オタクじゃない福岡巡礼
最初に言っておくと、私はオタクではない。好奇心は旺盛だが、興味をテーマを一つに絞ることなく、また深入りしすぎず、反対意見も尊重し、あえて距離を置く覚悟も持ち、常にバランスを重んじている。ましてや常識を失うかのような行動は取らない。写真撮りまくって、推しがどうのと超深度の専門知識をひけらかし、一人興奮してまくし立てたりしないのである。
先週末から4日間ほど福岡に行っていた。最初は私が青春時代を過ごした北九州なのだが、かつてここは鉄オタの聖地であった。私が住んでいた頃は、SL、蒸気機関車が操車場にあふれるほど集結しており、私は毎日眺められる環境で暮らしていた。
それに九州最北端の駅があり、西鉄の路面電車が走り回り、門司港も、かつては石炭輸出などの日本有数の貿易港だったうえに、海外航路の拠点であったから旅客船があふれていた。
今は寂れつつあるのは仕方ないが、むしろ「門司港レトロ」で売り出し中で、一大観光地化に成功している。街中では外国人の姿も多い。だが私は賑やかな施設になるべく背を向けて、ひたすらセンチメンタルジャーニー。昔の記憶の断片を追うのさ。
が、私の本題はこれじゃない。以前より狙っていた大刀洗飛行場跡地の平和記念館へGOだ!
ここで何としても見たかったのは、これ!
幻の局地戦闘機、震電! エンテ式(前尾翼・プロペラが後部にある形式)で実用一歩手前まで行った秘密兵器だ。時速700キロ超え、超高々度まで急上昇して、B29を30ミリ砲4門という驚異の重武装で一撃で撃墜する(予定)だった。その実物大模型が展示されているのだ。
高校生の頃から憧れの機体をついに目にすることができた(感涙)。
さらに重要なのは、この機体はゴジラと戦ったこと! 1947年に日本を襲ったゴジラ-1を見事仕留めたのだ(涙涙)。それも雪風、響などの駆逐艦とともに! 戦艦大和の沖縄特攻の生き残り艦隊である。これだけで興奮するではないか💢💢💨
いや、私はオタクではないからね。興奮はしてない。してない。
で、次に向かったのは五郎山古墳。直径35メートルの円墳で、さして大きくない。だが。
まず展示施設五郎山古墳館に入る。
この羨道を四つんばで奥へと進むと、真っ暗な石室が。それも前石室との複式である。そこでスマホの光をかざすと……。
壁面に色とりどりの彩色壁画が!人がいて、動物が描かれ、家があり、船が鎮座する。これが何を意味するか。九州には彩色古墳が多いのだけど、その中でも描かれた点数は非常に多い。いったい6世紀後半の九州にどんなクニがあり、とどんな豪族が勢力を張っていたのか。
それにしても、こんな住宅街の中に、こんな古墳があるなんて!!! テンション上がるわ~。
隣の本物の古墳自体は公園になっているが、本物に入ってみたい。
これで終りではない。ほかにもアチコチ見て回ったのだよ。九州歴史資料館では、九州の古代史の片鱗に触れたし。山林王ならぬ炭鉱王の旧伊藤伝右衛門邸もね。炭鉱の歴史と明治の大富豪の暮らしを垣間見たいという気持ちから。
最後の締めはこれ。
HOゲージのジオラマ。小倉にあるオタクの聖地である。いや、私はオタクではないのだけど、参考のため、勉強のために訪れたのである。あくまで冷静に観察するのが目的である。
とにかく4日間、駆け足だったので、疲れたよ。
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