古書市の林業文献
気がついたらゴールデンウィークだった。
ちょうど大阪の四天王寺で開かれていた古書市に顔を出す。これ以上本を増やしたらアカンと思いつつ、まあ趣味である。それに新刊書店より面白い文献が見つかるのも古書のよいところだ。
そこで目についたのが、なんと林業文献。どこから誰が放出したのかわからないが、1950年~70年代の林業関係の論文や研究報告などが並ぶ。書籍も一部ある。通常、古書市では、出回らない文献だろう。もともと少ないが、買手がつかないから。
たとえば吉野でスギを挿し木苗で育てる実験とか……(従来、吉野では実生苗だが、挿し木で増やしたら大量に苗が供給できる目論見なのだろう)森林の降雨遮断機能とか。興味深いテーマはあるのだが、今から60年以上前の実験や論文だからなあ。同じテーマで近年行われた実験もあるし。薄い別刷り冊子で1部500円とか800円とかの価格である。全部買ったら数千円になるし、研究者でない私が持っても仕方がない、と手を出さないことにした。
それでも幾つか目についたものを購入してしまう。
秋田杉については、あまり詳しくない。運材はともかく秋田の林業史を押さえておくために購入。2800円のところ2000円か。エイ、ヤーと買った。読むかどうかわからない(笑)。が、後で検索すると、Amazonで古書が半額で売っていたのだが。。。
ほかにも森林、林業、木材などの本やムックをパラパラと。
この江戸名所図絵がいいねえ。巨大な木材の山が、いかにも江戸の町を感じさせる。紀伊国屋文左衛門なども登場する。ほかにも並木(街路樹)の歴史とか、興味深い。
最近はすっかり林業系の仕事は減っている。きっと林野庁の陰謀に違いない(笑)。裏で手を回して「タナカ某には仕事を回すな」と圧力をかけているに違いない。そう信じているが、まあ、私も林業には飽きてきたからねえ。といいつつ、こんな文献を集めてしまうのである。
さて、連休の残りの日々はどうして過ごすか。やっぱり仕事しとこうかな。
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林業関連の小説ってなあなあ村シリーズくらいしか記憶がないのですが、いいのはないですかね。
土に生きた女三代というのが週刊朝日50周年の企画の自伝1位でしたが、森に生きた女三代なんていい題材がありそうです。
投稿: 岡本哲 | 2025/05/02 10:35
林業小説というのは難しいですね。だいたい、誰も共感しない(笑)。
永井するみの「樹縛」は、ミステリーにしてSFチックでもあり、林業と輸入木材が絡む不思議な小説でした。名作ではないけど、面白かった。
投稿: タナカアツオ | 2025/05/03 10:57