サイエンスZEROで知った森林の実情
27日のNHKEテレの科学番組「サイエンスZERO」で、持続可能な22世紀へ!“森林活用”最前線 の放送があった。
正直、そんなに期待はしていなかった。だって、想像つくんだもん(笑)。
実際に取り上げたのが、
今回のテーマは「森林活用」。2050年の脱炭素社会に向けて、日本の豊富な森林資源が大注目!▼世界で続々増える木造のビル建築。井上咲楽が京橋で建設中の最先端ビルを取材。CO2を吸収・固定し、地球にやさしいビル作り。▼固有種「スギ」の木くずを使って、高機能プラスチックの開発も。▼スマート林業の新技術で、山の資源調査がたった1日に短縮。生産性・安全性も大幅アップ!放置されてきた日本の森林が宝の山に
という内容である。つまり木造ビルに改質リグニン、そしてスマート林業の中でも森林調査をAIで行うリモートセンシング。あと、林業機械と作業道コース作成ソフトについても少し触れていた。
いずれも想定通り。それぞれツッこみたい部分はあったのだが……(^^;)。まあ、それはいい。
ただ注目したのは、スマート林業の「森林を撮影するだけで本数や樹高、太さなどがわかる」という技術を説明するときに映し出された実験地。
金沢市が行っている実験である。驚いたというのか興味を引いたのは、技術ではなく、その結果。
樹高が20m程度あって、胸高直径も30㎝近い。この人工林の林齢は、60年くらいだろうか。
ただ問題は、A材B材C材の各割合だ。つまり木材の質というか、曲がりの具合。製材に回せるか合板用となるか、製紙チップいや燃料にしかならない木の割合である。
すると、モデルとした金沢市の森は、A材1.344%! B材38.868%、そしてC材59.788%なのである。つまり6割はチップにするしか用途がない。残りはほぼ合板。製材にできるのは1%程度であった。
これはきついわ。こんな人工林では、金にならないだろう。実質的に仕分けもせずに全部バイオマス燃料に回されるんではないか。仕分けする手間賃が無駄になる。それに再造林する気になれない。
ほかの場所でやった計測結果もあった。
こちらは、A材が5%まで増えたから、ちょっとホッとする。いや、別に成績がいいわけではないだろうが。
別に、そうした森をわざと選んで実験したわけではないと思う。ABCの割合の全国平均はどれぐらいだったっけ。ちょっと覚えていない。ただが1:1:1になればいいと聞く。それでもA材は33%にすぎないから、利益としては薄いが……樹木は生き物だから思うようにいかない。生えている木のほとんどをA材に回せるような人工林は、ごく一部の優良林業地だけなのだろう。
でも、A材1~5%ではねえ。技術開発を進めるのなら、計測だけに終わらさず、曲がった木の使い方も扱ってほしい。湾曲した幹をまっすぐに伸ばす研究とか、曲がり丸太から平たい板を製材する(そして反りを止めて固定化する)方法とか、あるいは曲がった木の新たな使い道。インテリアだけなく、何か考えてほしい。砕いて燃料にするとか、リグニンを取り出す……というのはナシよ。
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