無料ブログはココログ

森と林業と動物の本

« 『共存 克服 花粉症』の描く林業 | トップページ | 土木業者の伐採 »

2025/06/01

皇居「松の間」の床

たまたま旧Twitterで上げられていた話題。

皇居の新宮殿「松の間」の床の木のことである。あの木がすごい、とある。逆に質素で体育館みたい、つまらないという声もあるが……。

松の間は、宮殿内で最も格調高い部屋とされており、儀式に用いられる。内閣総理大臣と最高裁判所長官の親任式、新任の外国の特命全権大使の信任状捧呈式、勲章・文化勲章の親授式などはこの部屋で行われる……という。逆に言えば,もっとも報道でよく登場する部屋でもある。この部屋の隣にある報道室から撮影されているそうだ。

気になったので、「松の間」の写真を探してみた。

1_20250601122301

なるほど、ここの床、つまりフローリング部分を見ると…。

2_20250601122401

こんな感じ。これ、ケヤキである。まさかツキ板とは思えないので調べると、宮内庁のHPに紹介されていた。

松の間は、広さ370平方メートル(約112坪)で、床は宮殿内では唯一の板張りとなっており、幅約80センチメートル、厚さ4.5センチメートル、長さ約5.4メートルの欅材が87枚並べられています。壁面には、若松文様浮織の裂地張りが施してあります。

幅80センチ、長さ5・4メートル、そして厚さ4・5センチ……そんなケヤキ板が手に入るんだ。87枚も。元のケヤキがどんな木だったのか。おそらく直径1メートル、いや1・2メートルくらいないと幅が取れないだろう。さらに真っ直ぐ5メートル以上伸びた幹があること。そして内部に空洞がないとか、傷がないものを選んで……と。

厚さからすると、1本から2、3枚しか板は取れない。

新宮殿は、1964年に着工し、1968年に竣工したとある。その頃に全国からケヤキ材を集めたのだろう。

最近ケヤキの価格は落ちているが、その頃は最上級の値段だったはず。よく集めたもんだ。

皇居をそんな目で見てはダメ(> <;)。

 

« 『共存 克服 花粉症』の描く林業 | トップページ | 土木業者の伐採 »

木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

日本林業は世界に勝てる?

『日本林業は世界に勝てる』2024年 岡山県立図書館にはいっていました。

https://www.honzuki.jp/book/357336/review/317988/

わたしには真実性はよくわからなかった。

本の存在は知っているのですが、あまり読む気がしなくて……。
著者がイケイケドンドンの人ですからねえ。しかも単に量ばかりを追求している。

読んだら感想を聞かせてください。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 『共存 克服 花粉症』の描く林業 | トップページ | 土木業者の伐採 »

July 2025
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

森と筆者の関連リンク先

  • Yahoo!ニュース エキスパート
    Yahoo!ニュースに執筆した記事一覧。テーマは森林、林業、野生動物……自然科学に第一次産業など。速報性や時事性より、長く読まれることを期待している。
  • Wedge ONLINE執筆記事
    WedgeおよびWedge on lineに執筆した記事一覧。扱うテーマはYahoo!ニュースより幅広く、森林、林業、野生動物、地域おこし……なんだ、変わらんか。
  • 林業ニュース
    日々、森林・林業関係のニュースがずらり。
  • 森林ジャーナリストの裏ブログ
    本ブログの前身。裏ブログとして、どーでもよい話題が満載(^o^)
  • 森林ジャーナリストの仕事館
    田中淳夫の公式ホームページ。著作紹介のほか、エッセイ、日記、幻の記事、著作も掲載。