言っていたことを思い出した。天皇制に激震が走る?
もっとも、この大山古墳だって、仁徳天皇とは時代が違うと言われているし、そもそも江戸時代まで一般人が普通に出入りしていた。そしてはげ山だったという。畑を作っていたんじゃなかったか。幕末に尊皇思想が広がったからか、植林した記録もあるのだ。本当は葺き石で覆った石づくりの古墳に直すべきだったと思うが……。
天皇陵の調査に入れて喜んでいるのは歴史・考古学系の学者だろうが、植生調査もしてほしいね。森林系の学者も立入を申請したらよいのに。
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