皇居「松の間」の床
たまたま旧Twitterで上げられていた話題。
皇居の新宮殿「松の間」の床の木のことである。あの木がすごい、とある。逆に質素で体育館みたい、つまらないという声もあるが……。
松の間は、宮殿内で最も格調高い部屋とされており、儀式に用いられる。内閣総理大臣と最高裁判所長官の親任式、新任の外国の特命全権大使の信任状捧呈式、勲章・文化勲章の親授式などはこの部屋で行われる……という。逆に言えば,もっとも報道でよく登場する部屋でもある。この部屋の隣にある報道室から撮影されているそうだ。
気になったので、「松の間」の写真を探してみた。
なるほど、ここの床、つまりフローリング部分を見ると…。
こんな感じ。これ、ケヤキである。まさかツキ板とは思えないので調べると、宮内庁のHPに紹介されていた。
松の間は、広さ370平方メートル(約112坪)で、床は宮殿内では唯一の板張りとなっており、幅約80センチメートル、厚さ4.5センチメートル、長さ約5.4メートルの欅材が87枚並べられています。壁面には、若松文様浮織の裂地張りが施してあります。
幅80センチ、長さ5・4メートル、そして厚さ4・5センチ……そんなケヤキ板が手に入るんだ。87枚も。元のケヤキがどんな木だったのか。おそらく直径1メートル、いや1・2メートルくらいないと幅が取れないだろう。さらに真っ直ぐ5メートル以上伸びた幹があること。そして内部に空洞がないとか、傷がないものを選んで……と。
厚さからすると、1本から2、3枚しか板は取れない。
新宮殿は、1964年に着工し、1968年に竣工したとある。その頃に全国からケヤキ材を集めたのだろう。
最近ケヤキの価格は落ちているが、その頃は最上級の値段だったはず。よく集めたもんだ。
皇居をそんな目で見てはダメ(> <;)。
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日本林業は世界に勝てる?
『日本林業は世界に勝てる』2024年 岡山県立図書館にはいっていました。
【https://www.honzuki.jp/book/357336/review/317988/】
わたしには真実性はよくわからなかった。
投稿: 岡本哲 | 2025/06/01 19:19
本の存在は知っているのですが、あまり読む気がしなくて……。
著者がイケイケドンドンの人ですからねえ。しかも単に量ばかりを追求している。
読んだら感想を聞かせてください。
投稿: 田中淳夫 | 2025/06/02 09:33