第一次産品のコスト表示、可能か?
米価格の高騰で、そもそも「生産現場でかかるコストはいくらなのか」という問題がクローズアップされている。これまでの最終価格はコスト割れを強いていたのではないか、という指摘からだろう。
実は、この問題に関わる法律が、先月国会で可決成立している。「食品システム法」だ。正式名称は「食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律」である。この法律は、合理的な費用つまりコストを考慮した価格形成と、食料の持続的な供給ができるシステムを確立するために作られたそうである。
中身は複雑で、十分に理解できないところもあるが、まず生産や流通などにかかるコストを表示することをめざしている。理念的で努力義務であるから実際にどさほど表示されるかどうか。
実効性を疑う面はあるものの、私は期待している。今回は小さくても方向性を示した。将来的に物販にはコスト表示が必要という理念を示したことになるからだ。ただ工業製品などコストを計りやすい商品ならともかく、農林水産物は非常に難しいだろう。
キャベツを例にとったコスト計算。生産段階では、種苗、肥料、農薬、労務……費用を計上する。さらに流通過程の包装や集荷、市場、輸送、光熱費……などの上に人件費。そこにマージンを乗せる。
すると関東のキャベツは、コストが122,2円だった。しかし売値は、118,1円。赤字や~!
ところが卸では少ないながらもマージンをとっていた。つまり結果的に赤字を全部かぶったのは農家なのか……。
ま、そんな状況が見えてくる。私は農業だけでなく、林業も水産業もやるべきだと思っている。木材の生産コストを60年間分計上してほしい。いや50年60年前の植林コストではなく、現代の再生産コスト(地拵え、植林、育林……獣害対策)を計上するべきだろう。そのうえで、木材の価格を決めるべきだと思っている。
本当は環境負荷コストも算出すべきだろう。これまで皆伐すれば伐採コストが安くなると思いがちだったが、逆に環境の破壊度が強くなるので、修復コストが積み上がる。そうなったら皆伐して生産した木材は高くなる。⇒売れなくなる⇒皆伐を止める……となってほしい。
米価格も、それらを明示したら、高くなったことに消費者が納得せざるを得ないのでは……。
まあ、現状では夢物語かもしれない。同趣旨のフランスのエガリム2法も、現場では四苦八苦していることが伝わるが、それでもやり進めてほしい。
トレーサビリティの次はコスト明示。適正価格求めるエガリム2法
無理だ無理だと言われたトレーサビリティの表示が世界的に進んでいるのだから、コスト表示もできるはずだ。
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