吉野林業様変わり~驚いたのは…
先日訪れた吉野の林業現場では、驚いたというか、変わりつつある吉野林業を感じてしまった。
広がる伐採跡地。標高は800メートルを越えているようだ。
ちょっといびつな形で連なるので、全体の面積を目測で読むのは難しかったが、おそらく10ヘクタールぐらいはあるだろう。ここはヒノキ林だったそうである。
ちょっと吉野としては皆伐規模が大きいかな、と思ったのだが、驚いたのはそこではない。
しっかり再造林している。いや、それに驚いたわけではない。当たり前だ。していなかったら驚くわ。
切り株の配置を見ると、詰まっている。直径はそんなに太くないので60年くらいかもしれない(でもヒノキだからもっと長いか……)が、周辺には直径15~20センチくらいのヒノキ林も残されているんて、やはり密植した気配がある。
さすが、よく手入れされている。いや、それに驚いたのではない。
驚いたのは、……跡地に植林するのがヘクタール当たり2000本だと聞いたことだ。
2000本! 九州などでは1000本、1500本が当たり前になっているのはわかっている。林野庁も、かつての基準だったヘクタール3000本植えから下げたことも知っている。
しかし。しかし吉野で2000本とは。かつてのように8000本、1万本を植えるのが無理になってきたと聞いているが、それでも5000本ぐらいは植えていると思っていた。これでは、育った後も吉野材にならないだろう。標高が高いから成長は遅くなり、年輪は詰まるかもしれないが……。
何も密植多間伐に縛られることはないにしても、2000本ねえ……。間伐もいらないかもしれない。伐期は何年に設定しているのか。
将来的には、どんな林業を展開するつもりなのか。いや、どんな吉野林業になるのか。一抹の心配を感じたのである。
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