あんこ放浪記~アズキは日本生まれ!
最近、あんこに凝っている。そう、食べる餡、あんこ。「あんこの入ってない政策」だとか「アンパンマン」とは関係ない。
以前はあんこがをそんなに好きではなかった。和菓子も好みではなかった、はず。
なのに、なぜかふと気になって美味いあんこを探し出した。あくまであんこなので、どら焼もおはぎも興味はない。あんそのものの味を求めている。あえて言えば、きんつばぐらい。朝ドラ「あんぱん」は関係ない。これが始まるより前からだ。だいたいあんぱんは好みではない。やはり高級和菓子店のあんこは素晴らしいものがある。いや、和菓子屋の市販あんこにも好みの合うものがあった。
面白いのは、パッケージ表示の原材料の部分を見ると、アズキより砂糖の多いものが少なくないこと。輸入する加糖餡もあるそうだ。そこにさらに日本で砂糖を添加するとか…。つまり砂糖を食わされてしまう。そうではなくてアズキの味を。甘さ控えめであんにしたアズキを探す。娘から「太るぞ」と警告を受けたが、美味いあんこは太らない、と信じてる。(信じたい…。)
そのうち、自分でアズキからのあんこづくりに挑戦するかもしれないが、素人が少量つくってもダメなのはわかる。
さて、ここまでが前振り。実は「Science」誌に「アズキは日本で生まれた」という論文が載るらしい。その一報を旧Twitterで流れたから。
アズキのような農作物の原産地は、たいてい中国大陸だと思っていたが、遺伝子解析と、アズキとその原種ヤブツルアズキの系統を調べると、アズキの起源は縄文時代の日本だということになったのだそう。詳しい手法などはこちらを。
米より、つまり稲作よりはるか前に縄文人はアズキの原種を栽培して、ちゃんとアズキに品種改良(というのかな)して収穫していたというのだ。場所的には、北関東から南東北辺りで、ざっと4000~6000年前とのこと。その頃の北関東では縄文遺跡が多く見つかっていて、大型化したアズキの種子がいっぱい見つかるそうだ。遺伝子と考古学の合体で確定したわけである。
さらに驚くのは、その栽培アズキが中国大陸に渡って広がったという点。そうか、中国のあんこも日本起源なのか… (゚o゚;)
縄文人が米栽培を始める前からアズキを食料としていたわけである。アズキ、あんこではないが、侮りがたし。
ちなみに報告者は、農業・食品産業技術総合研究機構遺伝資源研究センターの内藤健氏。論文の筆頭は、Chih-Cheng Chien氏となっている。国立台湾大学生態進化生物学研究所の人だが、漢字表記はわからない。
まあ、こんな話で驚いたり喜ぶのは、ごく一部の人だけだと思うが(笑)、私は感動した。
ちなみに米は、中国南部原産である。米不足になったら、アズキを食え、なんてね。
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