覚悟の吉野山
昨日は、吉野山に行ってきた。
もともと吉野山の桜の写真を撮っておく必要があって計画し、余裕のある日と桜の開花状況を勘案して選んだのが、9日。だが、この日はトンデモであった。まず満開日(下千本、中千本)。快晴。そして翌日からは雨の予報。つまり花見の最後のチャンスになるかもしれない。
ここまで条件が重なれば、とてつもない人手が予想される。私は、そんなに満開でなくてもいいんだけどね……と思いつつ、覚悟して出かけた。
ただし、もはや車はムリ。近鉄吉野線もかつて経験のないラッシュ。通常人がよく降りる飛鳥駅でも降りる人はほとんどいない。みんな花見客なんだろう。終点までゴーだ。
吉野駅到達後はロープウェイの列が100メートルぐらいあって待つだけで1時間を越えそう。もちろん私は自分の足で登る。これも覚悟済み。撮影用にあっちゃこっちゃに寄り道しつつ、下千本、中千本、上千本まで徹底的に歩く。奥千本はさすがに諦めた。もともと桜は咲いていないはずだし、そんなに重視していなかった。こちらは秋にでも行けばよい。紅葉が見られるだろう。こんなもの序の口だわ。登る道が渋滞しているし、商店街も満員電車なみ。そこは歩行者天国だからいいけど、車やバイクの走る道は悲惨だ。何がって、歩行者が車を通してやらないから(笑)。ただバイクはブンブンとドローンのごとくふかすのが不愉快。そろそろ許可車両以外は通行禁止にすることを考えた方がよい。
面白いのは、沿線の家もみんな店開きしていること。通常は民家じゃなかったっけ、と思うところでも店になっている。そこで売る商品は何かはさておき、稼ぎ時なんだろう。外国人相手の店もよく出ている。これぞオーバーツーリズム?
いや、ここで考えたのだ。吉野山は、普段は閑古鳥……と言ったら失礼だが、まあまあエエカゲンな人手なのだ。秘仏のご開帳とか、何かイベントがないと、なかなか観光客は来ない。私は、静かな季節の温泉と寺社巡りも好きだが……。
だが吉野山の民は、1年を桜の季節の1週間で稼ぐ、と言われるほどなのだ。下から上、さらに奥千本まで含めたら3~4週間ぐらいは花見できるが、いずれにしろその間だけの大混雑。これをオーバーツーリズムと呼んではいけない。祭りだと思おう。
この時期に押し寄せる客相手に稼げ!稼いで稼いで稼ぎまくれ! 賑やかで普段会わない人との交流もできる。ほかの時期はのんびりやる。閉店してもよい。いや、そもそも店をやっていないか。花見時期だけの臨時営業だ。宿も営業は半分ぐらいでいい。
なんだか羨ましくなってきた。3週間で稼いで、後は遊んで暮らす(笑)。温泉に浸かり放題、地酒飲み放題……もちろん、桜の手入れはしっかりして過ごす。
年中ごった返して不平不満をぶつぶつ口にする京都人なんぞと違うのだ。
とはいえ、私も人ごみに酔って気分が悪くなった。結局、人の少ない方少ない方へと進み、はるか高見に……。
ここまで来たら人気はなくて、桜の花を独り占めだ。。。。
いるやん (@_@)。この満開の桜樹の景色を独り占めして寝ている人が。やるなあ。
最後に、一応ステキな花の吉野山の写真も披露しておこう。
別に、こんな写真を撮りにきたのではないのだ、と言いつつも、その場にいたら反射的にシャッターを押してしまう景観であった。
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今週末ここへ行くのですが、これほどの混雑とはわかっておらず、たいへん参考になりました。
投稿: くま | 2025/04/11 06:54
今が満開の上に週末ともなると、混雑マックスと思われます(^-^;
まあ、雨が降ると減るかも知れない。いずれにしろ覚悟してくださいね。
投稿: 田中淳夫 | 2025/04/11 20:58
お疲れ様でした 勉強不足で 開花前に奈良旅行を計画してしまいました どうしても見させて頂きたいと 強い想いではありますが ですよねぇ~ 混みますよねぇ~ 高齢ですので 1年考えます とても参考になりました 有難うございます
投稿: mariちゃん | 2025/04/13 13:06
満開時は、どうやっても混みます(-_-;)。
まあ電車は大丈夫ですからロープウェイを気長に待って乗るか、バスで最上部までたどり着いて、ゆっくり歩いて降りるのがよいかと思います。
投稿: 田中淳夫 | 2025/04/13 13:15