森林鉄道はなぜ人気なの
なぜか、今朝は森林鉄道の話題がやたら目につく。
廃線から半世紀「王滝森林鉄道」の歴史を伝える貴重な品が上松町の民家に眠っていた
まずは木曽から。
大正時代から約60年にわたり、木曽谷で木材の運搬を担った森林鉄道で使われたタブレット(通行票)や蒸気機関車の銘板が、木曽郡上松町の民家に残されていたことが6日、分かった。同町と同郡王滝村をつないだ幹線「王滝森林鉄道」が1975(昭和50)年に廃線となってから5月末で半世紀。当時を知る人が少なくなる中、鉄道愛好家は「森林鉄道の物語を伝える大切な資料」と評価している。
なんだかお宝発見!風に書かれているが、ようするにタブレットや銘板。これ、鉄オタには通じるが、一般人にはなんのことやら(笑)。鉄くずに見える。でも、ヤフオクにでも出せば、高く売れそうだ
そして台湾からのニュース。
こちらは世界遺産をめざす動きだ。
台湾は日本統治時代に林業の拠点とされた阿里山(南部・嘉義県)を「阿里山林業・鉄道文化景観」として世界遺産に登録することを目指している。与党・民進党の蔡易余立法委員(国会議員)は7日、日本統治時代に阿里山林業鉄道が建設されたことを背景に、国境をまたぐ世界遺産として申請されるよう、日本との連携を模索すべきだと訴えた。
台湾独自の世界遺産申請は、中国が絶対に邪魔するから通りそうにない。そこで日本時代につくられたものだから、という理屈で両国一緒に申請できないかという、ちょっとアクロバティックな発想から出た策のようだ。
それはそれとして、台湾の阿里山鉄道に関する思いは只事ではない、と昨年訪れて私は感じた。起点となる嘉義の町などには市立博物館や阿里山博物館、林業村、林業鉄道園、森活村などいくつもの記念施設、観光施設があるが、どこでも阿里山でイチオシなのが鉄道なのだ。山ではなく。そこにある(あった)タイワンヒノキの大木群ではなく。
観光として重要というだけでなく、阿里山鉄道に対する愛?を感じた。
私はチケットが取れずに乗れなかった(それだけ人気なのだ)が、各地で阿里山鉄道の展示を目にして鉄分多めを感じた(笑)。私はついていけなかったけどね。。。巨木林はなくなってしまったからだろうか。
なぜ、森林鉄道、そして登山鉄道は人々の郷愁を呼ぶのだろう。小さく可愛いとか、歴史を感じるとか、山を登るから景色がいいとか。理由はいろいろ浮かぶが、少なくても林業とつながる興味ではなさそうだ(^^;)。ようするに集客力があるのだ。
いっそ、日本でも森林鉄道を復活させて、木材の運搬を担えば、CO2排出量を減らせるし、林道建設による山腹破壊も減らせる。そして観光開発にもなるのではないか。鉄オタだけを相手にするのではなく、一般人も招いて林業現場見学ツアーも催し、それでお金を落とさせて総合的に稼ぐ林業を構築する……そんな夢ある大風呂敷……もとい林業再生計画を誰か描いてくれないかなあ。
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